天地明察(てんちめいさつ)


2012年 日本映画

監督 滝田洋二郎

脚本 加藤正人

原作 冲方丁(うぶかたとう)

出演 岡田准一[安井算哲]

   宮崎あおい[えん:算哲の妻]

   佐藤隆太[えんの兄]

   横山裕[本因坊道策]

   中井貴一[水戸光圀]



天地明察は冲方丁による天文学者「安井算哲」の生涯を描いた時代小説を映画化したものです。出演は岡田准一、妻役は宮崎あおい、二人がまだ結婚前に夫婦役を演じて話題になりました。



⚫︎あらすじ


会津藩に囲碁棋士の安井算哲(やすいさんてつ)という男がいました。


江戸城で殿の御前で囲碁を披露するさいに算哲は対戦相手の本因坊道策(ほんいんぼうどうさく)に対して初手を碁盤の中心に打つという奇策を見せます。


徳川家綱が「おもしろい続けよ」と命じたときに日食が起こります。


当時、日食は凶兆の前触れとしていたため囲碁対戦は中止になります。


その後、算哲に日本中を歩いて北極星の角度を測れという命が出されます。


算哲はその旅先で月食に遭遇しますが、800年前に伝わった宣明暦(せんみょうれき)だけを朝廷が支持するために日時がずれているのを見つけます。


それを水戸光圀に伝えると「天下太平は新しい息吹を無くす、時をつかさどるため 改暦をせよ」と命を受けます。


そして算哲は日本独自の暦「大和歴」を作り出すのです。



⚫︎感想

明察とは物事の真相をはっきりと見抜くことです。「はい、ご明察!」などと使いますよね。


安井算哲という天文学者が日本中を歩測しながら歩き、各地で北極星の位置を測って記録したんですね。


また、江戸時代には暦が三つ存在していたことを知りました。


そして暦は天(天皇)がつかさどるもので、公家衆からすると「下々の者が口を挟むでない」ということだったんですね。



算哲(岡田准一)と、えん(宮崎あおい)のほのぼのしたシーンも見どころです。


二人だけの祝言で算哲はえんに

「私より先に死なないで欲しい」

するとえんは

「早くこの帯を解いてください」

と言って蝋燭の灯りを消します…


う〜ん、おくゆかしい

日本映画っていいですね!




⚫︎安井算哲(やすいさんてつ)


江戸時代の天文暦学者、囲碁棋士です。

別名を渋川春海(しぶかわはるみ/しゅんかい)といいます。

江戸幕府碁方の安井家に生まれ、囲碁と天文学に精通します。算哲は天体観測を日夜続け、中国から伝わった暦と日本にはわずかなズレがあることを発見して江戸幕府初代天文方となります。



⚫︎江戸幕府碁方とは


徳川家康が囲碁を好んだことから、囲碁の上手なものは幕府から俸禄を得るようになります。1117日に将軍の前で囲碁を披露するのが務めでした。本因坊、井上、安井、林による家元制度が確立され江戸時代が終わるまで維持されました。



⚫︎棋院四家(きいんよんけ)


碁の家元である本因坊、井上、安井、林を棋院四家と言います。作品中で安井算哲が先に中央に碁石を打つシーンがあります。碁盤の中心は天元といい北極星をあらわします。また格下の安井算哲から先に碁石を打つのは自分より優れた相手に対して「一目置く」という敬意を表すことになります。



⚫︎なぜ囲碁なのに棋院四家っていうの?


二千年以上前の中国では琴棋書画(きんきしょが)が上流階級が身につけるものとされた4つの技能でした。そしてもともと囲碁は囲棋という字だったようです。そのため現在の囲碁団体も日本棋院と言います。





滝田洋二郎監督作品①

 ↓


滝田洋二郎監督作品②

 ↓