卒業
1967年 アメリカ映画
監督 マイク・ニコルズ
出演 ダスティン・ホフマン
アン・バンクロフト
キャサリン・ロス
音楽 サイモン&ガーファンクル
サウンド・オブ・サイレンス
結婚式で花嫁をうばい去るっていう有名な映画です。サイモンとガーファンクルのサウンド・オブ・サイレンスも印象的なダスティン・ホフマンのデビュー作です。
⚫︎あらすじ
大学を優秀な成績で卒業したベンジャミンは両親の自慢の息子です。
ベンは自分の卒業パーティーに集まった親戚や父の知り合いへの対応に飽き飽きしていました。
そんなベンを父の仕事仲間のロビンソン夫人が誘惑してきます。
母のような年齢の女性からの誘いを断っていたベンでしたが、結局二人は毎日のようにホテルで会う仲になります。
そんなある日、ベンは両親に薦められてロビンソン氏の娘エレーンとデートすることになります。
しかしベンはロビンソン夫人からは娘のエレーンと会わないで欲しいと言われて困惑します。
とりあえず両親のことも考えて、エレーンをデートに誘い、エレーンから嫌われるような態度をとります。
純粋なエレーンを見ているうちにベンはエレーンを好きになってしまいます。
ですがエレーンの母親との関係が知られてしまい、エレーンは遠く離れたバークレー大学に戻ってしまいます。
エレーンを忘れられないベンはバークレー大学に会いに行きます。
ですがエレーンにはすでに新しい彼氏がいました。エレーンもベンが好きでしたが新しい彼氏とも結婚の約束をしていて迷っていました。
そんなベンのもとへ、ロビンソン氏がやって来て「貴様はゴミだ、最低の人間だ、変態だ!」と罵られ娘には近づくなと言われます。
ベンが学校に行くとエレーンは退学していました。
そしてエレーンの手紙には「ベンジャミン、父が激怒してる。愛してても結婚は無理よ」と綴られていました。
ベンは何とかして結婚式場を探り当てます。そして教会の2階の窓からエレーンと婚約者とのキスを見つけます。
エレーン、エレーン、エレーン…
と叫ぶベン
それに気付くとエレーンもベンの名を呼びます。
父や周りの人をの静止を振り切って花嫁を連れ去り二人はバスに駆け乗るのでした。
⚫︎感想
結婚式で花嫁をうばい去るっていう有名な映画です。
ですが内容はひどい話です。
大学卒業した息子を親や周りの大人たちが祝うシーンから始まるんですが、
父の仕事仲間の奥さんから誘惑されて、毎日のように肉体関係を持つような関係になっていくんです。
それだけでも、父の立場はぼろぼろですよね。
それが、今度はその家の娘を好きになって結婚式の日にうばい去るんです。
アメリカ人は、何でもありなのかよと思いましたね。
この前に見たマレーシア映画『タレンタイム』のあまりにも制約の多いマレーシア文化もどうかと思いましたが
やっぱり直ぐに肉体関係から入るよりも、心の葛藤があるほうが美しい映像になると思います。
卒業は、いわゆるモラトリアム人間を描いたアメリカン・ニューシネマと言われています。
⚫︎モラトリアム人間とは
大学卒業後も働かないなど、大人になる準備期間を終えているにもかかわらず、いつまでもモラトリアム(猶予期間)であり続けるといった人を指す。
要するに大人社会に同化できない人間のことです。
⚫︎モラトリアムとは
①戦争・恐慌・天災などの非常時に社会的混乱をさけるため、法令により金銭債務の支払いを一定期間猶予すること。支払い猶予。
②知的・肉体的には一人前に達していながら、なお社会人としての義務と責任の遂行を猶予されている期間。またそうした心理状態にとどまっている期間。
③実行・実施の猶予または停止。多く、核実験や原子力発電所設置についていう。
⚫︎アメリカ・ニューシネマとは
1960年代〜1970年代のアメリカで、ベトナム戦争に兵士として送られる若者層を中心とした反体制的な人間の心情を綴った映画作品群のことです。
代表作は『俺たちに明日はない』『イージー・ライダー』などです。
主人公は反体制的な若者が多く、体勢に敢然と戦いを挑む、もしくは刹那的な出来事に情熱を傾けるなどしますが、最後には体制側に圧殺されるか、悲劇的な結末のものが多いです。
*刹那的
①時間が極めて短いさま。
②あと先を考えず、今この瞬間だけを充実させて生きようとするさま。
「〜な生き方」
だとすると、そんな時代の主人公のベンは、将来の不安があって刹那的な行動をしていたのかもしれませんね。
二人はバスに飛び乗り、幸せなはずなのになぜか不安げな顔をするシーンで終わります。
監督は不安げな顔を撮るために、なかなかカットをかけなかったそうです。
