夢を生きた男/ザ・ベーブ


1992年 アメリカ映画

監督 アーサー・ヒラー

脚本 ジョン・フスコ

出演 ジョン・グッドマン

   トリニ・アルバラード

   ケリー・マクギリス



幼い頃に親に見捨てられたベーブ・ルースでしたが野球だけは天才的でした。ルースは童顔だったのでベーブ・ルースと呼ばれましたが、本名はジョージ・ハーマン・ルース・ジュニアです。



⚫︎あらすじ


ルースは6歳でたばこを吸い、7歳でお酒を覚えた。幼い頃に言うことを聞かない子として少年院に入れられ矯正させられることになる。そしてそのまま親は迎えには来なかった。


少年院で野球と出会ったルースはホームランを連発する。そしてオリオールズに引き取られヤンキースとの試合でもホームランを打つ。貧しかったルースは観戦に来ていた子供たちにホットドッグを振る舞う。ひとりぼっちのルースは子どもが大好きだった。


野球選手になって金はあるが教養が無い。社交の集まりでオナラをかますようなヤツだった。そこで女優のクレアと知り合い聖メアリー工業少年院にいたことをあかす。


ルースは酒に酔って試合に出る。それでもサラッとホームランを打つ。どうしょうもないが天才なのだ。


1916年ボストン対タイガース戦で投手として投げるルース、しかしボールの判定に怒り審判を殴り退場する。


そのころルースはウェイトレスのヘレンという女性に恋をしてデートをすることになる。そしてヘレンに農場付きで80ヘクタールの大きな家をプレゼントして求婚する。


しかし、ルースは結婚してもつまらないとすぐに外出して飲み歩く。そこで知り合った16才の少女とセックス。次の日に妻に馬を買って帰り謝罪のプレゼントをする。


ヤンキースに移籍してもオナラをするルース。ニューヨークでは自宅で連日パーティー。とうとう妻は呆れて出ていく。それでもルースの力でヤンキースは連勝する。


そしてルースはニューヨークの孤児院でも子供たちにプレゼントする。


ニューヨークの飲み屋で再び女優のクレアと出会う。その席にはアル・カポネもいた。その晩、ルースはクレアに「いつか監督になりたい」という夢を語る。


ルースは養子を連れてヘレンの家に帰る。子どものいないヘレンは喜んだ。


ある日、病気の子供の見舞いに来たルースはホームランを本打つという約束をする。そして約束通りホームランを2本打つ。


大酒、大食い、毎晩女遊び、そして練習には遅刻。監督にお前は太りすぎだと叱咤される。態度は悪いがとにかくバッターボックスに立つと打つ。そしてまたまた特大アーチ!


「どうしょうもないやつだ」

と監督はもらす


「ファンや仲間は大事にするのに家族のことは

「あなたはずっと少年院にいるべきだった」

と妻のヘレンは言って離婚される。


ルースのひどい態度に監督からは5000ドルの罰金と2週間の出場停止をくらう。


その後ルースは不調が続く。すると観客からはブーイングの嵐。


「母は愛してくれなかった」

とルースはクレアにもらす。


「あなたは急すぎたのよ」

「何もかも一度につかもうとした」

「子供がキャンディーを盗むように」

とクレアが言う。


そしてルースはクレアと2度目の結婚をする。


そのころのルースはチームメイトのゲーリックとのホームラン合戦、カブス戦では予告ホームラン、そしてヤンキースは優勝。


しかし徐々に落ちぶれていくルース。


ルースは監督になりたいと言うが

「自分を管理できない男に監督はできない」

とオーナーに断られる。


オーナーはルースをただの客寄せと思っていた。それを知ったルースはその試合で3本の場外ホームランを打つ。


引退を決意したルースは球場を出ていく。


そこに病気だった子供が大人になってルースに言うのだった。

「あなたは最高だ、世界一だ」


ルースが打った714本のホームラン記録は1974年にハンク・アーロンが塗り替えたが、ルースより2500打席多かった。

監督になる夢を果たせぬまま1948年に喉頭がんで亡くなった…



⚫︎感想


子供のころにベーブ・ルースの伝記は読んだことがあります。素晴らしい野球選手ということしか知りませんでした。


ベーブ・ルースが親に見捨てられたことや、あまり教育を受けていないこと、そして天才的な野球センスを神から授かったということを映画を見て知りました。


2度目の妻が「何もかもつかむのが急過ぎた」ということばにベーブ・ルースの人生が集約しているなと思いました。


本名はジョージ・ハーマン・ルース・ジュニアです。童顔だったルースはベーブ(赤ちゃん)とあだ名をつけられて愛されました。そしてベーブ・ルースと呼ばれていたんですね。