13時間 ベンガジの秘密の兵士


2016年 アメリカ映画

監督 マイケル・ベイ

脚本 チャック・ホーガン

原作 ミッチェル・ザッコフ

出演 ジェームズ・バッジ・デール

   ジョン・クラシンスキー



リビアのアメリカ領事館がイスラム武装集団に襲撃されてしまう。近くにあるCIAの施設は極秘とされていたため、助けに行くことが出来なかった。



⚫︎あらすじ


リビアの港湾都市ベンガジで、イスラム過激派の武装集団がアメリカ領事館を襲撃する。


現場からほど近くのCIAの拠点アネックスは、占拠された領事館からの救援要請を傍受するが、彼らの存在自体が極秘であるため対応できず。


そして、アネックスに派遣された軍事組織GRSの警備兵6人にも待機命令が下されるが、GRSは命令を無視して救出に向かう…





⚫︎感想


リビアではカダフィ大佐の独裁政治が終わると、次の政権を握ろうとする武装集団にロシアからの武器が大量に流れてきていました。


危険な国とされたリビアでは、各国の大使館が退去する中、アメリカの領事館とCIAはリビアに残って情報収集をしていました。


CIAは秘密でリビアに入り込んでいるので、アメリカ領事館が襲われたときに出ていけません。そういう極秘任務についている人っているんですね。


日本にも日曜ドラマでやっていたVIVANTのような別班が本当にあるそうです。



⚫︎CIACentral Intelligence Agency

中央情報局


CIAは、日本に原爆投下を指示したと言われているトルーマン大統領により組織されました。


世界中からアメリカの国家安全保障に関する情報を収集分析することを任務としています。


CIAが関与した対外工作活動で忘れられないのは、9.11テロ指導者ビン・ラディン氏の潜伏先を特定したことです。


また古い話しでは、日本の自民党結成に尽力しました。敗戦後の日本に少なかった親米の政治家への資金援助、選挙アドバイスなどをしたそうです。


戦争に負けて、原爆を落とされた日本人がなぜか親米的なのはそのせいかもしれません。



⚫︎シビリアンコントロール


シビリアンコントロールとは、軍隊の指揮や統制を軍人ではなく、文民(軍人ではない人)が行うことです。文民統制とも呼ばれます。


シビリアンコントロールは、民主主義国家における軍事に対する政治の優先、または軍事力に対する民主主義的な政治による統制を指します。


シビリアンコントロールは、軍の暴走を防ぎ、国民の利益を守るといった観点で重要な制度です。軍が軍人のみで統制されると、力の抑制が効かなくなり、軍の暴走を引き起こす恐れがあります。


日本では、第2次世界大戦の軍部暴走を反省し、自衛隊が、軍部ではなく国民の意思によって整備・運用されることを目的とし、厳格なシビリアンコントロール制度を採用しています。



⚫︎パックス・アメリカーナ


ラテン語で「アメリカの平和」を意味します。第二次世界大戦後から1960年代まで、アメリカの圧倒的な軍事力・経済力・政治力によって平和が維持されていた状態を指します。超大国となったアメリカが中心となって成立した国際秩序のことです。


ソ連を盟主とする社会主義圏(東側諸国)に対抗する自由主義圏(西側諸国)の盟主として、アメリカ合衆国が北大西洋条約(NAT)や日米安全保障条約などを通して西側世界の軍事を引き受けました。


パックス・アメリカーナは、英国の歴史家エドワード・ギボンが「ローマ帝国衰亡史」で、最も安定していた五賢帝時代の1世紀末からの約80年間(96-180年)をパクス・ローマーナ(ローマの平和Pax Romana)と呼んだことに由来します。


しかしパックス・アメリカーナの時代は終焉を迎えつつあり、世界は多極化へと向かっています。