ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男
2017年 イギリス・アメリカ映画
監督 ジョー・ライト
脚本 アンソニー・マッカーテン
出演 ゲイリー・オールドマン
第二次世界大戦時、ナチスドイツから世界を救ったイギリスの首相チャーチルの実話映画です。
⚫︎あらすじ
元海軍大臣だったチャーチルは1940年5月10日ナチスドイツとの戦時下にイギリスの首相になります。
チャーチルはアメリカ大統領フランクリン・ルーズベルトに電話して応援要請するも断られてしまいます。
国王ジョージ6世から呼ばれたチャーチルは食事をしながら話しをします。
チャーチル
「私はガリポリの戦い以来嫌われています」
*ガリポリの戦い=第一次世界大戦時に海軍大臣チャーチルがトルコへの上陸作戦を決行するも失敗してしまいました。
国王
「君は人を怖がらせるからだよ」
「次に何を言うか分からん」
「おだてられるか 傷つけらるか」
チャーチル
「我が一族には節度が欠如してる」
「母は魅力的だが艶聞が多すぎた」
「父は神のごとく姿が見えなかった」
*艶聞(えんぶん)=男女の生めいたうわさ
和平交渉をしないチャーチルと、和平交渉に持ち込みたい他の政府高官たちとの意見対立は続きます。
他の政府高官から
「危険なのは最後まで戦い抜くというヒロイズムだ、避けられる戦いは避けるべきだ」と。
*ヒロイズム=英雄的行為を賛美すること
それに対してチャーチルは
「君らはいつ学ぶのだ?」
「この先、何人の独裁者にすり寄って、やりたい放題させる気だ?」
そう言って徹底抗戦の構えをします。
したがってカレーの港に残るイギリス軍の救助には行けないと決断します。
*カレーはフランスの港です。地理的にイギリスから一番近いところにあります。
カレーにいるイギリス部隊4000人を囮(おとり)にしてダンケルクにいる30万人を助ける作戦
イギリス政府内では和平交渉機運が高まりイタリアのムッソリーニに、ヒトラーとの和平交渉の仲介を頼むことを検討していました。
しかしチャーチルは迷っています。
「勇敢に戦って敗れた国はまた起き上がれるが、逃げ出した国に未来はない…」
「ベルギー、ノルウェー、オランダ、じきにフランスも…」
そんな時に国王ジョージ6世がチャーチルを支持すると言ってきました。
そして街へ出て民衆の真の言葉を聞いて欲しいと。
チャーチルは地下鉄に乗り込んで民衆に聞きます。
「ヒトラーがイギリスに攻めて来たらどうする」
民衆は答えます。
「戦う!」
「和平交渉は絶対にダメ!」
そしてチャーチルは民意を戦時内閣以外の閣僚に向けて国民の真意を伝えるです。
チャーチルは考えます。
「イギリスは奴隷国家に成り下がる」
「イギリスはヒトラーの傀儡となり、ファシストによる政権が作られるだろう」
*傀儡(かいらい)=操り人形
そしてチャーチルは演説します。
「イギリスは徹底抗戦する」
「だんじて降伏はしない」
そして5年後に連合軍はドイツに勝利します。その年の後半チャーチルは総選挙に負けて退陣します。
『成功も失敗も終わりではない、肝心なのは続ける勇気だ』
W・チャーチル
⚫︎感想
チャーチルの見方が変わりました。
もっともっと冷血な人物だと思っていました。まぁ、映画ですからどこまでが真実かは分かりませんが…
ジョージ6世はあの吃音に苦しんだ国王です。イギリスでは国王と首相が対等に食事できるんですね。
チャーチル自身が街に出て民衆の声を聞いたシーンには感動しました。地下鉄車内で葉巻吸ってもいい時代だったの?とも思いましたけど。
でもこれも、映画だからなぁ…
⚫︎ウィンストン・チャーチル
「成功とは意欲を失わずに失敗に次ぐ失敗を繰り返すことである」
これはチャーチル語録です。
チャーチルの無謀な作戦のために多くの人間が死に追いやられましたが、彼は誰が死のうとほとんど関心を持たなかったそうです。
戦争を騎士道的なゲームのように考えていたため、栄光を残すためだけに不合理な作戦を平気でやったそうです。
対して合理主義のアメリカは戦争など物量と物量のぶつかり合いでしかないから、相手の物量を叩き潰す空襲だけが重要と考えていたそうです。
⚫︎ガリポリの戦い
第一次世界大戦時にロシアが英仏の連合国に参戦しましたが、オスマン帝国によってポスポラス海峡とダーダネルス海峡を押さえられているため、英仏軍が地中海を通ってロシアと連絡を取ることができず、また、ロシア海軍が黒海から地中海に進軍することができませんでした。
そこで、イギリス海軍大臣のウィンストン・チャーチル(のちのイギリス首相)によって、オスマン帝国の首都イスタンブールを占領する計画が立案されます。
ガリポリの戦いでの敗戦により、作戦を立案したイギリスのウィンストン・チャーチルは海軍大臣の職を辞して、一時表舞台から姿を消すことになりました。
⚫︎チャーチルと日本
第一次世界大戦時のチャーチルは日英同盟に賛成しています。
しかしその後、日本の中国進出を恐れたアメリカがイギリスに対して日英同盟の破棄を促し破棄されました。
第二次世界大戦時のチャーチルは日英の戦争回避に努力していましたが、最終的にはアメリカのトルーマン大統領の意見を尊重して原爆投下をしたそうです。
もし原爆を使わず日本上陸作戦を決行した場合、「100万人のアメリカ人とその半数のイギリス人が死ぬ」という見積りをしていたそうです。
しかし戦後、「多数のアメリカ兵の命を守るため原爆投下を選んだ」という理由ではなく、ソ連に原爆の脅威を見せつける目的だったとも言われています。
⚫︎アンソニー・マッカーテン
脚本のアンソニー・マッカーテンは映画「ボヘミアン・ラプソディ」の脚本も手掛けました。
⚫︎ゲイリー・オールドマン
チャーチルを演じたゲイリー・オールドマンはあの映画「レオン」の麻薬取締局の刑事スタンです。そして「ハリーポッター」のシリウス・ブラックです。
チャーチルの変装は日本人の辻一弘(つじ かずひろ)が担当しました。カズ・ヒロはメン・イン・ブラックやベンジャミン・バトン 数奇な人生など多数を手掛けるメイクアップ・アーティストです。
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