キンキーブーツ
2005年 イギリス・アメリカ合作映画
監督 ジュリアン・ジャロルド
脚本 ジェフ・ディーン
主演 ジョエル・エドガートン
キウェテル・イジョフォー
イギリスで倒産寸前の靴工場を受け継いだチャーリーが、ドラァグ・クィーンのローラと一緒に男性用の婦人靴を作りニッチなマーケットに切り込む実話映画です。
⚫︎あらすじ
チャーリーはイギリスのノーサンプトンにある老舗紳士靴メーカーの後継ぎでした。しかし会社は倒産寸前の状態でした。
チャーリーは少しでも在庫を処分しようとロンドンへ出張中にドラァグ・クィーンのローラと知り合います。
ローラは女性用のハイヒールを履いていますが、女性用のハイヒールでは男性の体重を支えきれずに壊れてしまうと言います。
それをヒントにチャーリーはニッチ市場を開拓するため、男性の体重を支える細いヒールの男性用婦人靴を作ります…
⚫︎感想
紳士靴が売れないのは、スーツを着なくなった現代も同じ状況だと思います。
『ニッチ市場を開拓しろ!』は、今も昔も続いているんですね…
1642年のイングランド内戦で騎兵隊用の長靴(ジョッキーブーツ)をノーサンプトンの町で作っていたそうです。
そのため今でもノーサンプトンには靴の有名メーカーが多数あります。その中で映画になったブルックス社はキンキーブーツを作ることにしたんですね。
キンキー(kinky)とは、「性的に変態な」とか「異常なセックスを好む」とか言う意味だそうです。
今だとそんな言い方したら怒られそうですけどね。
⚫︎ドラァグクィーン(drag queen)
dragは引く、引きずる、引っ張るという意味の英語です。男性が女装するために長い布をまとって引きずりながら歩いたためドラァグクィーンと呼ばれるようになりました。ハデな服装にハデな化粧をして自分自身を女性だと過剰に表現したことが起源だそうです。
もともとは演劇の舞台で女優が不足した時は、子役や背の低い男性俳優が女装してこれを務めました。男の無骨な脚が観客に見えないようにロングスカートを履いたそうです。ですがスカートの履き方に慣れていなかった彼らは裾を床に引きずっても平気な顔をしていました。その姿が滑稽だったためこのように呼ばれるようになったそうです。
ドラァグクィーンには男性同性愛者が多いですが、近年では趣味やパフォーマンスでドラァグクィーンになる人も多いようです。
⚫︎1642年のイングランド内戦とは?
イギリスの絶対王政によるイギリス国教会の強制に対するピューリタンの信仰の自由と、特権的商人を保護する重商主義に対するジェントリ層の不満がたまり反旗をひるがえした議会が国王軍を倒し共和制になりました。
議会にはピューリタンが多かったのでピューリタン革命(清教徒革命)と呼ばれています。
また1688年に起きた名誉革命は、イギリスの議会が国王ジェームズ2世を追放し、外国から新しい国王を迎えて政治体制を刷新した事件です。
ピューリタン革命と名誉革命を合わせてイギリス革命と呼ばれています。
⚫︎イギリス革命とフランス革命の違い
どちらの革命も絶対王政への不満を持つ市民革命ということでは共通しています。
イギリス革命は一度王を排除して、新しい王を迎えて立憲君主制と議会制民主主義を確立しました。
イギリス革命で生まれた啓蒙思想が100年後にフランス市民を刺激してフランス革命へと続きます。
フランス革命は王を完全排除してナポレオンによる軍事政権が樹立しました。
王政が残ったイギリスと、王政が無くなったフランスの違いが大きいんですね。
