プライベート・ライアン


1998年 アメリカ映画

監督 スティーヴン・スピルバーグ

脚本 ロバート・ロダット

出演 トム・ハンクス

   マット・デイモン



第二次世界大戦、連合軍のノルマンディー上陸作戦時に、たった1人の兵士を探すためだけに、8人もの兵士が命がけで探しに行った実話です。



⚫︎あらすじ


激戦を生き延びたアメリカ軍のミラー大尉(トム・ハンクス)は、軍上層部からある極秘任務を命じられます。


それは、前線で行方不明になったジェームズ・ライアン二等兵を救出し、故郷へ帰還させることでした。


ライアン家は4人兄弟のうち3人が相次いで戦死しており、国は残された最後の息子だけは母親の元へ帰そうと考えたのです。


ミラー大尉と選ばれた7人の兵士たちは、敵の支配地域へと進みます。しかし、兵士たちの心には「たった一人の命を救うために、なぜ8人もの命を危険にさらさなければならないのか」という強い疑問と葛藤が渦巻いていました。


過酷な戦場を進む中で仲間が一人、また一人と命を落としていきます。


やがて部隊はライアンを発見しますが、彼は戦友たちを置いて自分だけ帰国することを拒否し、前線に残って橋を死守すると宣言します。


ミラー大尉たちも共に戦うことを決意し、激しい防衛戦が始まります。


部隊の多くが犠牲となる中、ミラー大尉は致命傷を負いながらもライアンに「無駄に生きるな、しっかり生きろ」と言葉を託し、息を引き取ります。


生き残ったライアンは、その言葉を胸に戦後を生き抜き、年老いた姿でミラー大尉の墓前を訪れ、その犠牲に応える人生を送れたかを問いかけるのでした。





⚫︎感想


戦争映画を面白いと言っていいのかわかりませんが、良くできた映画です。


フランスを占拠したドイツ軍を連合軍が攻めるためにノルマンディー海岸から上陸したころの話です。


ドイツ兵が機関銃で構えている海岸に、突撃して行く作戦ですから、連合軍側は狙い撃ちされてしまいます。


次々と部下が亡くなる中、ミラー大尉はなんとか突破に成功します。


ちょうどその頃、アメリカ本土では戦死者の家族に知らせをタイプしていました。


アメリカで息子の帰りを待つ母親に知らせを打つ女性が3人のライアンという死亡を知り、同時に息子3人の死亡知らせが届くことを発見します。


上層部はライアンは4兄弟だと知り、せめて末っ子のライアンだけは救い出すようにミラー大尉に命令が出るんです。


「えっ!たった1人の救出の為に7人もの部下を危険にさらすのか」という葛藤をするんです。


そりゃそうですよね、これが前線と本土に居る人との乖離です。


ミラー大尉らは命令の為に敵地を8人だけで生きているかもわからないライアンを探しに向かいます。



⚫︎プライベート・ライアンの直訳


直訳すると「ライアン二等兵」です。英語の「Private」には「私的な」という意味のほかに、軍隊の階級で二等兵という意味があります。大尉が1番下の階級の二等兵を探しに行くという、通常ではあり得ない作戦命令だということなんです。


⚫︎ノルマンディー上陸は6月6日


上陸するときの殺され方は尋常じゃない、ヤバい作戦です!海は真っ赤に染まり、まさに地獄絵図。体が燃えている人、取れた手を拾う人、腸が全て飛び出している人が描かれていました。

上陸作戦のこと、歴史で知っていただけで“地獄の浜”だったという認識は無かったです。しかも6月6日って「オーメン」と同じ日は縁起悪いんじゃないの⁈とも思いました。6月6日生まれの人ごめんなさい。



⚫︎ ビーチに沢山の気球が


上陸したオマハビーチには沢山の気球が浮かんでいました。阻塞気球(そさいききゅう)という防衛のための気球だそうです。気球には何本ものワイヤーが下がっていてドイツ軍の飛行機が近づくことを阻止するものだそうです。



⚫︎愚痴は部下には言わない


ライアン救出部隊は8名「なぜ1人のために8人が敵地に行くのか!?」と不満に思いながら行きますが、ミラー大尉は一言も愚痴を言わないので、部下が「なぜ何も言わないんですか」と尋ねると「愚痴は上官に言うもので部下には言わない」と言います。

いい言葉だと思いました。上に立つ者は下に下に愚痴を言わないようにしなければいけないんですねぇ…。


⚫︎ ライアンのために先ず1人死ぬ


ミラー大尉の制止を聞かずに、一般人から子供を託された米兵は、狙撃手に撃たれてしまいます。勝手な行動や、無闇な行動は軍の規律を乱し、死につながるんです

ミラー大尉は嘆き「部下を死なせてしまった時はいつもその2倍いや3倍の人間を助けたのだと思うようにしている」と。そして「今回はたった1人のため…。難病の治療薬を作れるほどの人間だといいが」ともつぶやきます。なぜならミラー大尉の前職は教員なのです。



⚫︎捕虜は殺すべきか⁈


そして結局ミラー大尉も撃たれてしまいます。それは捕虜を殺すか殺さないかで討論が起こり、逃した捕虜が別部隊にまた参加してミラー大尉を撃ったのです。捕虜を逃がせ!と言った兵隊は自分のせいだと後悔します。

これは難しい問題ですね…。もともと戦争をしないための外交が1番大切なんでしょうね。



⚫︎戦争を賛美する人もいたんだ


“戦争は人の五感を磨き行動力を植え付け肉体を鍛え上げて人と人が争う危機的な衝突に我々をいざなう”

それは戦争を賛美しようとしたエマソンの言葉だと知的なミラー大尉は言いました。

そう思っている人もいるだろうと感じさせる世の中です…。


プライベートライアンとは「ライアン二等兵」という意味でした。現場に居ない上官が勝手なことを言うな!そして、戦争は悲惨だ!と思い知る映画でした。