湯を沸かすほどの熱い愛


2016年 日本映画

監督 中野量太

脚本 中野量太

出演 宮沢りえ

   杉咲花

   オダギリジョー

   松坂桃李

   駿河太郎



宮沢りえ主演の泣ける映画です。

末期癌を宣告された彼女は気弱になることはせずに、残された命をやるべきことに専念しました…



⚫︎あらすじ


双葉(ふたば・宮沢りえ)は、娘の安澄(あずみ・杉咲花)と2人で慎ましく暮らしていました。


安澄の父、一浩(かずひろ・オダギリジョー)は、ふらっと居なくなったままでした。


ある日、双葉はバイト先のパン屋で倒れてしまい、病院に行くと膵臓癌のステージ4と宣告されてしまいます。


双葉はこの先の安澄のことを考え、探偵に一浩を探させます。すると一浩はすでに若い女に逃げられ9歳の娘、鮎子を連れて帰って来ます。


そして4人で暮らし、一浩の実家である銭湯(幸の湯)の仕事を再開します。


双葉は『少しの延命よりやらなければならないことがある』と気丈に考えます。


そして、イジメを受け続けている安澄を「逃げちゃだめ」と言って無理矢理学校に送り出します。


イジメで制服を隠されてしまっていた安澄は、勇気を出して教室で下着姿になり「制服を返してください」と訴えます。


制服を返してもらった安澄は「私にも強いお母ちゃんの遺伝子ちょっとだけあった」と双葉に報告します。


次に鮎子が居なくなります。その日は鮎子の母が迎えに来ると言う約束の日だったのです。


しかし鮎子の母は迎えには来ず、家に連れて戻ると「これからは一生懸命に働きます、この家に居てもいいですか」と。


双葉は2人の娘を連れて、いつもタカアシガニを送ってくれる女性の住む沼津まで車を走らせます。


手話で話す、その女性は安澄の本当の母でした。安澄は双葉に「いつかきっと役に立つから」と言われて手話を習っていたのでした。


双葉は一浩が手話の女性に産ませた安澄をずっと実の母として育てていたのです。


双葉自身も母に捨てられて、ずっとずっと待っていた経験をしていたので2人の娘を捨てることなんてできなかったのです。


双葉が亡くなると「あの人のためなら何でもしてあげたい、多分その何倍もしてもらってるから」と双葉に助けられた人たちが「幸の湯」に集まって葬儀をします。


双葉の湯を沸かすほどの熱い愛で沸かした風呂に皆んなで入ります。


鮎子が安澄にはじめて「あったかいね、おねえちゃん」と呼ぶのでした。



⚫︎感想


泣ける映画って聞いてたけど、本当に、まったく、その通りです。


双葉(宮沢りえ)が、顔も心も本当に本当に美しい人なんです。


自分がされた嫌なことを、絶対に自分は人にしないという強い信念を持った、そう、聖母マリアか観音さまのような人でした。


最後の湯を沸かすシーンはご想像にお任せしますって言うことなんでしょうけど、双葉の大好きな赤い色の煙が上がっていきましたね


見終わったあとに、久しぶりに少しのあいだ動けなくなる映画でした。