尼僧物語


1959年 アメリカ映画

監督 フレッド・ジンネマン

脚本 ロバート・アンダーソン

原作 キャスリン・ヒュウム

出演 オードリー・ヘプバーン

   ピーター・フィンチ



オードリー・ヘプバーンが美しい尼僧を演じます。戒律の厳しい尼僧になるべく努力を重ねますが、最後の最後に尼僧の服を脱ぎ捨てて俗世に戻って行くのでした…



⚫︎あらすじ


ベルギーで有名な医者の娘であるガブリエルは尼僧になるため修道院に入ります。


修道院では厳しい戒律生活が待っていました。それでもガブリエルは修行を見事にのりきりシスター・ルークという名をいただきます。


シスター・ルークはかつてからの念願だったコンゴ行きの派遣が決まりました。しかし現地コンゴ人の看護ではなく、外科医フォルテュナティの助手として白人の看護でした。


シスター・ルークは毎日毎日懸命に努力して仕事をこなしていましたが結核にかかってしまいます。フォルテュナティ医師や人々の愛情のおかげで病状は回復します。


ある日コンゴ人に白人シスターが撲殺されてしまいます。理由を聞くと「まじない師が白人を殺して悪霊を祓え」と言われたそうです。コンゴには土着の宗教があり、キリストの教えはなかなか伝わりません。


しかしキリスト教のシスターたちが誰も犯人を恨まないのを見たコンゴ人は心を打たれて土着の宗教をそっとやめるのでした。


その後シスター・ルークは再びベルギーに呼び戻されてしまいます


時代は第二次世界大戦時のベルギーです。ドイツ軍が近くまで攻めて来ていました。シスター・ルークの父はナチスに殺されてしまいます。


知らせを聞いたシスター・ルークは怒りがおさまらず、尼僧のままではいられなくなりました。尼僧は怒りを見せてはならないのです。


シスター・ルークは尼僧の衣を脱ぎ、修道院に別れを告げガブリエルに戻ります。そして祖国・ベルギーと同胞への思いを胸に、俗世間に帰っていくのでした。



オードリーは167センチで40キロのスリムな体型でした。それは第二次世界大戦時の貧困のためだったんですね。スターとなったオードリーは貧困時代を忘れずに貧しい人たちに寄付活動をしたんですね。

デザイナーのジバンシィと女優オードリーが仲が良かったことも知りました。



⚫︎感想


尼僧になるための戒律の厳しさに驚きました。少しだけ下に書き出してみます。


声高に話さず無用なお喋りは禁止

自己中心はいけません

人への気遣いを忘れぬこと

だらしない歩き方はいけません

廊下は慎み深く壁際を歩きます

清貧、貞潔、従順が掟です

自分の弱点を正し欲望を抑えること

日々戒律を守る努力を重ね

不完全な自己を磨くこと

そして家族や友人と離れ

品物や思い出を切り捨てるのです


どうです!?

尼僧になるって大変なんですね。

でも、少しだけでもこの戒律を守ることで良い人間になれそうな気がします。

⚫︎ベルギー


ベルギーはイギリス、フランス、ドイツに囲まれていてEUの首都と呼ばれています。中世時代の面影を残す街やルネサンス建築が有名で、EU 本部や NATO 本部が置かれています。

北部はオランダ語圏、南部はフランス語圏、東部はドイツ語圏といったように、それぞれに固有の風土を持つ地域で構成された国でもあります。

有名人には、女優の「オードリー・ヘプバーン」、プロレスの神様「カール・ゴッチ」、フランダースの犬の主人公「ネロ」がいます。




⚫︎ベルギー領コンゴ(コンゴ民主共和国)


コンゴには、コンゴ共和国(元フランス植民地)と、コンゴ民主共和国(元ベルギー植民地)という二つの国があり、コンゴ川を挟んで分かれています。コンゴ共和国はコンゴと呼ばれ、コンゴ民主共和国はコンゴミン(コンゴ民)と呼ばれています。


アフリカ大陸中部に位置して、面積は日本の5倍、アフリカではアルジェリアに次ぐ2番目の広さで、人口は約8,000万人の国です。

ベルギー植民地時代の面影が残っており、庁舎が昔の教会だったり、植民地時代のレンガ造りの建築物が現在も使用されているなど、素敵な街並みを見ることができます。

19741030日、モハメド・アリ対ジョージ・フォアマンの世界統一ヘビー級タイトルマッチは首都キンシャサで行われました。観衆がモハメド・アリへ向けたリンガラ語での声援「ALI! BOM-BA-YE!(アリ!やっちまえ!)」をもじって、日本でもアントニオ猪木の入場曲に使われるようになりました。


この動画を見て、いかにヨーロッパの人たちにアフリカの人たちが搾取されてきたかがわかります。

尼僧物語だけを見ているとベルギーの人たちが、コンゴの人たちを助けているようにしか思えません。

映画は西側諸国のものが多いので、都合よく描かれているのでしょうね。



⚫︎フランコフォニー加盟国

フランコフォニーとは、フランス語を話す人々で構成される言語共同体を指す概念です。コンゴ民主共和国も、コンゴ共和国もフランス語を共有する国です。

ヨーロッパではフランス、ベルギー、ギリシャ、スイス、ブルガリア、ルーマニアなどがあります。

アフリカでは、コンゴ民主共和国、コンゴ共和国、エジプト、モロッコ、マリなどがあります。


⚫︎映画で学ぶ

1.ベルギーはEUの首都

2.コンゴは2つある