読書の秋だから…というわけではないが、この本を購入した 


まだまだ、読みきれていない本もたくさんあるのに💦



中尾彬さん池波志乃さんの著書

『終活夫婦』


ストーリーというよりも、お二人の対談形式の文章がメインで書かれていて読みやすく

積ん読状態の他の本を差し置いて、あっという間に読了した


私も終活というか、色々な断捨離を初めても 早すぎることはないけれど


そういうことが知りたいというよりも、志乃さんの考え方や生き方 ご夫婦の生きざまを垣間見てみたい…


そんな気持ちで読み始めたのだ



心の ねぇねぇ

池波志乃さんは、私にとって

「心のねぇねぇ(姉)」


ただ、私がそう勝手に『心の姉』と慕っているんだけど


憧れの人であり、こういう女性になりたい…

そんな方


20年ほど前に、2晩続けてお会いしたことがある


そういうことを書くと

「オマエ、自慢したいの?」

とも言われるだろう


そう もうね、自慢ですよウインク


あんなにステキな方と出逢えて、様々なことを語り合えるという時間が

私の人生にあったのだから



ねぇねぇとの出会い

ねぇねぇとは、私が好きな沖縄のミュージシャンの BBSで出逢った


いつぞや私が沖縄に、そのミュージシャンのライブを見に行く…と書き込んだら、直接連絡をくださったのだった


「もしよければ、ライブ ご一緒しましょう」


その時は、BBSに現れる 

『SHINO @ 東京(時々、沖縄)』

と書かれたHNの方がまさか、あの女優の池波志乃さんとは思わなかったのだが(当時は芸能界から離れていた)


連絡を取り合っているうちに、その正体がわかった時には

もう、色んな意味で震えたよね(笑)



そして、沖縄では 国際通りにあった『和の市』というライブ居酒屋の前での待ち合わせの約束で


ボケッと座って待っていた私の前に、水色のグラデーションの、ふんわりとしたトップスに細身のデニムといういでたちで現れたねぇねぇは、まるで空から舞い降りた天女のようだった



「いつも着物を着てるイメージを持たれるけれど、普段はこんな感じなのよ」

と笑った、とても気さくな ねぇねぇ


リアルでの初対面なのに、その日が誕生日だった私に プレゼントまでくださった

(ミュージシャンの方から、私が誕生日であることを聞いていたらしい)


↑その、沖縄ミュージシャンのライブ音源を 8枚ものCDに焼いてくれたのだ

手書きのメッセージと共に、これは私の宝物音譜音譜



その日はライブを共に楽しんだのだか、帰りになんと更に嬉しい言葉を頂いた


「明日もまだ、こっちにいるんでしょ?」

「予定がなければ、夜に食事に行きましょうよ」


もう、首をブンブンふってうなずき

ありがたくそのお言葉を受け止めたのだった



ねぇねぇと語った時間

翌日、やはりライブに一緒に行っていた 現地の友人と3人で

安里の『うりずん』で、お酒と食事を楽しみながら

本当にたくさんの話をした



それぞれの日常や仕事のこと、ライブとミュージシャンのこと…


気さくなねぇねぇも、たくさんのご自身の話をしてくださった


亭主関白なご主人のこと

自身の生活や仕事のこと

得意なお料理のこと



お酒が好きなご夫妻の食卓に並ぶ料理は、まずお酒の味を見てから それに合う料理を作る

とか


ラフテーを作ったあとの油を取っておいて、他の料理を作るとコクが出るよ

とか


コンビーフハッシュを常備しておくと便利に使えるよ

とか


田芋の唐揚げの作り方…

100年古酒(うりずんに保管されているそう)への思い…


マヨネーズは手作りじゃないと食べないというご主人を

「面倒なオヤジなのよ」

と笑い


いつも、ご主人を安心させるために

「お金なら腐るほどありますから、心配しないで」

と言っていたという

(書籍内でも、何回かこれは出てくる)



こんなたくさんの話を聞きながら思ったのは

ねぇねぇはご主人の後ろを下がって歩き 立てながらも

ごく自然に ご主人を掌の上で遊ばせて戦わせているんだな…ということ(中尾さん、勝手な見解 スミマセン💦)



そして、美味しいお酒と食事を共にしたあとのねぇねぇは

サッとスマートに会計に向かった


私も友人も、自分の分を払わねばと申し出ると


『ここは私のテリトリーだから、私に任せて!』


ありがたく、お言葉に甘えたのだが…


カッコいい!

ねぇねぇ、カッコよすぎる!


ご馳走していただいたからというわけではなく、サラリとそんな言葉を発するなんて

どれだけ気っ風がよくて カッコいいんだよ!!


めちゃめちゃ、感動したのだった



いつか私もそのことば、使いたい!

ねぇねぇみたいに

『私のテリトリー…』

って、言ってみたい!


そう思っていて、1度だけ娘のような友人と食事をした時に言ってみたけど

なんか、カッコがつかないプンプン


やっぱり、生きてきた道や経験が違うからこそなんだよな…


単純にそう思った

当然だけどねてへぺろ



翌日の飛行機で、羽田に帰る予定だったが

ちょうど台風の影響が出始めていて、飛行機が飛ぶかどうか?という状況だった


そんなことを、前夜のお礼方々 ねぇねぇにメールをすると

「飛行機、飛ばなかったら うちに戻っておいで~」

との返信がびっくり


幸か不幸か、私の乗る便まで飛行機はギリギリ飛んだのだけど

自分の乗る予定の飛行機が欠航になることを祈ったのは、あとにも先にもこの時だけ



ねぇねぇには追い付けない

この沖縄での出来事の時点、著書を出版したころのねぇねぇの年齢を

今の私は ゆうに越えてしまっている


しかし、だからといって 私がねぇねぇのように考え ふるまえる器には全くなっていない


やっぱり、ねぇねぇはいつまでも私の憧れで目標の女性


ご夫妻共々、大病を経験されていることもあってか
著書の中で語られている『終活』は、深い


お墓のこと
遺言状のこと
断捨離のこと

ご主人はトレードマークの『ねじねじ』をかなり大量に処分したそうだし

沖縄での家や木更津のアトリエも手放し
人間関係の断捨離もしているそうだ

人間関係の断捨離というと、ネガティブに捉えられがちだけど
お2人にとっては、決してそういうことではなく
「必要な人とは必要な時にまた出逢える」
という感覚なのかもしれないし

柵とか余計なお世話や気遣いとか、対する方々双方ともに手放して、軽やかに生きていきましょうよ

そんな、考え方があるようだ


シンプルに生きて、サバサバとご主人と人生を歩む ねぇねぇの姿は
私から見れば天晴れであり

私自身、心が塞ぎそうなときや燻ったとき、腹が立って仕方のないとき

「ねぇねぇなら、どう考えるだろう?どうするだろ?」

と、考えることがある


そう考えると、答えはシンプル

そこに行き着くのだ

(もちろん、私にも譲れない自身の軸は有るのだけど)


あのころのねぇねぇよりも、年が上になった今の私だけど

やっぱり、ねぇねぇにはいつまでたっても追い付けないや…



最近またTVやメディアでその姿を拝見するが

いつも、「おしどり夫婦」と言われるご主人と仲良く一緒


「おしどりって、本当は仲が悪いんだってよ」

「突っつき合うの?」

と、著書の中でお2人は語られているけれど(笑)



色々なものやことを手放したねぇねぇの連絡先は、私の古いガラケーのデータにはまだ残っているけれど

それも、既に今は手放しているだろう


またいつか、再会できる時があるのかはわからないけれど

そのような時が来たら、少しでもねぇねぇに近付いていられる自分でいたい


それまで、ご主人と仲良くお元気で

時折TVやメディアでお会いできたらと思う


中尾さん

「志乃は最高の女房だよ!」

まさに、おっしゃる通りです!!


  追記・2024.5.23


昨日、中尾彬さんの訃報が入りました

急に…だったようです


つい数日前、ご夫妻と鈴木福くんが出ているCMが流れているのを見て

「お元気かな?」

と、思ったところだったのに…


https://news.yahoo.co.jp/articles/2bd005d0431e4e260a11627cee8542522b18d692


おしどり夫婦と呼ばれ

「あんなご夫妻 素敵だな」

という憧れのお二人なので、寂しく残念な気持ちで一杯です


ねぇねぇは、ご自宅で看取られたようですが

発表されたコメントを読ませていただきました


「叶いますならば、中尾彬らしいね~と笑って送ってあげてくだされば幸いです。長い間、本当にありがとうございました」


と、綴っていらっしゃいましたが

この文面も、ねぇねぇらしいな…

と、感じずにはいられませんした


金婚式まであと少し…

というところだったでしょうが、夫婦として それまで様々なことはあったかと思います


「私が出掛けるときには、おかずやお総菜を作って、全部わかるように冷蔵庫にいれておくの」

「マヨネーズは、手作りじゃないと食べないしね」

「面倒なオヤジなのよ」

と、笑いながら話してくれたことも 蘇りました



一歩引いて、常に中尾さんを立てていた ねぇねぇ

でも、きちんと手綱は握っていたであろうねぇねぇ


中尾さんは、ねぇねぇが奥様で本当に幸せだったでしょう


ねぇねぇも、私がこんな言い方をするには失礼なのだけれど

本当に天晴れ!で最高な奥様なのだと改めて尊敬しているところです



20年近く前、ねぇねぇからいただいた 『ねじねじTシャツ』

引っ張り出してきました

(後で漂白もして、キレイに洗わなくちゃ💦)


これ、大切にして持ち続けますね



私は中尾さんには1度だけ、大阪のライブ会場で ねぇねぇご贔屓のアーティストの応援で来られていたときにお会いしただけなのですが


黒服のビシッとしたSPを数名従えながら(周りがビックリしてたよね 笑)

あの笑顔でニコニコと 観客席に座っていらっしゃった姿が 今も忘れられません



中尾さん、どうか安らかに

ご冥福をお祈り致します