ミザリー

1990年　アメリカ映画

原作　スティーブン・キング

監督　ロブ・ライナー

出演　ジェームズ・カーン

　　　キャシー・ベイツ

ミザリーって、あの女性の名前だと思っていました。

久しぶりに観るとあの女性はアニーという名で、小説「ミザリー」の大ファンだったんですね。名作は何度見ても面白いですね。

⚫︎あらすじ

ミザリーを書く人気小説家のポール・シェルダンは、ミザリー以外の作品も書きたいと考えてミザリーシリーズの最終巻を書き上げます。

しかし、最終巻を編集者に持ち込む途中に雪道のため車をスリップして事故を起こしてしまいます。

その事故を目撃していたアニー・ウィルクスはポールを助け出し自宅で看護します。

アニーの献身的な介護でポールは一命を取り留めますが、両足は骨折していて右手も動かせない寝たきり状態でした。

看護婦のアニーはポールの大ファンで、「ミザリーシリーズはすべて読んでいるのよ、だから安心して療養して」と言います。

ですが、ポールの原稿を読みミザリーが死んでシリーズが終わることを知ると、ポールにミザリーを死なせるなと強く意見します。

アニーの異常性に気付いたポールは、不自由な身体で何とか家から逃げだそうとします。

アニーは足が治るとポールは出て行ってしまうと思い、治りかけの両足をハンマーで叩きつぶしてしまいます。

月日がたち雪に埋まっていたポール・シェルダンの車が見つかり、ポールの死亡報道が出されます。

しかし街の保安官は、こじ開けられた車のドアを見て誰かが助けたと推測していました。

保安官はミザリーを読み「人間の裁きより正しい裁きがあります。神が裁いて下さるでしょう」という文章を見て何か引っ掛かるものを感じます。

そして過去の殺人事件の裁判で、容疑者だったアニーが同じ証言をしていることに気がつきます。

⚫︎感想

「ミザリー」はポールの書く小説のヒロインの名前でした。ミザリーを直訳すると「哀れ・惨め・悲観」という意味だそうです。

主演女優のキャシー・ベイツはこの作品でアカデミー賞主演女優賞をとっています。ミザリーと言えばキャシー・ベイツの顔が浮かぶほど強烈なキャラクターでした。

熱烈なファンはたまに怖い行動を起こすことがあります。アイドルたちは常にそういった恐怖がつきまとっているんでしょうね。

もう一つ怖いのはアニーが看護婦だったということです。手当てもできますが、麻酔注射も打てるのです。

ポールがアニーの家から逃げ出すためにいろいろな妙案を考えるところも見どころです。「さすが作家だけあるなぁ」と思いました。

ポールは逃げ出すためにアニーが買ってくれたタイプライターを上げ下げして腕を鍛えます。やっぱり人間は一番最初に体力が大事なんだと感じました。

何とか助かったポールは自身の体験を書いた新作で賞を受賞しますが、アニーの亡霊に悩まされ続けます。

人はきっとあんな経験をしたら、一生悩まされて生きて行かなければいけないんでしょうね。