シュミレーション 昭和16年夏の敗戦


出演

池松壮亮(宇治田洋一)

仲野太賀(樺島茂雄)

北村有起哉(近衛文麿)

松田翔平(昭和天皇)

奥田瑛二(木戸幸一)

佐藤浩市(東條英機)


NHKスペシャル、太平洋戦争前に当時の若き日本人エリートたちが集められ、アメリカ戦に対するシュミレーションをしていたというノンフィクションドラマです。



⚫︎あらすじ


総力戦研究所では、アメリカとの戦争を想定したシミュレーションが行われていた


ここに集められた当時のエリート達は、工業力や資材の調達、食糧や燃料の自給率、補給路の確保などを多角的に分析した結果、「緒戦は勝てるが、長期戦になれば日本は敗北する」という結論を導き、歴史的に有名な「日本必敗」予測を報告する


しかしこの報告内容は軍部、政府に十分には受け入れられず、戦争回避には活かされなかった








⚫︎感想


東條英機は私が聞いていた、屈強な軍人とは少し違いました。


東條は総力戦研究所の結果を聞き、開戦しても必ず負けると知りながらアメリカとの戦争に向かっていきました。


すでに日中戦争で大勢の戦死者を出し、現在も南進している軍人やその家族たちに対する手前もあり、今さら戦争をやめることは出来ず苦悩しつつ、アメリカとの戦争に突入していきました。


日本はこの戦争教訓を鑑み、現在もいつ戦争に巻き込まれるかわからないような世界情勢を、常に見つめながら歩んでいるのだと感じました。


戦争を繰り返さない、そのための外交努力、自衛隊のありかた、そして多額の投資をしているのも、大国に挟まれた日本の宿命かもしれないと感じました。



⚫︎原作・猪瀬直樹


猪瀬さんは言っていました。「何で大国アメリカなんかと戦争したんだ?と不思議に思って調べたんです。すると戦後の日本復興の立役者になるようなエリートたちがアメリカとの開戦前に集められて、必敗することをシュミレーションしていたんです。」


『必勝』と言う言葉は知っていましたが、『必敗』という言葉はあまり聞いたことがありませんでした。

そう言えば、虎に翼の虎ちゃんの夫は、総力戦研究所に居て「日本を守れなかったのは自分のせいだ」と苦悩していました。


また、猪瀬さんは「実は世界は弱肉強食で常に狙われている」とも言っていました。

戦後80年、日本は直接戦争にはなりませんでしたが、いつでも戦争が始まる可能性があるんだと感じました。



⚫︎東條英機


昭和天皇は戦争を回避して欲しいと望みました。そのときは近衛文麿が総理大臣でしたが総辞職してしまいます。「無責任なお公家さんがサジを投げたと」言ってました。

悩んだ東條は皇族しか陸軍を押さえられないと言い皇族からの総理大臣選出を望みましたが、内大臣・木戸幸一は「皇族から総理大臣を出して戦争に負けた場合、皇族が国民から恨みを買うことになります。ですから皇族から総理大臣を出してはいけない。いま戦争に突き進む陸軍を止めることが出来るのは東條しかいない。天皇の言うことに決して背かない東條に総理大臣になってもらうしかない。東條なら陸軍を押さえることもできるかもしれない」と、独断で東條英機を内閣総理大臣に任命します。


東條英機は国の責任を全て押し付けられたのでした。そして東條英機は苦悩しながら、日米開戦に突入していきました。



⚫︎日本の軍事力

戦争は1対1のケンカではありません。国力vs国力なのです。そのため石油資源の無い日本は、まず先に戦車や戦艦を動かすエネルギーを確保する必要があるんです。

日本は資源を求めて中国大陸や東南アジアへ進出しようとしていました。この日本の南進に反対する4カ国(アメリカ、イギリス、中国、オランダ)は連携し、日本への戦略物資の輸出を規制・禁止するなどの経済的圧力を強めました。
A アメリカ(America)、B イギリス(Britain) 、C 中国(China)、D オランダ(Dutch)からの圧力をABCD包囲網と呼びました。(インドネシアはかつてオランダ領東インドで、ダッチと呼ばれていました)


島国日本はエネルギー資源である石油を他国から輸送するしかありません。しかし大国アメリカは自国領土内でエネルギー調達が可能なのです。これが戦争をしてはいけない1番の理由なのだと感じました。しかし今でも大国はあらゆる締め付けや、おどしをかけてくるのです。

今こそ総力戦研究所(シンクタンク)の知力を使い、日本独自のエネルギー資源開発、食料自給率アップ、人口増加による若い人材の確保などが必要なのではないでしょうか。