リベラルアーツとはギリシャ・ローマ時代の「自由7科」(文法、修辞、弁証、算術、幾何、天文、音楽)に起源を持っています。


その時代に自由人として生きるための学問がリベラルアーツの起源でした。「リベラル・アーツ」、つまり人間を自由にする技ということです。


多様な見方ができるとは、「他の人の言っていることを鵜呑みにしない」ということでもあります。どんな偉い人が言ったことでも、必ずしも正しくないかもしれない。


ある時代のある場所では正しくても、ほかのところでは通用しないかもしれない。だからそれをすぐに信じてしまうのではなく、自分の頭で考え、自分のハートで感じ、自主的に判断し行動することが求められています。


もちろんそうやって自分で判断するためには、たくさんのことを知っておかなければなりません。一つの分野のことしか知らない人が社会に出ていった場合、その人は社会のいろいろな問題に対処することができるでしょうか? 


現代社会の問題はさまざまな要因が絡まり合っています。例えば原発の問題を対処するにも理科系と文系の両方の知識が必要です。


高齢化の問題に向き合うにも、心理、経済、社会福祉などのさまざまな分野の知識が必要になるでしょう。


専門教育だけを受けてきた人が「役に立つ」とは限らないのです。むしろ幅広い「教養」を持っている人が必要とされているのが現代なのです。


これからの社会で活躍するためには、実行力、判断力、論理性など多くの「力」を身につけておくことが大切です。



リベラル=自由な


アーツ=アートの複数形でサイエンス(科学)に含まれないもので芸術、技術、経済学などを意味します。


リベラルアーツを日本語訳すると一般教養になります。


リベラルアーツとは広い教養のことです。


世界の大学では広く教養を学ぶのに対して、日本の大学では専門的分野を深く追求します。


日本のように正解を求める学習方法だと、現代の答えのない問題に対処できないためリベラルアーツが注目されています。


リベラルアーツ教育によって、いろいろな問題に多角的視点を持ち、さまざまな意見を受け入れて考える力が養われます。



⚫︎感想


いろいろなことを知って、自分の頭で考えることが大切なんですね。


教養とは「自分の思考の枠を越え、知覚できる世界を広げていく能力のこと」だそうです。


「無知の知」は、自分がいかにわかっていないかを自覚し、知らぬことを知らないことを認めるべき、という考え方です。


いろいろな人の話を聞いて、価値観の違いや、宗教の違い、時代の違い、国の違いなどを理解することが大切なんですね。



⚫︎追記


リベラルアーツには2系統あります。

言語系3学「文法・修辞・論理(弁証)」

数学系4学「算術・幾何・天文・音楽」



修辞(しゅうじ)とは


コミュニケーションの場で情報を発信する側が受信側を説得したり納得させたりするための手法やテクニックです。

比喩、誇張、反語、倒置などが具体的な表現技法として挙げられます。

民主主義的な社会であるギリシアやローマの都市国家において、演説を用いる政治家や法律家などの教育として発達していきました。



幾何(きか)とは


図形や空間の性質を研究する数学の分野です。三角形や四角形、三角柱などの図形について学び、2つの図形の関係性を調べたり、図形の角度を推測したりします。研究対象の増加や新しい研究方法の開発などによって、微分幾何学・代数幾何学・位相幾何学など多くの分野が加わりました。現代幾何学では図も描けないような抽象的な分野も存在し、最先端の物理学でも用いられています。

微分積分は、16〜17世紀のヨーロッパで大砲の弾の軌道を研究するために誕生しました。山なりに進む砲弾の進行方向は常に変化するため、変化のしかたを計算で求めることができる新しい数学が必要だったのです。

微分は瞬間の速度を求める計算で、全体量を極限まで細かく分割して隣同士の差を見ることで「値の変化量」を求めます。

一方、積分は瞬間瞬間の小さな変化を積み上げて全体量を求める計算です。微分と積分は逆演算の関係にあり、積分して求めた答えを微分すれば検算ができます。

簡単にいうと、瞬間の速度を求めるのが「微分」、変わり続ける位置変化の積み重ね、つまり距離を追うのが「積分」ということです。