黄金のアデーレ 名画の帰還
2015年 イギリス・アメリカ映画
監督 サイモン・カーティス
脚本 アレクシ・ケイ・キャンベル
原案 マリア・アルトマン
出演 ヘレン・ミレン
ライアン・レイノルズ
ダニエル・ブリュール
クリムトの描いた絵画『黄金のアデーレ』はかつてナチスドイツによって不法に奪われた美術品でした。その絵の返還訴訟をする話しです。
⚫︎あらすじ
アメリカに住む82歳のマリア・アルトマンがオーストリア政府を相手に裁判を起こした。
世界中を驚かせたその裁判は、クリムトが描いたマリアの叔母アデーレの肖像画「黄金のアデーレ」の返還要求だった。
ナチス統治下のオーストリアで、ナチスによって奪われたその名画には、マリア自身と彼女を取り巻く人々のさまざまな記憶が詰まっていた。
⚫︎感想
グスタフ・クリムトの描いた名画『アデーレ・ブロッホ・バウアーの肖像Ⅰ』通称『黄金のアデーレ』は、ユダヤ人マリア・アルトマンの暮らす家からナチスドイツによって奪われた絵画でした。
オーストリア政府にとっても『黄金のアデーレ』はオーストリアのモナリザと呼ばれるほど貴重な絵画だったために返還要求など最初から受け付けませんでした。
オーストリアで裁判をするには180万ドルの預託金が必要だと言われます。日本円で2億円以上預けないと裁判もできない、つまりオーストリアでは裁判すらできないということです。
しかし3つの条件が揃えばアメリカでも裁判をすることができる方法が見つかります。
1、国際法にそむく収奪であること
2、政府機関の手にあること
3、その機関がアメリカ国内で商業活動していること
そして、アメリカで訴訟を起こします。
最終的にはオーストリアのウイーンで裁決が行われ、マリア・アルトマンが勝訴します。
このような形で盗まれた美術品が世界中にあるんだと思います。
イギリスの大英博物館にあるエジプトのロゼッタ・ストーンに対する返還要求はよく知られています。
ロゼッタ・ストーンは、フランスのナポレオン軍がエジプト遠征中に発見したもので、1801年にフランス軍がイギリスに降伏した際にイギリスに引き渡されました。
⚫︎グスタフ・クリムト
帝政オーストリアの画家
1862年7月14日〜1918年2月6日
クリムトの家には、多い時には15人もの女性が寝泊りしたこともあったそうです。何人もの女性が裸婦モデルとなり、妊娠した女性もいました。生涯結婚はしなかったものの、多くのモデルと愛人関係にあり、非嫡出子の存在も多数判明しています。
女性の裸体、妊婦、セックスなど、赤裸々で官能的なテーマを描くクリムトの作品は、甘美で妖艶なエロスと同時に、常に死の香りが感じられます。若い娘の遺体を描いた作品もあります。「黄金の時代」の作品には金箔が多用され、絢爛な雰囲気を醸し出しています。
オーストリアの裕福な実業家フェルディナントはクリムトのパトロンでした。そのため妻のアデーレの肖像画を描かせました。
代表作「ユディト」
ユディトとは旧約聖書に出てくるユダヤ人女性
代表作「接吻」
クレムトと恋人のエミーリエがモデル



