私たちはカメラマンのように人生の一部を切り取って印象づけるクセがついています。
みじめな自分の風景を焼きつけてしまう人、屈辱を受けた時にシャッターを押して人を恨み続ける人など、気にすべきで無いことを心に残してしまう人がいます。
人生には記憶するべきワンカットもあれば、被写体に選ばないほうがいい情景もあります。
気にしたほうがいいことは自分を高め、他人を安心させることです。現状より向上することなら気にしたほうがいいのです。
そう著者は言っております。お坊さんの説法のような内容です。本書の中で私が気になった箇所を一部ピックアップしてみました。
・いい加減
日光東照宮の柱が一本だけ逆さになっているのは完璧にしてしまうと崩壊が始まってしまうため。いい加減には2つの意味があってチャランポランと、良い加減でちょうどこれぐらいがいいという意味がある。
・自分のルール
違う環境、違う経験ならたどり着くルールは色々。夫婦や嫁姑も自分のルールでうまくやってきた人がルールの違う人と出会うので摩擦がおきる。お互いに妥協していくのが心穏やかに生きるコツ。
・自然体が結局1番強い
自然体は柔道の用語、攻撃と防御に1番適した姿勢。構えていても予想どうりのものが来るとは限らない。
・まあそんなもんですよ
愚痴を言う人には「まあそんなもんですよ」と答える。それで相手もサッパリする。
・裏切りなんて当たり前
自分自身、親の期待や信頼を裏切り生きてきた。よく「2人は赤い糸で結ばれている」という。細い繊維のような縁が縒り(より)合ったもの。何もしなければ糸は劣化していく。
子は鎹(かすがい)と言うが、子どもがいなくても同じ時間、同じ空間を共有する夫婦旅も強い縁になる。
・孤独はいいけど孤立はいけない
将棋の名人は「悩む」と「考える」は違うと言う。堂々巡りして結論が出ないのが悩む。それに対して一つ一つ思考を重ね結論に至るのが考える。
孤独は一人暮らしでも結びついている仲間や家族がいたり、心が充実している状態。しかし孤立は物理的にも精神的にも他とのつながりが切れてしまった心細い状態。
・自分の力などたかが知れている
物事は自分の努力+他人の助力+自然の力ががっちりスクラムを組んだ時に、順調に動き、素晴らしい結果が生まれる。
・病気は心を磨くチャレンジ
ホスピスでの5段階を知っておく
第1段階-否認
こんな病気になるはずない、誤診だ
第2段階-怒り
なぜ他人じゃなく自分が病気になるのか
第3段階-取引
病気を治すために何かにすがろうとする
*この段階で宗教に入る人が多い
第4段階-抑鬱(よくうつ)
あきらめ、気力がなくなる
第5段階-受容
自分の病気や死を受け入れる
・話は作るな、気取るな、偉ぶるな
人前で喋らないといけないというだけで、普段の喋りと違って作り、気取り、偉ぶってしまう。「えー、本日は誠に」なんて言ったらこの基本からはずれる。普段通りに「今日は本当に」といえばいい。会話の基本は誠実であること。
・友達の友達はあなたにとっては他人
絆を国語辞典で調べると「家族に自然に生じる愛情」「親しい人同士の間に生じる断ちがたい一体感」とある。
しかし絆を漢和辞典で調べると「馬の足にからめてしばるひも」「人を束縛する義理」「つなぐ、しばって自由に行動できなくする」とある。つまり絆は注意しないとあなたをしばる。
・無駄な一日などない
どんなに生産性のない一日でも楽しいと感じられることはある。それを意識すればその日は無駄ではなく有意義になる。
ちなみに今日のブログは「妻のかわりに洗濯物を取り込むと洗濯バサミの把手が劣化して無いのがあったので取り替えた。妻は気付かないだろう。しかし妻はもっと自分の気付かない膨大なことをやってくれているはずだ」あなたも感想入りの日記を書いてみませんか。
・クヨクヨしても結果は変わらない
潔い人は自分の意思とは関係なく刻一刻と変化する状況に対して自分の出来ることをその場でしている。出来る限りのことをしたなら結果は天の意志に任せるしかない。
・いいことも悪いこともいつか終わる
私はいいことも悪いことも「この状況はいつまでも続かない」と自分に言い聞かす。特に悪いことは「1週間後には笑っていられるようにしよう」「半年後には笑って話せるようになろう」「3年後にはそんなこともあったなと懐かしめるようになろう」と思う。
名取芳彦(なとりほうげん)さんは江戸川区鹿骨にある密蔵院の御住職です。本書は気にしない人になるための手がかりになればよいと思い書いたそうです。
