8月22日18時15分、 東京行きのANA/AIR DOは、小雨の新千歳空港を飛び立った。
夏休み終盤とあって満席。
出発時間が遅れてしまったことのアナウンスが流れていたが、乗客のざわめきでかき消された。
上空に上がった時。
翼の先に、どんよりとした雲をかいくぐるかのように、夕焼けが浮かびあがった。
雲の、その上のその上・・・雲の中。
グレーの分厚い雲がまるでモンスターのように、どこまでも続いていた。
その中でオレンジ色の光が見えたのだが、一瞬のうちにそのグレーの雲の中に吸いこまれた。
しばらく飛行すると、グレーの雲は姿を消して黒い雲に変わり、翼の先端のオレンジのランプだけが浮かんでいるように見えた。
あとは、飛行機の窓から漏れている光で機体の一部が見えるだけ。
気流の影響で時折機体が、下がる。
暗闇の中、突然、閃光が走り黒いモンスターが出現した。
雷だ。
遠く、翼の先のもっと遠く・・・でも、雷雲と同じくらいの高さ。(そう感じた)
初めて見た。
飛行機の窓から。真横で・・・
神秘的とも思えた。
黒い布の中で、蛍光灯を点滅させているよう。
その一瞬、黒いモンスターが浮かび上がる。
地上で見ているのとは違って、雲から雲へ伝わるように横に広がり、時には爆発したかのように、強い光が走る。
音が聞こえないから、怖さはなかったが自然の脅威を感じた。
岩手、宮城、・・・東京に近づくにつれて、雷の形状が地上へ向けての火柱のようになっていった。
飛行機のコードが下がり始めた。
宝石をちりばめたような東京の街。
空気がよどんでいるのか、うすぼんやりとスカイツリー。
蛇行するように走る高速道路の車を見ていたら、街の喧騒がよみがえってきた。
そして、まとわりつくような暑さも・・・
ぁあ、夏が終わっちゃったな。
心の中で叫んだ。
また、出かけよう。