作家、中島京子さんの直木賞受賞作を

山田洋次監督が映画化した作品です。



元女中のタキ(倍賞千恵子)1930年から1940年に戦況が悪化するなかでの、東京の奉公先での回顧録です。


タキ(若い頃・黒木華)の奉公先の平井家は赤い屋根の小さなおうちでした。


そこには優しい奥様の時子(松たか子)がいました。タキは時子に憧れていました。


ある日、タキは時子の帯の結び目を見て板倉(吉岡秀隆)との不倫関係に気付いてしまいます。


タキの妹の孫の健史(妻夫木聡)は回顧録を読んで、戦争前の日本はそんな時代じゃなかったはずだとタキに言います。


でも、そんなことはなかった、毎日が楽しく希望に満ちていたとタキは言うのです。


歴史で習っただけの人と、本当にその時代を生きた人とは思いが違うんだと感じました。


むかしのものを、良くないと否定するだけじゃダメなんです。


現代は、すべての考え方をアップグレードしていかないといけないと言う風潮があります。


自分にも母がいます。


映画を見て、母には母のアップグレードできない、いや、したくない過去の楽しい思い出があるのかもしれないと感じました。


自分には子供もいます。


子供からすると母はおばあちゃんです。


自分が思うよりも、もっともっと

「おばあちゃんは何を言ってるの⁈」

と思うことがあるようです。


年齢が違うだけで考え方、物の見方がこうも違うんだと感じた作品でした。


ダイバーシティ(多様性)は難しいですね。


「ちいさいおうち」というアメリカの有名な絵本があります。


田舎のちいさいおうちのまわりには、時がたつとともに車が走り、ビルが建ちます。


ちいさいおうちは、昔のひなぎくの咲く丘をなつかしく思うのでした。


映画「小さいおうち」は昭和初期に建てられたアメリカ式の文化住宅です。


絵本「ちいさいおうち」をオマージュして作られた作品なんだろうと思います。


絵本「ちいさいおうち」のテーマは“時"の流れだと思います。


映画「小さいおうち」でタキが憧れる奥様の名は“時"子さんです。


タキは時子をただの憧れではなくて、好きだったのかも知れません。


もしくは板倉のことが少し気になっていたのかも知れません。


そしてタキは誰とも結婚せずに一生を終えてしまいます。


まさにダイバーシティです。