伏見稲荷大社〜宇治


⚫︎伏見稲荷


全国に三万社ある稲荷神社の総本山です。神社には社格という格式があって、平安時代の社格の二十二社に選ばれています。そのうち上七社に選ばれています。AKBの神セブンみたいですね。

稲荷という言葉には「稲が生る」という意味が込められていて、伏見稲荷の主なご利益は「五穀豊穣」「商売繁盛」です。

ご祭神は宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)で、狐は神様ではなく神使(しんし)と呼ばれ、神様と人間の仲介をする役目を担っているそうです。


⚫︎千本鳥居


おおっ、これがよく見る千本鳥居か!

やはり実際に来てみると感動しますね。

鳥居という言葉には「通った」「願い事が通る」などの考えがあるので、鳥居をくぐりながら願いごとをすると、願いが通るとされています。そのため、千本鳥居を通りながら願い事をすれば、なんでも叶うと評判なのです。


⚫︎根上りの松


株などの値段が上がることに通じるので、証券会社や株関係の人にとっては縁起が良いそうです。

また、松を撫でたり松の下をくぐり抜けると腰や膝の痛みが治るそうです。

ということなので、くぐってまいりました!


千本鳥居はまだまだ続き、ここから山頂まで40分かかるようです。上まで行ってみたいですが時間も無いのであきらめて引き返します。


⚫︎稲荷駅


あれれっ!稲荷駅っていう駅があるの⁈

わざわざ東福寺駅で京阪線に乗り換えて伏見稲荷駅に行ってしまった…

つまり京都からは奈良線一本で伏見稲荷にも宇治にも行けるんですね!勉強になりました。

それにしても伏見稲荷は外国人しかいません。みーんな千本鳥居の撮影が目当てで、お賽銭したり、鳥居で一礼する人はほぼいません。

まぁ、日本の文化だから仕方ないですね…


⚫︎宇治


JR宇治駅の観光案内所には「光る君へ」の吉高由里子さんの写真がありました。いまはイチオシですね。

少し歩くと「辻利」「中村藤吉」などお茶の老舗が並んでいます。宇治は、昼夜の温度差により霧が発生しやすく、降水量にも恵まれているため良質なお茶の産地になったそうです。


⚫︎平等院鳳凰堂

入場料700円 鳳凰堂観覧料300円


光源氏のモデルのだとされる源融(みなもとのとおる)が所有していたそうです。

後に、摂政として権勢を振るった藤原道長の別荘になります。1052(治承7)年、道長の長男で関白だった頼通(よりみち)が寺へと改修しました。

1052年は、釈迦の教えが衰滅し始める末法初年ともいわれていました。世の中が危機感に包まれる中、「阿弥陀如来を信仰すれば、死後に極楽浄土へ行ける」という教えが流行し、各地に阿弥陀堂が造られました。平等院「阿弥陀堂(鳳凰堂)」もその一つだそうです。


料金所の人が荷物を見て、無料ロッカーを教えてくれました。おかげさまで身軽に観覧することができました。

鳳凰堂は中に入ることも出来ますが、先にお金を払っておかないと1時間ぐらい待つことになります。国宝だらけの美術館には無料で入れます。こちらでは一万円札に刷られている鳳凰が見られます。そして人が亡くなるときに迎えに来てくれる楽器を持った神様たちの彫刻も見られます。


⚫︎ ますだ茶舗

ソフトクリーム 500円

平等院の前で宇治抹茶のソフトクリームを売っています。さほど大きくはありませんのでペロっといけちゃいます。


⚫︎宇治川


流れが早く深そうです。左上には天ヶ瀬ダムからの水が流れ込んでいます。川原に降りてみるとすぐ近くからドン深のように見えます。ちょっと落ちたら怖そうな川です。


⚫︎源氏物語 宇治十帖像


平等院の前にある宇治川に架かる朱色の橋を渡ったところにあります。源氏物語54帖のうち最後の10帖は宇治が舞台です。

光源氏が亡くなった後の物語で、こんどは光源氏の息子の薫(かおる)や、孫の匂宮(におうのみや)と女性たちとの話です。

まぶしいほどの光の男性から、気を失うような良い香りを出す男性になるんですね。

ただ、宇治十帖は著者が紫式部ではないという説もあるそうです。


⚫︎宇治上神社


 平安時代から続く神社で、本殿は日本最古の神社建築で国宝です。 1060年に建てられたとされ、それから約1000年、今に至るまで残り続けている貴重な建物です。平等院が出来てからは鎮守社として崇敬されていました。


⚫︎紫式部像と宇治橋


紫式部は千年前に世界最古の長編小説とされる「源氏物語」を書いた女流小説家です。

 紫式部とは実名でなく、父が「式部省」(教育行政機関)の役人であったことと、源氏物語の「紫の上」にちなんで付いた呼び名とされます。


誰か世に ながらへて見る 書きとめし 

跡は消えせぬ 形見なれども

(源氏物語は私の形見ではあるが、これを伝え後の世で見る人なんているんでしょうか)

これは紫式部の辞世歌です。

源氏供養というものがあるそうです。好色のあらんかぎりを記された源氏物語と、その作者を供養するというものだそうです。実は源氏物語は人々を惑わす恐ろしい書で、作者はその罪として死後に地獄へ落ちたと考えられていたのです。

源氏物語は青少年を惑わす不健全な図書であるという以上に、仏教戒律の「嘘をついてはいけない」を破ったということが問題視されたのでした。つまり「物語」という架空性が、嘘をついてる、だから罪だ! となったのです。

しかし紫式部は、日本書紀などは物事の一面にしかすぎない、架空の物語こそ道理にかなった詳しいことが書いてある。と言ったそうです。

わたしたちは紫式部のおかげで千年前の真の日本のことが知れるんですね。


⚫︎宇治市源氏物語ミュージアム


受付の人の方から「JAFか何かの割引ありませんか?」と声かけしてくれました。それで入場料600がJAF割引で480円になりました。

入るとすぐに「映像が始まります!」と声かけしてくれて「浮舟」と「ネコが光源氏に恋をした」を見ました。2つ見ると源氏物語の理解が深まります。



そのほかにも香木の香りを感じるコーナーや、平安貴族の生活などの展示がされていて、かなり充実した施設でした。

中でもお勧めしたいのは写真にもある平安時代の垣間(かいま)見ようというボックスです。薄明かりのなかでどのように相手の姿が見えたのかが体験できます!


⚫︎通圓の茶団子


宇治橋の近くにある団子屋さんです。茶団子をいただきました。写真はほぼ現物大です、小さいのでパクパク食べられちゃいます。あまりよく知らずに入ったこの通園さん、なんと平安時代からあるそうです!ですので足利義政、豊臣秀吉、徳川家康も立ち寄って食べたそうです。吉川英治の小説「宮本武蔵」にも出てくる老舗の有名店でした。



⚫︎感想


伏見稲荷の千本鳥居はやはり一見の価値がありました。伏見稲荷裏手にある稲荷山の頂上まで鳥居が続いているのには驚きました。

宇治の平等院鳳凰堂も見れて良かったです。平安貴族ってなかなかいい暮らしをしていたんだなぁと思いました。10円玉の裏に描かれた平等院鳳凰堂、そして美術館では1万円札の裏に印刷されている鳳凰像を見ることができました。

そして思っていたよりずっと良かったのが源氏物語ミュージアムです。600円で映像を2本も見れて、展示物以外に図書館やレストランもありました。源氏物語や平安貴族の暮らしが少しですがわかるようになれたと思います。

でも宇治で茶そばを食べるのを忘れたなぁ…