アルキメデスの大戦

監督　山崎貴（やまざきたかし）

脚本　山崎貴

原作　三田紀房（みたのりふさ）

出演　菅田将暉

　　　柄本佑

　　　浜辺美波

　　　舘ひろし

三田紀房の漫画を原作とした実写映画です。戦艦大和の建造をめぐる謀略を、数学を使い戦争を止めようとした男のフィクション作品です。

⚫︎あらすじ

1933年（昭和8年）、海軍では新造艦をめぐる会議が行われていた。永野中将と山本五十六少将（舘ひろし）は、航空戦に備えるため航空母艦の必要性を説く。

しかし、平山技術中将（田中泯）が持ちだした巨大戦艦の模型に、嶋田少将は感嘆し、大角大臣も魅了されるのだった。

永野と山本は、平山案の建造予算が異様に低いことに着目し、何かカラクリがあることを見抜く。そしてそれを証明するために数学能力の高い櫂直（かいただし：菅田将暉）に証明を依頼する。

櫂はあらゆる知識で計算して新造艦の予算が倍以上掛かることを見抜き、平山案を潰すことに成功する。

永野と山本は多額の国費を使う戦艦を阻止して、航空母艦の製造を勝ち取る。しかしそれは真珠湾攻撃という作戦も描いていた。

巨大戦艦を建造を阻止された平山は櫂を呼び出して言う。

この国は戦争に向かう

満州国建設　国際連盟脱退

増長する日本を世界は憎悪している

追い詰められた国民は戦争へ向かう

人々は日露戦争の勝利に

未だに酔いしれている

アメリカと戦えば日本は必ず負ける

日本人は負け方を知らない人種だ

最後の一人まで戦い続けるだろう

だが日本の象徴となる巨大な戦艦が

沈むことを見せつけて諦めさせたい

日本が滅ぶ前に　身代わりとなり沈む

この船の名は大和

そして真珠湾攻撃の二ヶ月後

大和は沈む…

⚫︎感想

面白かったです。

実は映画の酷評もあったので、観るのを少し後回しにしていました。

他人の批評なんてぜんぜん当てにならないことが証明されました。証明って、もうすでに「アルキメデスの大戦」にかぶれています。

舘ひろし演じる海軍の山本五十六には、先見の目がありました。そう、時代はすでに飛行機の時代だったのです。

そんな時代の変革期に巨大戦艦を建造しようとする相手方の計画を潰すために、天才数学者の菅田将暉が招かれます。

しかし山本五十六の真の目的は飛行機を乗せて移動する航空母艦を造り、ハワイの真珠湾攻撃を考えていたんですね。

⚫︎山本五十六（やまもといそろく）

真珠湾攻撃により、日本軍の南方作戦に対する米国介入を防ぎ、大打撃によるアメリカの戦意喪失を狙いました。

父が五十六歳のときの子。ハーバード大卒のインテリ。アメリカとの圧倒的な物資の差を知っていた五十六は敵国の物資を少しでも減らしてやると言いコーヒーに砂糖を大量に入れて飲んでいたそうです。

実物写真は舘ひろしさんに似ていますね。

⚫︎三田紀房（みたのりふさ）

『ドラゴン桜』の作者、漫画家。

西武百貨店の社員を辞めて、父の衣料品店に勤めるも、借金のため懸賞金目当てで漫画を応募して賞金を受けたそうです。紙に描いただけで金が貰えるならと漫画家になったそうです。