トランプ政権 ちきりん


⚫︎グローバリゼーションからの離脱

 トランプ大統領は人・物・金が国境を超えて自由に動くグローバリゼーションを否定しました。

 アメリカで売る物はアメリカで作れという貿易の否定、そして移民もダメ、お金もアメリカ国債を持つ中国や日本から、とやかく言われることなく、海外からの投資が無くてもやっていけるグレートな国にしたいと思ってるのかもしれないです。

 これは今まで世界がやってきたグローバリゼーションから逆行する世界観で、世界中がアワアワしている感じです。

 人も動かないってことは多様性も失われていくし、ネイティブに英語を話す白人だけで、宗教はキリスト教で、イスラエルを支持している人だけで良いって言うイメージなんです。

 このことは、これから言う過去の3つのインパクトに匹敵することだと思います。それは…



オイルショック

 

 まずは1970年代前半に起きたオイルショックです。それまではエネルギーといえば石油でした。なぜなら石油はめちゃくちゃ安かったんです。

 今は1バレル$60〜$70、たまに$100超えるなんてときもありますけど、オイルショックの前は$10とか、下手すると$5とかすごく安かったんです。

 これはイギリスやアメリカが産油国から石油を事実上奪ってきたからなんですね。エクソンとかモービルとかいうメジャーがめちゃくちゃ安く産油国から手に入れていたからなんです。石油が安いから燃費の悪いアメリカ車も売れてたんです。

 それが中東の産油国が「なんで俺たちの石油を英米に搾取されてるのか!」となってOPECが作られ、産油国が石油の値段を決めることになりました。

 これは中東の産油国をめちゃくちゃ豊かにして、買っていたG7の国はパニックになりました。今まで湯水のように安く使っていた石油が高騰して日本ではトイレットペーパー騒ぎが起こりました。

 このOPEC創設が世界に与えたインパクトは大きかったと思います。


田中角栄の日中国交回復



 1972年の田中角栄とニクソンの訪中もインパクトを与えました。これまで西側諸国は中国共産党を認めてなかった、中国といえば資本主義の台湾でした。それなのに田中角栄さんは、アメリカより先に中国訪問して日中国交回復してしまいました。

 これは人口15億人という中国を無視できなくなった。それにより共産党中国の世界デビューと、台湾は中国と認められなくなったということです。

 この中国の世界デビューが無ければ米中対立なんて無いわけですから世界に与えたインパクトは大きかったです。


ソ連崩壊


 もう一つは、1989年ベルリンの壁崩壊に始まるソ連崩壊です。それまでは資本主義陣営と共産主義陣営の対立構造があって、冷戦なんていわれた時代でした。

 ソ連崩壊によりロシアはヨーロッパに近づき、ヨーロッパもロシア資源に頼りはじめました。しかしプーチンさんの苦悩もそこから始まります。それまでソ連はアメリカと対峙する世界の2大巨頭だったのに、米中時代になってしまうんです。



⚫︎感想

 今回も“ちきりん”さんの話しは解りやすく興味深い内容でした。

 オイルショックは、アメリカが中東の石油を安く支配していた時代の終わりを象徴する出来事だったんですね。

 アメリカやイギリスは1953年イランに親米的な政権にするための軍事介入をしたり、2003年には大量破壊兵器の存在を名目にイラク戦争を仕掛けたりしています。しかしこれはアメリカによる石油帝国主義という非難もされました。

 今回トランプさんがやったグローバリゼーションの否定は、オイルショック、中国共産党の世界デビュー、ソビエト連邦崩壊に匹敵するほどのことだと言うことなんですね。



⚫︎グローバリゼーションとは

 経済、文化、政治など、さまざまな分野で国境を越えた交流や一体化が進む現象のことです。より具体的には、ヒト、モノ、カネ、情報などが国境を越えて移動し、世界が緊密に結びつくことで、経済活動の国際化や文化の多様化、政治的な相互依存などが進むことを指します。



⚫︎中東とアメリカの関係

 中東の産油国とアメリカが仲が悪いのは、石油をめぐる不平等な関係が長年に渡り続いていたからです。

 20世紀初頭から中東の石油利権は、アメリカ・イギリスの石油メジャーが独占的に管理していました。 

 1960年にOPEC(石油輸出国機構)が結成され、石油価格は産油国が決めるという主張が強くなります。

 そして1970年代に入ると、アルジェリア・リビア・イラクなど石油産業の国有化(外資排除)を進めます。これはアメリカから見ると「反米的行動」に映り、対立が深まります。

 今回のミサイル攻撃も表向きは「イランの核開発を阻止する」ですが、「石油に関するイランの影響力を拡大させたくない」とかいう裏事情があります。