ジェロニモ


1998年 アメリカ映画

監督 ウォルター・ヒル

脚本 ジョン・ミリアス

出演 ジェイソン・パトリック

   ジーン・ハックマン

   ウェス・ステュディ

   マット・デイモン



⚫︎あらすじ


アメリカ南西部のアパッチ、チリカワ族は合衆国政府に最後まで居留地移住を拒み続けた


クルック准将が率いる部隊は、その抵抗を鎮圧する任務にあたっていた


僕はデイビス、ジェロニモ掃討作戦に参加した、真実を語りたい


僕は、ゲートウッド中尉と2人でジェロニモをサンカルロスへ護送する任務に就いた

(協力するアパッチ3人も同行)


「ジェロニモはおとなしく投降しますか?」


『チリカワ族は約束を必ず守る、こっちが裏切らなければ』


「我々の斥候(せっこう:地上戦で敵情や地形を偵察する単独または小人数部隊)は、アパッチですが、なぜ部族を裏切り軍に協力を?」


『アパッチには色々な部族がいて、戦いに勝てる側つく、それが彼らの道徳だ』


ジェロニモは約束通りやって来た

今からサンカルロスのクルック准将の元に護送する」


途中ジェロニモを逮捕しようとする白人保安官との対立もあったが、何とか護送に成功する


そしてチリカワ族は居留地へ移された、しかし居留地では満足に農業もできず、占い師は白人を敵視していた


その占い師を説得しようとしたときに、白人が殺してしまったため、ジェロニモは居留地から出ていってしまう


クルック准将とジェロニモは話し合いをする


ジェロニモは

なぜ白人は土地を全部奪うんだ?

俺がまだ若いころ

白人が来て土地を欲しがった

軍が村を燃やした時 我々は山に移った

食べ物を奪われた時は イバラを食べた

子供を殺されたら もっと産んだ

白人を殺せるだけ殺した

我々は飢えて殺した

だが心の中では決して降伏はしない


話合いの後、トゥームストーンで写真を撮った、これは先住民が写った唯一の写真だ


長老たちはターキー・クリークの居留地に戻ると決めた、長老はクルック准将を信じるしかなかった


しかし、ジェロニモと数十人だけは戦い続けると言った


ジェロニモを逃した責任を取り、クルック准将は外されマイルズ准将が来た


マイルズ准将は部隊を一新し、アパッチの斥候に頼らず、ジェロニモ掃討作戦を始めたが見つけることは出来なかった


そこでマイルズ准将はゲートウッド中尉を呼び出して言う


「居留地のチリカワ族をフロリダへ移す、ジェロニモが捕まるか殺されるまで、やつの代わりに仲間が罰を受ける、ゲートウッド中尉ならジェロニモを説得できるかね?

ジェロニモとの取り引きは、フロリダに2年、アリゾナ準州に戻ったら、戦士全員に40エーカーの土地とラバ2頭を与える」


ゲートウッドは

『政府が約束を守るとは思えません、聖書を読んだことはありますか、世界を得ても魂を失ったら意味がない』


そうは言ったが、ゲートウッドはアパッチのチャトを斥候に選び、僕は同行した


途中では、先住民が頭の皮を剥がされ殺されていた、白人の賞金稼ぎのしわざだ


1886年9月4日、ジェロニモと対面したゲートウッドの説得で、ジェロニモと34名は降伏した


その後、全てを知るゲートウッドは左遷され、アメリカ軍に協力していたチリカワ族の斥候を全員逮捕する、移送先はフロリダのフォートマリオン刑務所だ


斥候軍曹のチャトは間違っていると反論したが、チャトの斥候隊とジェロニモたちはフロリダへ送られ収監(しゅうかん:監獄に収容すること)される


すべてを見ていたデイビスはマイルズ准将に

「軍は約束したのに破るとは恥ずべき行いです」と言う


マイルズ准将は

「野蛮人への約束の方が国への忠誠より大事なのか?我々は勝った、大事なのはそれだ、理想主義者は嫌いだ、いつも事態を混乱させる」


恥を感じたデイビスは軍を辞めたが、ジェロニモ掃討作戦は、デイビスの心を苦しめた


最後にフロリダに向かう護送列車の中で、チャトがジェロニモに言う

「あんたは正しかった、白人はウソだけしか言わなかった」


政府はジェロニモを故郷に帰さなかった





⚫︎感想


ジェロニモの名前を知らない人は少ないんじゃないでしょうか?

しかし同時にジェロニモがどんな人なのか知らない人も多いと思います。

ジェロニモはアメリカ大陸の先住民で、後からやって来た白人たちと土地をめぐって最後まで戦ったアパッチ族の戦士です。

そして最後には白人たちの説得を聞き入れてフロリダへ移送され捕虜となります。


強い者が、弱い者の居留地を奪ってきたという歴史が世界中にあるんですね…



⚫︎インディアンの頭の皮をはぎとる白人


インディアンを殺して頭の皮をはぎとると懸賞金が出るため、白人たちはインディアンの集落を襲って殺害し、頭の皮をはぎとって金にしていました。

もともと頭の皮をはぎとるのは、インディアンの風習じゃなかったようです。