銭形平次
1967年 日本映画
監督 山内哲也
脚本 山内哲也
原作 野村胡堂
出演 大川橋蔵
水野久美
舟木一夫
大友柳太朗
⚫︎あらすじ
平次は目明しの子だったが、親の跡目も継がず、鳶職の政五郎の所で働いていた
政五郎は平次の腕を買って娘のお静と一緒にしようと考えていた
ある日、政五郎は水商売の女と心中死体となって薬研堀に浮んだ
平次は女の体の傷から他殺と睨み、北町奉行笹野から十手捕縄を預かると、早速捜査を始める
材木問屋の上州屋は平次に
「実は“千里の虎”と名乗る謎の男に商売を邪魔され、政五郎に探らせていた」
と告げる
火事で材木を灰にしてしまった上州屋は同業の稲毛屋に融通を頼み、三千両を払い込むため、その護送を平次と笹野に依頼するが、三千両が途中で奪われてしまう
平次は、稲毛屋こそが犯人ではないかと疑う…
映画ではなくTVドラマの第一話です
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⚫︎目明しとは
江戸時代に町奉行の与力や同心に私的に雇われ、犯罪の捜査や逮捕を助けた者のことです。岡っ引き、御用聞、小者、手先とも呼ばれました。
目明しは、犯罪者に同類の共犯者を密告させ、その犯罪を証明させることに由来する言葉です。
時代劇や時代小説では正義の味方として描かれることがありますが、実態は元・犯罪者であり、しばしば悪業を働いて告発されていました。幕藩体制の経済的余裕のなさから「必要悪」として採用され活動していました。
⚫︎感想
銭形平次の映画を初めて観ました
正直思っていたよりも平次は弱くて、盗賊に捕まったりしていました
「だいたい、十手なんかで刀に勝てるわけないんだよ」と昔から思っていました
調べてみると「目明し=岡っ引き」とは正式な役職ではなく、正式な武士で警察的な与力や同心から依頼された、地域ボランティアみたいなものらしいです
武士ではないので刀が持てないため、十手と縄を持ち、悪人と与力の間で動いて情報を探るような役目でした
それじゃあ、岡っ引きが突然現れたとしても、あまり悪人が驚かないのも納得できますね
岡っ引きの岡には「町の外れ」の意味があって、そういう地域から縄で悪人を引っ張ってくるため、当時の一般市民から呼ばれた名前が今に伝わったそうです
⚫︎銭形平次
大川橋蔵がフジテレビで18年間演じて、ドラマ史上最長の全888話で、ギネスブック世界記録に認定されています。
銭形平次は原作者の野村胡堂による架空の人物ですが、近くに住んでいたとする神田明神には銭形平次の碑が立っています。
大川橋蔵が歌舞伎役者から銀幕のスターになって、テレビで大活躍したため、映画界に恩返しの意味もある映画だったようです。