フランツ・カフカ「変身」
「変身」は主人公のグレーゴルがある朝起きたら虫に変わっていたと言う話しです。
虫に変身してしまったグレーゴルは、仕事に行こうとしますが、驚いた家族に部屋に閉じ込められてしまいます。
翌日からグレーゴルの面倒は妹のグレーテがみることになります。
グレーゴルは腐った食べ物が好きになり、粘液質の足で壁や天井を這い回ることができるようになります。
あるとき息子の様子を見に来た母は、変わり果てた姿を見て倒れてしまいます。
そのことに怒った父はグレーゴルにリンゴをぶつけると、それが原因でグレーゴルは弱っていきます。
グレーゴルの収入に頼っていた家族は仕方なく全員働きはじめ、空き部屋を人に貸すようになります。
ある晩、妹がバイオリンを弾くと、間借り人たちは演奏への失望をあらわにします。
その態度に怒ったグレーゴルが姿を現すと、間借り人たちは驚いて家を出ると言い出します。
家族は戸惑いグレーゴルを邪魔者扱いして部屋に閉じ込めてしまいます。
弱ったグレーゴルは部屋の中で静かに息を引き取ります。
翌朝、家族は安堵して郊外にピクニックに出掛けます。
どうですか?
この、訳の分からない感覚…
これこそ20世紀不条理小説の原点と言われているそうです。
不条理とは
「事柄の筋道が立たないこと」
カフカの小説は中身の無いドーナツと表現されるそうです。
虫になることで仕事に行かなくてもいいという願望が表現されているようです。
グレーゴルは虫になり、孤独であることの楽しさと寂しさも感じています。
人と繋がりたいけれども、切れてもいたい。相反する感情がある…
(ん-、なんか分かるなぁ)
そこには解放感と孤独に苦しむジレンマがあります。
妹のグレーテも、だんだんとグレーゴルに冷たくなっていきます。
しかしそれは今まで家で家事をしていた人が、仕事で外に出た忙しさから、手間をかける時間が少なくなっていったという普通のことでもあります。
仕事をしてきた父親が、家で寝たきりになると、家族は働きに出ることになり、父親のことをしだいに疎ましく思うようになってしまうというようなことです。
妹のグレーテの「兄を思う優しさの変化」の中には、ダメな者に対する「私が見てあげているんだから、もっともっとダメであって欲しい」という親切の押し売りのようなところもあるようです。
⚫︎フランツ・カフカとは?
カフカはチェコ出身のユダヤ人で裕福な家庭に生まれます。
仕事は順調でしたが、本人的には会社に馴染めず作家活動をしていました。
恋人はいましたが、カフカは結婚はしませんでした。
結婚してしまうと作家と家庭を両立できないと感じていたようです。
そして40歳で結核のため亡くなります。
⚫︎感想
村上春樹の「海辺のカフカ」とか、ドラムを叩きながら歌うシシド・カフカとか、なんとなく「カフカ」ってよく耳にするなぁと思ってました。
「カフカ」はチェコ語でカラスという意味です。そのためフランツ・カフカの父親が経営する店にはカラスの絵が付いていたそうです。
シシド・カフカさんはいつも黒っぽい洋服を好んで着ていたので、カフカという芸名になったそうですよ。
村上春樹さんは、2006年プラハでフランツ・カフカ賞を受賞しています。その際のスピーチではカフカの作品の中で「城」が大好きだと言っています。
フランツ・カフカの城も知りたくなりました。
それと、仮面ライダーの「ヘーン シーン」も主人公が虫に変身することから来ているそうです。
仮面ライダーってカフカから来ていたんですね!
