きみはいい子
2012年 日本映画
監督 呉美保(おみぽ)
脚本 高田亮
原作 中脇初枝(なかわきはつえ)
出演 高良健吾
尾野真千子
池脇千鶴
喜多道枝
富田靖子
抱きしめられたい
子どもだって、おとなだって
人はちょっとしたことで救われたり救ったりできるのかもしれません…
⚫︎あらすじ
一人暮らしの老人、佐々木あきこ(喜多道枝)の家の前を歩いて学校に通う知的障害の男の子…
自分の娘に執拗に手をあげてしまう水木雅美(尾野真千子)…
小学四年生を受け持つ新米教師の岡野匡(高良健吾)は、お漏らししてしまった男子の親から「先生がトイレに行かさないからいけない」と文句を言われてへこんでしまいます。
岡野は仕方なく授業中にトイレに行くことを許すと、クラス中の生徒がトイレに行くようになってしまい徐々に学級崩壊していきます。
そんなクラスで給食費を持ってこない神田さんがなかなか家に帰らないので声をかけると「5時まで家に帰るなと父親から言われている」と知ります。
岡野が、どうしたものか実家で悩んでいると、姉の子どもが岡野のことをギュっと抱きしめてくれながら「頑張って」と何度も言ってくれます。
岡野の姉は「私が息子に優しくすれば、あの子も他人に優しくしてくれるの」「だから子供を可愛がれば世界が平和になる、母親ってすっごい仕事でしょう」という言葉を聞き、岡野は自分のクラスで言います。「先生は怒るのに疲れました。皆んなに宿題を出します。家族に抱きしめられて来て下さい」と…
一人暮らしの老人あきこはスーパーでお金を払わずに出てきてしまいます。それを見つけた店員の櫻井和美(富田靖子)はあきこを捕まえます。
あきこを引き取りにくる家族もいないため、今回はなんとか家に帰してもらいます。あきこが帰って来ると家の前でいつもの小学生が鍵を無くしてしまい、動けなくなっていたのであきこは家にあげて家族が迎えにくるのを2人で待ちます。
迎えに来た母親はスーパーであきこを捕まえた櫻井でした。息子のことを平謝りする母親にあきこは「いいえ、いつも挨拶してくれる、すごくいい子です」というと、初めていい子だと褒められたと言って泣きだしてしまいます。
岡野のクラスでの「抱きしめられる」という宿題で、どう感じたかを生徒たちに聞くと、「嬉しかった」「落ち着いた」「ほっとした」「懐かしかった」「赤ちゃんの気持ちした」などの素直な答えが返ってきました。岡野は、そういう気持ちを分けてあげる人になって欲しいと言いました。
水木雅美はいつも娘のあやねを過剰に叩いてしまいます。ある日ママ友の大宮陽子(池脇千鶴)に誘われて大宮の自宅に遊びに行きます。
大宮の家で楽しそうに遊ぶあやねの身体にアザがあるのを見つからないか心配でしかたない水木でした。でもあやねが騒いだことで怒って折檻してしまいそうになったときに大宮に水木雅美が抱きしめられます。
抱きしめながら大宮は言います。
「親に酷いことされたよね、わかる、私もそうだったから」
「手首の跡、タバコでしょ、私もだよ(と言っておでこのタバコの跡を見せる)」
「でも、近所のおばあちゃんが私が外で泣いていると抱いてかばってくれたの。だから生きてこれた」
「水木さんも辛かったよね、自分のこと嫌いでしょ」
「そのおばあちゃんは、会うたびにべっぴんさんて言ってくれたの。水木さんだってべっぴんさんなんだよ」
そう言って泣きじゃくる水木を大宮は抱きしめ続けます。
そのころ新米教師の岡野は、意を決して学校に来ない神田さんの家に向かいます…
⚫︎感想
この映画は原作の中から「サンタさんの来ない家」「べっぴんさん」「こんにちは、さようなら」の3篇に焦点を当て、虐待、ネグレクト、いじめ、学級崩壊などの問題を映画化したそうです。この3つの話を上手く映画にしてあります。
「サンタさんの来ない家」
新米教師の岡野が受持つ小学四年生のクラスでの学級崩壊や、親から「悪い子だからサンタさんが来ない」と言われている神田さんの話し。
「べっぴんさん」
水木雅美は娘のあやねが言うことを聞かないと叱りつけ手を上げていた。ある日、公園のママ友の大宮陽子に誘われて家に遊びに行きます。そこでも娘を叱ってしまう水木雅美を大宮陽子がギュっと抱きしめます。
「こんにちは、さようなら」
一人暮らしの老人あきこに「こんにちは、さようなら」といつも挨拶をしてくれる知的障害の子どもがいます。
ある日あきこはスーパーでお金を払わずに出てしまいスーパーの店員につかまります。許してもらい家に帰ると、いつも挨拶してくれる子どもが鍵を無くして動けなくなっています。
あきこは家で母親の来るのを一緒に待っていると、母親はスーパーであきこを捕まえた店員でした。
いい映画です。
いつも虐待する母親役は尾野真千子です。
だけどその尾野真千子も親から虐待されていたんですね…
そのことを見破る池脇千鶴。彼女自身にもタバコを押し付けられたあとが額にありました。
虐待は連鎖するんだと思いました。
だから子どもは叱らずに
抱きしめて育てよう
そうされて育った子どもも
自分の子どもを抱きしめる
ギュっと抱きしめることは連鎖するんですね。
そうすれば世界が平和になるんです。
知的障害の男の子が「しあわせ」についてわかりやすく言ってくれました。
しあわせは
ばんごはんをたべて
おふろにはいって
おふとんにはいって
おかあさんにおやすみを
いってもらうときのきもちです
本当にそうですね。
