グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち


1997年 アメリカ映画

監督 ガス・ヴァン・サント

脚本 マット・デイモン

   ベン・アフレック

出演 ロビン・ウィリアムズ

   マット・デイモン

   ベン・アフレック



ウィル・ハンティングは天才です。しかし生い立ちに恵まれなかったために素行が悪く、その頭脳を発揮することができない青年の話しです。

出演者のマット・デイモンとベン・アフレックが脚本を書いた作品です。



⚫︎あらすじ


マサチューセッツ工科大学数学教授のジェラルド・ランボーは、難問を黒板に書いて学生たちに答えを出してみなさいと言います。


しかし誰も答えられない難問をサッと解いてしまったのは学生ではなく、清掃員のウィル・ハンティングでした。


ランボーはウィルの才能を見抜きますが、素行の悪いウィルは鑑別所入りを繰り返していました。


ランボーはウィルを更正させるため、同級生で心理学者のショーン・マグワイアにカウンセリングを依頼します。


最初ウィルはショーンを馬鹿にするような態度をとっていましたが、だんだんと自分のことを打ち明けるようになっていくのでした…



⚫︎感想


まず、この作品の脚本がマット・デイモンということに驚きました。


マット・デイモン自身も幼いころに両親が離婚していますが、頭脳明晰でハーバード大学に通っていたんですね。



心理学者のショーンは池のある公園にウィルを連れ出して語ります。



君はガキで何も理解してない

ボストンから出たことがないだろ


君の美術観は本から得たものだ

ミケランジェロの知識はある

彼の生活や政治的関心

全ての作品名を言える

だが礼拝堂のにおいは言えない

天井画を見上げたこともない 実物を


女について自分の好みは言えるだろう

経験も少しはある

だが並んで目覚めた朝の幸せは語れまい


戦争論はシェークスピアから

名せりふの引用か

戦場は知るまい

死にかけた友を抱きかかえ

途方に暮れたこともない


愛についてなら詩の暗唱だ

だが実際の恋は知らない

一目ぼれの衝撃

彼女が天使に思えること

彼女に地獄から救われ

自分も彼女を支える

愛はくじけない 何ものにも

私は妻をガンで亡くし

深い喪失感を味わった

自分以上に愛していたからだ


君は愛そうとさえしない

知的で自信に満ちた男じゃない

生意気な おびえたガキだ

天才かもしれんが

私の部屋の絵を見ただけで

私を知りつくしたと思うな


孤児だね

そのことで君の気持ちをわかると思うか

オリバーツイストを読めば

理解できるのか

上っ面の情報には興味はない

本の受け売りを聞く気もない

君自身のことを語るんだ

そのとき私は耳を傾ける

嫌なんだろう 怖いから



君の知識は本から得ただけのものだ

本当に体験したこととはちがう



そして、こうも言います。



孤独だと思うか

心の友はいるか

刺激をくれる人はいるか

君に何かを突きつけ揺さぶる人は


どんな人とも

踏み出さなければ関係は築けない

君は先を心配してばかりだ

何が好きだ 何がしたい


君は得難い可能性を持っているんだ

なのにそうやって逃げてばかり

なぜ工科大の清掃員をする

数式を解いては逃げているだけでは

立派とは言えない


何がしたい

いつも巧みにうそを並べているが

この単純な問いに答えられない

わからないから



刺激をくれる真の友はいるか

自分から行かないと関係は築けない

心配しないでやりたい事をやれ



ショーンはウィルをこう分析します。



なぜ彼は隠れる

なぜ人を信じない

親に見捨てられからだ


なぜ悪友とつきあう

無条件で頼みを聞いてくれるからだ


彼は捨てられる前に人を遠ざける

防御本能だ

だからずっと孤独だった



人を信じていないから

自分から相手を遠ざける

なぜなら 

捨てられるのが怖いから



ショーンもウィルのように親から虐待を受けていました。


そして最後にこう導きます。



過去など 

君に責任はない


君のせいじゃない

本当だ


君は悪くない 

忘れろ



ウィルは泣き崩れてショーンに抱きつきます。


この人のことは信用してもいいと思ったんでしょうね…



この映画の中にはさまざまな人間関係も描かれています。


⚫︎ウィルと連んでいる友人たち

ウィルは兄弟と思って連んでいる友人がいます。中でも背の高い兄貴分のチャッキーは、のちにウィルの旅立ちを後押ししてくれる本当の友です。

このチャッキー役がマッド・デイモンと一緒に脚本を書いたベン・アフレックです。


⚫︎ウィルの才能を見抜くランボー教授

ランボー教授はウィルの才能を見抜きますが、自分の名誉のことも考えています。

そんなランボー教授はウィルとの圧倒的な頭脳の差に悩んでもいます。


⚫︎ランボー教授とショーン教授の確執

ランボーとショーン・マグワイアは同級生でした。ですがフィールズ賞(優れた数学者に贈られる賞)を受賞したランボーはショーンを見下しているようなところがありました。


⚫︎死別してしまった妻を想うショーン

ショーンはガンで亡くした妻を心底愛していました。そのため妻を悪く言ったウィルの言葉だけは許せませんでした。


⚫︎ウィルと恋人のスカイラー

ハーバード大学の才女スカイラーはバーで出会ったウィルと恋人関係になります。

彼女はウィルのことを心から愛しますが、心を開かないウィルからは別れを言われてしまいます。


⚫︎ウィルとショーン

患者と精神分析医ですが、ウィル同様ショーンもまた幼い頃に父からの暴行を受けていました。そのことを知ったウィルはショーンに心を開きます。

そして最後にショーンがウィルを送り出す時に言うんです。『My son(息子よ)』


いやぁ〜、感動的なシーンでした…


⚫︎マット・デイモン

株式仲買人の父と大学教授の母の間に生まれましたが、マットが2歳の時に離婚しています。

ハーバード大学在学中に映画出演しだして、自ら書いたグッド・ウィル・ハンティングの脚本でアカデミー脚本賞を受賞します。2007年にはハリウッド・ウォーク・オブ・フェームに名前が刻まれました。


⚫︎ロビン・ウィリアムズ

アメリカで歴代最高のコメディアンとみなされています。俳優としては1980年にポパイでデビューしました。声優としてもアラジンの魔神ジーニーを演じています。

またゲームが好きで任天堂ゼルダの伝説から娘の名前にゼルダと付けています。

しかし残念なことに201463歳で自殺してしまいました。