七人の侍


1954年 日本映画

監督 黒澤明

脚本 黒澤明

出演 三船敏郎

   志村喬(しむらたかし)

   津島恵子(つしまけいこ)

   木村功(きむらいさお)



戦国時代、野武士たちの略奪に怯える村が、自分たちを守るために雇ったのが七人の侍。彼らは村人たちを訓練し、村を要塞化して、野武士との戦いに備えます。



⚫︎あらすじ


戦国時代、あいつぐ戦乱と、その戦乱が生み出した野武士の横行、ひづめの轟が良民の恐怖の的だった…


村長は侍を雇って野武士と戦うことを選択する。しかし雇う金が無いので飯を食わすというだけで協力してくれるような侍を探すことになる。


侍にもプライドがあるので飯だけで命を掛けて雇われるような侍はなかなか居ない。


そんな時、野党に子供を人質に取られた農民を無償で救う侍を見たのだった。


侍の名は島田勘兵衛(志村喬)、勘兵衛は四十騎もの野武士と戦うなら、こちらも侍を七人は集めなければならないと言い、仲間を集めることとなる。


なんとか六人集まったが、あと一人は「自分は侍だ」と言い張る男・菊千代(三船敏郎)がついて来る。


七人が村に着くとさっそく戦いの準備をする。勘兵衛は村を見回り地図を作り、何処からの攻めをどう対処するかを考える。


菊千代は農民が落武者狩りで集めた武器を見つけて持って来ると、負け戦での辛酸を舐めてきた侍たちはこれを見て気色ばむのだった。


すると菊千代は「お前たち、百姓を仏様だと思っていたか!百姓ほど悪ズレした生き物はないんだ!でもそうさせたのはお前ら侍だ!」と激昂する。菊千代は、侍にあこがれ村を飛び出した農民だったのだ。


その後、野武士との決戦になると勘兵衛は騎馬を少しずつ引き入れては斬るという作戦で敵の数を減らしていく。


野武士は段々と数を減らしていくが、七人の侍たちも徐々にやられていき三人になってしまう。


野武士を撃退した村には平穏な日常が戻り、晴れ空の下で村人は笛や太鼓を鳴らして田植えをする。


勘兵衛は「今度もまた、負け戦だったな」とつぶやき、「勝ったのはあの百姓たちだ、わしたちではない」と言い亡くなった四人の侍の墓を見つめる…





⚫︎感想


3時間半という、長くて休憩のある日本映画をはじめて観ました。


そしてチャラついた感じの三船敏郎もはじめて観ました。


主役は三船敏郎というより、戦略を立てる志村喬です。「七人の侍」を観て戦略がいかに大事かがわかりました。


40騎もの野武士に対し、七人の侍と農民たちが戦います。


野武士とは山野に隠れて追いはぎや強盗などを働く武装集団です。多くは農民出身で、武士階級の出身者もいました。


侍とは武士の中でも、貴族や皇族といった貴人に仕えていた者のことを指します。つまり、侍は浪人や足軽、野武士など、特定の主人を持たなかった他の武士に比べると、上位階級であったと言えます


つまり侍→武士→野武士の順なんですね。


村を襲いに来る無法者の武力集団を、知略に長けた侍たちが、何の恩賞も貰わずに飯(メシ)だけで命をかけて戦う物語りです。


三船敏郎は農民です。ですが武士だと言い張るんです。戦国時代の農民はいつでもヤリを持って戦さ場に出たそうです。ですから、相当強い農民がいても不思議は無いんです。戦さ場では落武者狩りをして刀や武具を持ち帰っていたんでしょうね。


「七人の侍」はアメリカで「荒野の七人」にリメイクされました。そして「スター・ウォーズ」にも影響を与えた日本を代表する映画です。