明日の記憶
2006年 日本映画
監督 堤幸彦
脚本 砂本量・三浦有為子
原作 荻原浩
出演 渡辺謙
樋口可南子
働き盛りの50歳で若年性アルツハイマー病を発症した男性と、夫を献身的に支える妻の愛と葛藤を描いた感動の人間ドラマです。
⚫︎あらすじ
広告代理店で働く佐伯雅行は、仕事も順調で、娘の結婚も間近に控える幸せな日々を送っていました。
しかし、物忘れや体調不良をきっかけに病院を受診したところ、若年性アルツハイマー病と診断されます。
突然の宣告に雅行は絶望し、恐怖や焦燥感から取り乱しますが、妻の枝実子は現実を受け入れ、彼を支えて生きていく決意をします。
病状が進むにつれ、雅行は大切な仕事を手放さざるを得なくなり、次第に身の回りのことや、親しい人々の顔、そして名前すらも忘れていってしまいます。
雅行は記憶を繋ぎ止めるために必死でノートに日記を書き留めようと試みますが、進行する病には抗えません。
それでも枝実子は、時に深い孤独や葛藤に直面しながらも、変わらぬ深い愛情で寄り添い続けます。
ですが雅行の記憶はさらに失われ、ついに最愛の妻である枝実子のことすら分からなくなってしまう時が訪れます。
⚫︎感想
泣けます。パートナーがアルツハイマーになると、こんな感じなのかな…
だんだん普通の生活が出来なくなっていって、本人は自分自身に何が起きているのかわからないし、家族も、どうしていいかわからない。
愛する家族だから、何があっても頑張って乗り切ろうと努力するんです。
でも、そんな家族のことすら忘れて「あのぅ、どちらさま?」と言われたときに1番の辛さがやってくるんです…。
映画では49歳で高速道路運転中にふと、降り口を過ぎてしまう、そんなことからアルツハイマーがはじまります。
上司からは希望退職を言われ、妻は仕事を探し、そんな時に娘の結婚式の謝辞を頼まれてしまうんです。
そしてだんだん情緒不安定になって怒りっぽくなっていくんです。
(こういう人知ってます)
そして妻も手をあげてしまいます。
(それでも外に散歩に行く主人公、こういう人も外にいるのかもな…)
「人間は最初の十数年を除いては老いるだけ」なんだそうです。
アルツハイマーは、誰にでも起こる可能性がある病気です。
そう知ると、毎日さんぽしたり、なるべく楽しい思い出を自分の脳に記憶したいと思います。
⚫︎アルツハイマー病とは
脳の神経細胞が徐々に減少して、脳が全体的に縮んでしまう脳疾患です。
「アミロイドβ」や「タウ」と呼ばれる特殊なタンパク質が、発症の約20年前から脳内に溜まり始めます。蓄積したタンパク質が毒性を持ち、情報をやり取りする神経細胞を破壊します。やがて記憶を司る海馬から徐々に脳が縮んでいきます。
⚫︎アルツハイマー病の初期症状
記憶障害:最近の出来事や約束を忘れる、同じ質問を繰り返す。
見当識障害:今日の日付、時間、今いる場所が分からなくなる。
理解力・判断力の低下:料理の手順が分からなくなる、お金の計算ができなくなる。
行動・心理症状:不安、うつ状態、怒りっぽくなる、幻視、もの盗られ妄想、徘徊など。
⚫︎治療
根本的に病気を完全に治す方法はまだありませんが、進行を遅らせるアプローチが進化しています。
最新治療薬:脳内の原因物質(アミロイドβ)そのものを除去して進行を遅らせる「レカネマブ」や「ドナネマブ」といった新しいお薬が実用化されています。
⚫︎予防
ウォーキングなどの運動、人との交流、糖尿病や高血圧といった生活習慣病の予防がリスクを下げるとされています。
