ゴッド・ファーザー


1972年 アメリカ映画

監督 フランシス・フォー・コッポラ

脚本 マリオ・プーゾ

原作 マリオ・プーゾ

出演 マーロン・ブランド

   アル・パチーノ



イタリア系アメリカ人のマフィア、ヴィトー・コルレオーネと息子マイケル・コルレオーネを描いた作品です。



⚫︎あらすじ


今日はドン呼ばれるヴィトー・コルレオーネの長女の結婚式、シチリア人は娘の結婚式に頼みごとをされると断れない。


パン屋や、歌手がドン・コルレオーネに頼みごとをしにくる。


その頼みごとを次々とこなしていくコルレオーネ。


ある日コルレオーネファミリーに、トルコ人のソロッソからニューヨークに麻薬密売の話が持ち込まれるが、コルレオーネは断る。


するとソロッソに雇われた殺し屋にコルレオーネは撃たれてしまう。


それを知ったマイケルが病院に行くと誰も父の警備が居ない。おかしいと感じたマイケルが起点をきかせて父を守る。


マイケルは父を撃ったソロッソと汚職警官をレストランで射殺する。そして、ほとぼりが覚めるまでシチリアで身を隠す。


マイケルはシチリアで結婚するが、妻アポロニアは殺されてしまう。


そして兄ソニーも殺される。


ドン・コルレオーネは5大ファミリーを招集する。そして後継者のマイケルに「裏切り者は会談の仲介をするヤツだ」と告げる



⚫︎感想


ゴッド・ファーザーとは名付け親のことです。ヨーロッパでは実の父親と名付けの父親がいるんですね。名付け母はゴッドマザーです。


日本で考える名付け親とは違い、後見人という意味です。キリスト教の伝統的な習慣で、子供に洗礼を授ける時に、親に次ぐ責任を持つ後見人を立てたんですね。



ゴッド・ファーザーは、part、part3と続く9時間の大作です。とても長いですが面白いので飽きません。


ゴッド・ファーザーpart1はドン・コルレオーネと呼ばれているヴィトー・コルレオーネをマーロン・ブランドが演じています。


物語りはドンの長女コニーの結婚式から始まります。そして唯一ファミリーなのに家業に参加していない三男のマイケル(アル・パチーノ)が父の後継ぎになるまでを描いています。



ゴッド・ファーザーpart2は跡を継いだマイケルの話しと、若い頃の父ヴィトー(ロバート・デニーロ)の話が平行して描かれています。


父ヴィトーがどのようにしてシチリアからアメリカに渡りドンになっていったのかがわかります。そしてマイケルがファミリーを失っていくようすも描かれています。



ゴッド・ファーザーpart3はマイケルの晩年を描いています。多額の財を得たマイケルは財団をつくります。


バチカンに多額の寄付をしたことをきっかけにして、合法的ビジネスへと移行しようとします。


マイケルの息子はファミリービジネスには参加せず歌手になります。そのため兄ソニーの息子のヴィンセント(アンディ・ガルシア)をファミリーの後継にします。


しかしヴィンセントも長男ソニーと同じように気が短いため、マイケルはまた抗争に巻き込まれていきます。



⚫︎シチリア

まずはじめに、昔のシチリアとは現在のイタリア南部とシチリア島だったということです。

その後イタリア半島側のナポリ王国と、シチリア島側のシチリア王国に分裂します。

そして再びナポリ王国とシチリア王国がくっついて両シチリア王国となります。



⚫︎マフィア

歴史上いろいろな権力者によって支配されてきたシチリア人は、自分たちの身は自分たちで守るようになります。

もともとの語源は「美しさ、優しさ、優雅さ、完璧さ、そして名誉ある男、勇気ある人、大胆な人」という意味でした。

そのためシチリア島から生まれたマフィアはファミリーと呼ばれる組織構成員の結びつきが強く、縄張り内のみかじめ料にはじまり、麻薬密売、高利貸しなど活動内容は多岐に渡ります。



⚫︎ゴッド・ファーザーのモデルは

実在のマフィア、ヴィト・ジェノヴェーゼ。 イタリアの犯罪組織「コーサ・ノストラ」のボスで、イタリアのナポリに生まれ、幼少期に渡米しました。

また歌手ジョニー・フォンテーンのモデルはフランク・シナトラだと言われています。



⚫︎登場人物


ドン・コルレオーネ(ヴィトー)

シチリアのマフィアの家族として生まれたヴィトーは9歳のときに母親が目の前で殺され、単身アメリカに渡って来た。



ソニー(長男)

ヴィトーの後継者筆頭。背が高く色男で女にモテるが、気が短くヴィトーの跡を継ぐには心配がある。




トム(養子)

弁護士でコルレオーネ家の頭脳。ヴィトーからファミリーの相談役として信頼が厚いが、養子のため前には出ないよう心がけている。




フレド(二男)

気が優しくファミリーの仕事には向かないが、子供には好かれる。




マイケル(三男)

唯一ファミリービジネスに参加していない。父ヴィトーは政治家などの権力者になりマフィアを支配する側の人になってもらいたいと考えている。




コニー(長女)

4番目に生まれた妹だが、唯一の女の子で甘やかされたせいかワガママ。旦那の浮気にいつもイラついている。