Hello everyone!

先日、Renthead(New York生まれのミュージカル"Rent"の熱狂的なファン)の生徒さんたちの強いおススメで、ミュージカル『ビリー・エリオット 〜リトル・ダンサー〜(日本版)』を観劇してきました。まさしく感激!

日本でも2000年頃に評判になった映画、『リトルダンサー』(原題は"Billy Elliot")は2005年に本場イギリスでミュージカル化され、世界中で成功をおさめてきましたが、今回、初めて日本人キャストで、日本語による公演が実現されました。舞台は1980年代イギリス北部の小さな炭坑町、そこに暮らすビリー少年の物語。母親を数年前に亡くし、まだその温もりが忘れられない年頃の男の子。炭坑で働く厳しい父と兄、そして祖母と貧しい4人暮らしをしていますが、ある日ダンスと巡り合い情熱を傾けるようになっていきますが、、、

10歳そこそこのビリー役の男の子が、約3時間におよぶ舞台の間、ずっと歌い、踊り、そして演技をし続け、時に肩で息をしながらセリフまわしをするという、人間業とは思えないほどの過酷な役をこなしてしまう姿は、演技を超えた、ウソのない少年の成長そのものでした。何度も訪れる激しいダンスシーンのたびに、客席からは感激で鼻をすする音が何度何度も聞こえてきました。

映画版は以前テレビで見ましたが、ミュージカルバージョンは今回の観劇を前に、生徒さんからお借りしたDVDで本場イギリスの10周年記念ライブ映像を見る機会を持つことができました。

最初は聞き慣れない英国の北部なまりの英語にビックリしましたが、慣れてくると結構大丈夫かも?(ちなみに、日本版は福岡弁ぽかったです)

以下、ハイライトの一つ、"Electricity"と言うシーンですが、ビリーがロイヤルバレエ団でのオーディションの最後に、「踊っているときはどんな気持?」と聞かれ、それに少しずつ自問自答しながら応えていく名場面の一つです。英語"electricity"をどうやって日本語の字数におさめるのか楽しみにしていましたが、なんと直訳の『電気』、そのままでした!

"e・lec・tric・i・ty"は5音節で5つの音符にぴったりはまっていますが、『で・ん・き』は3音節。どうやって残りの音を埋めるのかと興味がわきますが、さすがプロの翻訳家さん!前後の言葉を伴って、上手に穴埋めをされていました。こちらも、生徒さんが参考にと送ってくださった、翻訳を担当した高橋亜子さんのインタビュー記事です:http://enterstage.jp/interview/2017/08/007808.html

それでは、イギリスの舞台での"Electricity"、DVDバージョンです。アメリカ英語に慣れている方は、出だしの部分にきっとビックリするはず!




以下、歌詞です。日本語版は音符数に合わせて翻訳されているので、ところどころ対訳になっておらず、訳が前後している箇所も見られますが、全体の内容や雰囲気はほぼ原語と同じだと思います。日本語版でも全く違和感なく楽しめましたが、翻訳家さんのスキル、すごすぎます!!


"Electricity"

I can't really explain it うまく言えません
I haven't got the words 言葉にできない
It's a feeling that you can't control 押さえきれない気持ち
I suppose its like forgetting, 自分を失くすような
Losing who you are, 忘れるような 
And at the same time, ホントの僕に
Something makes you whole, なるような
It's like that there's a music, 耳の奥で
Playing in your ear, 音楽が鳴り出して
And I'm listening, and I'm listening 追いかける、追いかける
And then I disappear 自分が消える

And then I feel a change 僕は変わる
Like a fire deep inside 何かが燃えて
Something bursting me wide open 僕を開く もう
Impossible to hide 逆らえない
 
And suddenly I'm flying 僕は舞い上がる
Flying like a bird 鳥のように
Like electricity まるで電気→ "Like(ま)・e(る)・lec(で)・tric(で)・i(ん)・ty(き)"
Electricity そう電気→"e(そ)・lec(う)・tric(で)・i(ん)・ty(き)"
Sparks inside of me 胸でスパークして→胸ではじけて
And I'm free, I'm free 僕はもう自由

It's a bit like being angry, 怒りに似てるよ
It's a bit like being scared, 恐れにも少し
Confused and all mixed up, 混乱、興奮、
And mad as hell,  めちゃくちゃ→めちゃくちゃで
It's like when you've been crying, 泣いた時みたいに
And you're empty, and you're full, 空っぽで満タン→いっぱいで 
I don't know what it is, わかんない うまく
It's hard to tell, 言えない 

Its like that there's some music, 耳の奥で音楽が
Playing in your ear, 鳴り出して
But the music, でもそれは
Is impossible, 聞こえない
Impossible to hear, 聞こえないけど

But then I feel it move me, 僕を動かす
Like a burning deep inside, 燃えさかる炎
Something bursting me wide open 僕を開く もう
Impossible to hide 逆らえない

And suddenly I'm flying 僕は舞い上がる
Flying like a bird 鳥のように
Like electricity まるで電気
Electricity そう電気
Sparks inside of me 胸でスパークして→胸ではじけて
And I'm free, I'm free 僕はもう自由

Electricity そう電気
Sparks inside of me 胸でスパークして→胸ではじけて
And I'm free, I'm free 僕はもう自由
Oh oh whoa. 自由〜
I'm free. そう自由



こんなに絶賛しておいてなんですが、10月1日で東京公演は終了してしまいました。今後は大阪で半月ほど見られるそうですが、こちらはまだ少しチケットが余っているようです:http://billyjapan.com


劇場へ行かれない方は、イギリス版DVDもありますので、そちらをお楽しみください!:「ビリー・エリオット ミュージカルライブ〜リトル・ダンサー〜(DVD)」

私が見た回は、海外育ちの男の子がビリー役を演じていましたが、親友役のマイケルの名前を呼ぶときに、思わず「マイコー!」と英語発音が出てしまってとても微笑ましかったです^ ^

お声がけしてくれた皆さん、本当にありがとうございました😊

This is definitely one of the best musicals I've ever seen!!!

*加筆:
制作発表の際の映像から日本語の歌詞を書き取りましたが、そこから三箇所歌詞が変更になったそうです。上記に訂正を入れておきました。Thank you so much Y-san for letting me know about the change!!