あなたになら言える秘密のこと
2005年 スペイン映画
監督 イザベル・コイシェ
出演 サラ・ポーリー
ティム・ロビンス
心をとざして誰とも話そうとしない女性の物語りです。
きっと、こういう人って沢山いるんでしょうね…
彼女の心を知らずに話しかけた人は、そっけない態度に「なんだよこいつ」っていう目でみてしまう…
しかしそこには想像を絶するような過去がありました。
そんな体験をしたらそんなふうになるよな…と考えさせられる映画です。
⚫︎あらすじ
誰とも話さない女性ハンナは工場で黙々と作業をします。
ある日上司に呼ばれると「君は無遅刻無欠勤で1日も休まないから労働組合から休むように連絡があった」と言われて休暇を取ることになります。
しかし、やることの無いハンナはレストランで看護士の仕事を探している男性に声をかけて雇ってもらいます。
勤務地は海上に浮かぶ油田発掘所で、火傷を負った患者ジョゼフの看病でした。
今は目も見えず動けないジョゼフは看病してくれるハンナに色々と話しかけますが名前さえ教えてくれません。
海上の閉ざされた場所にいる数名の人たちには、ハンナのように誰にも会わない場所のほうがいいと感じている人もいるようでした。
看病するたびに話しかけてくるジョゼフに、ハンナも徐々に答えるようになっていきました。
ある日ジョゼフはハンナに自分の秘密を教えてくれました。
ジョゼフは親友の妻を好きになってしまい、それを知った親友は火事に自ら飛び込んで死んでしまったそうです。
助けようとしたジョゼフはそのときに火傷を負ってしまったのでした。
ハンナも目が見えず心に傷を負ったジョゼフにならと思って、自分の秘密を話しはじめました。
クロアチアで看護士をしていたハンナは仲良しの友人と車で帰宅中に、兵士達に監禁されレイプされたと打ち明けます。
仲良しの友人は身体中に傷をつけられ、塩を塗られ、苦しんでいる。
ハンナは友人が早く死んで楽になるように毎日祈っていたと言い、自分自身のナイフで切り刻まれた身体をジョゼフに触れさせます。
そのときジョゼフはその友人とはハンナ自身のことだと気づくのです。
その後、ジョゼフは陸の病院に移動して手当を受け、目も回復しますがハンナの行方はわかりません。
ジョゼフはハンナの心理カウンセラーに会いに行き、なんとかハンナの居所を突きとめます。
そしてハンナの工場出口で待ち、愛を打ち明けるのです。
⚫︎感想
いやぁ、なかなか感慨深い映画でしたね。
1991年〜1995年のクロアチア紛争を描いた作品です。この内戦では『民族浄化』という戦略的な他民族排斥が行われました。
無差別殺戮、収容所での虐殺、レイプ、住民の追い出しなどの手段によって、大量の死者と難民が生み出されたそうです。
ヨーロッパにはそんな体験をした人たちが沢山いるんでしょうね…
よく「なんだか絡みづらいなぁって人」っていますよね。
そう言う人は心に傷を負った人なのかも知れないですね。
心を開いてもらうには粘り強い根気と、たっぷりの時間をかけることしか無いのかもしれません。
⚫︎クロアチア紛争
1918年の第一次世界大戦中にユーゴスラビア王国という、セルビア人、クロアチア人、スロベニア人の国が出来ました。しかしセルビア人中心的国家だったためにクロアチア人は反発してクロアチア独立国を作りました。
その後1945年に第2のユーゴとしてユーゴスラビア社会主義連邦共和国がセルビア、クロアチア、スロベニア、マケドニア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナの6つの共和国とセルビア共和国内のヴァイヴォディナ自治区とコソボ自治区で再スタートしましたが紛争は続きました。
⚫︎ユーゴスラビア
1918年のユーゴスラビア王国に始まり、1929年〜2003年まであった国です。
位置的にはバルカン半島にありました。イタリア半島の東側のアドリア海を渡ったところ、またはギリシャの北あたりです。
⚫︎イザベル・コイシェ監督
1960年4月9日、スペインバルセロナ生まれの女性映画監督です。
2009年には「ナイト・トーキョー・デイ」という作品を発表しました。日本の築地市場で働く孤独な殺し屋リュウを菊地凛子が演じています。
⚫︎サラ・ポーリー
心に傷を負ったハンナを演じた女優は1979年1月8日生まれのカナダ人で、映画監督や脚本家もこなす才女です。
「死ぬまでにしたい10のこと」でもイザベル・コイシェ監督と組んで主演をしています。
⚫︎ティム・ロビンス
病床につきながらもハンナに話しかけ続けるジョゼフを演じた俳優は1958年10月16日生まれのアメリカ人です。
「ショーシャンクの空に」では冤罪で投獄されてしまう主人公を見事に演じました。
