トパーズ


1969年 アメリカ映画

監督 アルフレッド・ヒッチコック

脚本 サミュエル・テイラー

原作 レオン・ユリス

出演 フレデリック・スタフォード

   ダニー・ロバン

   カリン・ドール


キューバ危機の裏側で起きていたアメリカ、ソ連、フランスの情報戦をヒッチコック監督が映画化しました。


⚫︎あらすじ


東西冷戦下の1962年、ソ連のKGB高官がアメリカへ亡命する


彼の証言から、ソ連がキューバにミサイルを搬入している事実が発覚し、「キューバ危機」が幕を開ける


CIAは情報網を失っていたため、フランス情報部員のアンドレに秘密裏に潜入捜査を依頼する


アンドレはキューバへ渡り、命がけでミサイル基地の撮影フィルムを入手するが、現地で協力を得た愛人ファニタは西側のスパイだと露見し、銃殺されてしまう


悲しみを抱え機上でファニタからのフィルムを確認したアンドレは、さらなる重大な事実を突き止める


それは、フランス政府の最高中枢に、ソ連へ国家機密を漏洩しているスパイ組織トパーズが存在するということだった


帰国したアンドレは、命の危険に晒されながらも組織の正体を暴くため身内への調査を開始する


やがて浮かび上がった組織の首領は、なんとアンドレの親友であり、彼の妻の愛人でもある男だった


国家の陰謀と私生活の裏切りが交錯する中、正体を暴かれた首領は自室で銃声を響かせ、哀れな結末を迎える


同時にキューバのミサイル撤去が報じられ、世界は危機を脱する







⚫︎感想


ヒッチコック監督がキューバ危機を描いた作品です。


1962年、アメリカのすぐ近くにあるキューバにソ連の核ミサイルが配備される寸前に回避された話の裏で行われていた情報戦でした。


簡単に言うと、キューバ危機の核心をつく情報をフランスがアメリカに提供してくれたが、そのフランスにはソ連のスパイが中枢まで入り込んでいた、という話です。


アメリカはキューバとイマイチな関係だったので、キューバと国交のあるフランスに情報の信憑性を調べてもらったんです。


フランスのスパイ・アンドレにはキューバで強力なコネクションを持つ美しい女性がいました。


フランス人の美しい妻にキスして、キューバ人の美しい女性の所で愛し合っていました。


アンドレの妻は、薄々そのことに気づいていて、嫉妬します。


その嫉妬する妻と愛人関係だったのが、フランスにあるソ連のスパイ組織「トパーズ」のトップだったのです。


フランスの諜報部員アンドレは、キューバ危機を回避するための情報を得ると同時に、フランス人の妻と、キューバ人の愛人を失ってしまうんです。


これは本当にあった事実らしく、フランス内のソ連スパイ組織は「サファイア」という名前だったそうです。


本当にあった組織なので、サファイアをトパーズに変えていたんですね。


それにしても、フランスの諜報部員アンドレは、自分の妻の浮気は見抜けなかったんですね…。



⚫︎キューバ危機

ミサイルが見つかった後、アメリカのケネディ大統領が、ソ連のフルシチョフ最高指導者と取引をしました。ソ連はキューバからミサイルを撤去し、アメリカはトルコに配備していた核ミサイルを撤去しました。


⚫︎ケネディ大統領の暗殺

平和主義者のケネディは、キューバ危機を回避しましたが、のちに殺害されてしまいます。その暗殺にはキューバ危機が関係していると言われています。

アメリカ身内の殺害論

軍やCIAは、ケネディを共産主義(ソ連やキューバ)に対して弱腰な裏切り者と見なしました。さらにベトナム戦争からの撤退も模索し始めたため、「邪魔な大統領を消そう」という身内の陰謀論へと繋がっていきます。

反カストロ派キューバ人の犯行

アメリカ軍の力を借りてカストロを倒し、祖国を取り戻したいと願っていましたが、ケネディがキューバ危機の解決条件としてソ連と秘密協定を交わしたため、「ケネディに裏切られた」という怒りが暗殺への動機になったという説です。

カストロ政権による暗殺

アメリカのCIAは、キューバ危機の前後にわたってカストロの暗殺計画(ハニートラップ、毒殺など)を何度も仕掛けていました。これに怒ったキューバ政府やカストロが、アメリカへの報復としてオズワルドをそそのかした、あるいはKGB(ソ連)と連携してケネディを暗殺したのではないかという説です。


⚫︎なぜフランス内にソ連スパイが?

第二次世界大戦中、フランスはナチス・ドイツに占領されました。この時、命がけでドイツに抵抗(レジスタンス活動)した中心メンバーが、フランス共産党でソ連を支持していました

ドイツを追い出した後、フランスの英雄となった共産党員たちが、フランス政府や軍に入りました。

彼らにとって、ソ連は「ナチスから世界を救った国」であり、裏切りというより「正義のためにソ連に協力している」という感覚の者が多く、KGBにとってこれほどスカウトしやすい環境はありませんでした。


🇨🇺キューバ


カリブ海で最大の島国であるキューバの面積は日本の3分の1、人口は10分の1です。現在も強い反米で、アメリカから経済制裁を受けています。そのため燃料不足による停電が常に起きている状況です。それでも国家が保たれているのは反米のロシア、中国、イランなどが支えているためです。



青い海、そしてハバナの青い空、レトロなアメ車が走るイメージですが、現在は旅行は避けた方がいいでしょう。