64(ロクヨン)
監督 瀬々敬久(ぜぜたかひさ)
脚本 久松真一
原作 横山秀夫
出演 佐藤浩市
永瀬正敏
⚫︎あらすじ
昭和64年のわずか7日間に発生した雨宮翔子ちゃん誘拐殺人事件、通称「ロクヨン」
被害者死亡、身代金も奪われ、犯人も検挙できないまま時効目前となった群馬県警最大の汚点
14年後、当時捜査に携わっていた三上(佐藤浩市)は刑事部から広報官に移動させられ、マスコミと警察との対立、家出した自分の娘の問題などを抱えながら過去の事件と向き合う
「実名をあげろ」という記者クラブと、「実名は出すな」という警察の情報公開方針の対立が顕著になり、組織の中で板挟みになる三上
そんな中、「ロクヨン」事件を模したかのような新たな少女誘拐事件が発生し、警察は混乱する
⚫︎感想
ズバリ面白い映画です!
昭和天皇崩御で7日しか無かった昭和64年に起きた誘拐事件の話でした。
雨宮芳男(永瀬正敏)の娘・翔子ちゃんが誘拐され、犯人からの電話を待つ雨宮と警察。
しかし犯人からの電話が掛かってきた時に、テープレコーダーが壊れていて犯人の声を録音出来ないというミスが起きてしまいます。
録音ミスした日吉(窪田正孝)、幸田(吉岡秀隆)は責任を感じて警察を辞めましたが、上司の漆原(菅田俊)はそのことを口止めして出世していました。
当時、録音ミスしたことは録音班しか知らず、後から知った県警幹部たちも出世や減給になることを恐れて隠蔽してしまうんです。
自分だけが犯人の声を聴いた雨宮(永瀬正敏)は、その声だけを頼りに電話帳で一軒一軒電話を掛けて犯人の声を追求していくんです。
⚫︎ 県警と本庁は仲が悪いのか?
本庁はエリート官僚、県警は実務の現場という分担があります。そのため本庁のエリートは現場を見下すようなところがあるため県警はしばしば反発します。
また重大事件(誘拐・殺人・テロなど)が起きると、本庁が介入してきて指揮権や手柄をとってしまうことがあるようです。
⚫︎幸田メモとは?
当時、捜査一課にいた刑事・幸田(吉岡秀隆)が個人的に記録していたメモ。そこには公式な捜査報告書や記録には残されなかった“犯人からの電話を録音ミスしていたこと”など未公表の重要な情報がメモしてありました。
しかし当時捜査に携わった三上(佐藤浩市)はそのことを知らなかったんです…
⚫︎作者・横山秀夫
作者はかつて群馬県の地方紙・上毛新聞の記者として働いていました。つまり実際に群馬県警を取材していた経験があります。
そのときに見た県警内部の人間関係や記者クラブとの駆け引き、捜査現場の苦悩や矛盾が、小説のリアリティに直結しています。
作品には群馬県の御巣鷹山で起きた日航機墜落を描いた「クライマーズ・ハイ」、アルツハイマーの妻を殺害した警察官が全ては語らず自首する「半落ち」などがあります。
