比叡山延暦寺


比叡山延暦寺は滋賀県大津市にあります。延暦寺は京都と滋賀の中間地点にあって、滋賀県の琵琶湖側から行くのが正式なようですが、京都側からも行けるそうなので行ってみました。


⚫︎観光電車ひえい



京都からJR奈良線で東福寺駅へ、京阪線に乗り換えて出町柳駅へ。出町柳駅前には下鴨神社があって源氏物語にも書かれた葵祭をやっていました。

出町柳駅から叡山線の観光列車ひえいに乗り、八瀬比叡山口まで行きます。叡山線で貴船神社にも行けるようです。



そこから徒歩でケーブル八瀬駅まで行き、叡山ケーブルとロープウェイを乗り継いで比叡山山頂まで行きます。

高低差日本一の叡山ケーブルは、なかなかの勾配を登っていきます。重力で体が下に持っていかれるような気がします。




山全体が比叡山延暦寺なので、とても広いです。
中心の東堂(とうどう)、そこから1キロ先の西塔(さいとう)、そして4キロ先の横川(よかわ)という3つのエリアに分かれています。

とても見やすいサイトがあります。




比叡山の中をバスが走っているんですが30分に1本しかないです。しかも着いた12時台は1時間に1本しかないです。休日ならばもう少し臨時便が追加されます。

琵琶湖を見てバスを待ちます。山頂は少し寒いです。


⚫︎鎮魂塚



広大な延暦寺の入場料は1000円です。

入る前に入場口の左手にある鎮魂塚に手を合わせました。1571年に織田信長による比叡山延暦寺の焼き討ちが本当にあったんだと実感しました。


⚫︎根本中堂



最澄が最初に開いた根本中堂です。格本堂の元という意味だそうです。

根本中堂に入る前にご朱印帳を預けておいて、見学後に頂きます。根本中堂では『醫王殿(いおうでん)』という御朱印を頂きました。


⚫︎最澄(さいちょう)と空海(くうかい)

平安時代に日本独自の仏教を創造し、日本人の倫理観や精神の拠りどころとして定着させた僧侶です。

最澄は天台宗の開祖で、比叡山延暦寺を建てました。空海は真言宗の開祖で、高野山に金剛峯寺を建てました。

最澄と空海は一度師弟関係にありましたが、お経の貸し借りやものの考え方の違いなどをきっかけに関係が破綻したと言われています。


⚫︎不滅の法灯



油断大敵の語源になった不滅の法灯は1200年の間1度も消えていません。

56億7千万年後に弥勒(みろく)があらわれるまで消してはいけないそうです。

織田信長の焼き討ちの際は、山形県の山寺で守られていた法灯を再度持ち込んだそうです。

20円を納めると1200年の火で線香をあげることができます。




現在は修復中ですので全体像は見られませんが、今は釘を使わずに木で屋根を造る工程を上から見ることができます。改修期間は2016年から10年間です。788年(延暦7年)より、何度も何度も改修工事がされてきたんですね。


最澄は延暦4年(785年)に比叡山に入り、3年後に一乗止観院(現在の根本中堂)を建立しました。

弘仁14年(823年)に朝廷より延暦寺の寺号を賜り、平安京を守護する寺院とされたそうです。


⚫︎開運の鐘



開運の鐘はNHKゆく年くる年の除夜の鐘でよく紹介されています。

こちらは1回100円で突くことができます。

比叡山延暦寺に行く際にはお賽銭などの小銭を多めに持っていくといいですね。

鐘を突くコツは後に2回かるく振って3回目で突きグッと止めるようにします。


⚫︎大講堂



大講堂は僧侶たちの学校です。内部には延暦寺から出た各宗派の僧侶画が並んでいます。

浄土宗の法然、浄土真宗の親鸞、時宗の一遍、曹洞宗の道元、日蓮宗の日蓮など。

こちらには聖徳太子もいらしたそうです。


⚫︎弁慶のにない堂


延暦寺西塔にある常行堂と法華堂の2つの宝形造の建物で、渡り廊下でつながっています。力持ちの弁慶が渡り廊下を天秤棒にして2つの堂を担いだという伝説に由来し、「弁慶のにない堂」と呼ばれています。

弁慶は比叡山の僧で武術を好み、のちに五条の大橋で義経と出会って以来、郎党として義経に最後まで仕えたとされています。

残念ですが西塔までで時間が無くなり、横川はあきらめて下山します。


⚫︎坂本ケーブル



帰りは日本一長い坂本ケーブルで比叡山を降ります。坂本ケーブルには途中に駅が2つあって先に言っておけば止まってくれるそうです。鴨長明の墓や、焼き討ちにされた人たちの墓があります。ただ、ここで降りる人はほとんどいないようです。


⚫︎日吉大社の山王鳥居



山王鳥居は上部に三角形の破風(屋根)が乗った形を していて、仏教と神道の合一を表しているとされます。 

もともとは比叡山の山の神様でした。 山王信仰の象徴であるため、山王鳥居と呼ばれています。


⚫︎日吉大社


全国にある日吉神社、日枝神社、山王神社の総本宮です。

日吉はもとは“ひえ”と読んだそうで、日枝の山(比叡山)からこの地に移されたそうです。

天台宗・比叡山延暦寺の守り神であり、天台宗が広がるとともに全国に3800の神社ができました。


⚫︎琵琶湖



日吉大社からずっと歩いて琵琶湖まで行きました。日本一大きな琵琶湖をはじめて見ました!琵琶湖には日本で唯一の有人島もあるそうです。

大宮川という綺麗な川が流れ込んでいてモロコを網で捕っていました。今夜のおかずになるそうです。モロコはコイ科タモロコ属の淡水魚で、もとは琵琶湖の固有種だったそうです。



⚫︎感想


比叡山延暦寺はとにかく広いです。そして東堂、西塔、横川をむすぶバス便の数が少ないので、すべて回りたい人は朝から行くことをおすすめします。


そして比叡山延暦寺は京都からも行けますが、裏側から行くことになるので、滋賀県側から行ったほうが良いと感じました。


京都側から行くと最初に着くところが比叡山山頂なので、メインの東堂までバス移動しなければなりません。バスの数は少なく、歩くルートも分かりません。滋賀県側からならメインの東堂にそのまま行けます。


そして看板とかの説明書きが少ないので、回るのが少し難しいです。延暦寺は観光地では無く僧侶たちの神聖な修行の場ですから、お邪魔させていただくという気持ちでゆっくりと回らせていただく所なんだと感じました。




まっすぐ琵琶湖まで行くと若宮漁港というところに出て金網で中には入れませんが、少し右手にまわると大宮川が流れていて琵琶湖まで出ることができました。こちらは何も知らずに行った場所です。

いろいろと調べて行かないと見過ごしてしまうところもありますが、わけもわからずに歩いて探し当てた場所だという感動がありました。