ななこ:迷えるという幸せ | Fighting Scots from Japan

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College of Woosterという小さなリベラルアーツカレッジでの生活。
Colleges that Change LivesやUS NEWSのランキングにも入り、国内ではちょっと有名。
日本でも有名にしたくて日々の生活を書いてます(・ω・)
海外大学や海外生活に興味がある人。みてみてください

ご無沙汰しております、ななこです。長かった夏休みもそろそろ終わりです。去年の夏休みは三か月間まるまる日本で過ごしていましたが、今年の夏休みの前半は大学に残ってAMREというプログラムに参加し、後半は帰国して友人と会ったり、バイトを始めたり、小松サマースクールという高校生向けの6日間のプログラムにボランティアとして参加したりしていました。


前回や前々回の記事を書いたときは皆さんにご心配おかけしましたが、現在回復に向かっています。特にこの夏休み、いろんな人と会って話し、勉強せずにのんびりして、だいぶ楽になった気がします(一番役に立ったアドバイスは「考えすぎるな!」かもしれない笑)。そしてようやく大学残り二年間の見通しがついてきました。




<< AMRE Program >>


私の大学では、毎年夏休みになるとAMRE (Applied Mathematics Research Experience、通称アムリー)という、8週間のプログラムが開催されます。選抜を通った約30人のWooster在学生が3、4人ずつのチームに分けられ、一チームにつき一つの数学、ビジネス、またはプログラミング関係のプロジェクトが任されます。各チーム一人か二人の教授がアドバイザーとしてつきます(主に数学、コンピューターサイエンス、経済学の教授ですかね)。プログラムの参加者の大半はアメリカ人で、アジア人がちょこっと、そして今年はガーナにあるアシェシ大学からのアフリカ人の学生が四人いました。私は、アメリカ人(コロンバス出身のオハイオ州民)、中国人、ケニヤ人、そして日本人(自分)という比較的インターナショナルなチームに振り分けられました。アドバイザーはコンピューターサイエンスの教授がつきました。


私たちのチームは、大学から車で10分で行けるOARDC (Ohio Agricultural Research Development Center: オハイオ州立大の農学研究所)のトマト研究室が使っているTomato Analyzerというソフトウェアのメンテナンスを任されました(興味のある方はググったら出てきますよ!)。コンサルのような感じで、毎日のように研究室の人とメールで連絡を取り合い、週一回程度のミーティングで顔を合わせ、向こうの要望を聞きながらソフトの開発を進めました。私たちが頼まれた仕事は主に、バグの修正、新しい機能の追加、そして今まではパソコンにインストールしなければ使えないソフトだったのをネットで簡単にアクセスできる形にすることでした。


私は中国人のチームメートとともにバグの修正と機能追加に取り掛かりました。このプログラムでは8週間×40時間プロジェクトに集中するわけですが(ちなみに結構良いお給料が出るのでそれ目当てで参加する人もいます笑)、毎日8時間パソコンの画面を眺めていたら結構疲れました。自分があまりこういうプログラミング仕事に向いていないのかもしれません。もしくはプロジェクトのテーマがあまり合わなかったのかもしれません(しばらくトマトの断面図は見たくない…)


でもこのプログラムを通して得たことは沢山あります。例えば、コンピューターサイエンスの授業で学んだことがどういう風に仕事に生かされるのかが少し掴めた気がします。その他、個人だけではなく、チームでソフトウェア開発をすること、コンサル系の仕事をすることについて学べた気がします。あと、自分にどのような仕事が合っているか、自分はどのようなことが得意なのか、というのも少し分かった気がします。


また、毎週木曜のお昼はプログラムに参加している学生や教授で近くの公園にピクニックに行って草野球をしたり、たまにアイスクリーム屋さんに連れて行ってもらったり(大学生の遠足笑)、バーベキューパーティーがあったり、レジャーも結構充実しているプログラムでした。任されるプロジェクトによって多少の当たり外れはありますが(チームとプロジェクトは勝手に振り分けられるので、学生の方では選べません)、来年も一応応募してみようかなと思っています。



<< 小松サマースクール >>


このブログを読んでいる方で、H-LABをご存じの方は多いのではないでしょうか。小松サマースクールは、H-LABとは別の団体ですが、スピンオフという形で2014年に発足した、高校生向けの6日間のサマープログラムです。(もっと詳しく知りたい方はwww.komatsu-ss.org へ!)


7月のあたまにAMREが終わり、帰国して実家で三週間のんびりした後、私は夜行バスで石川県小松市に向かいました。そしてこの小松サマースクール(以下KSS)に、昨年度に引き続き今年度もハウスリーダー(HL)として参加させていただきました。


HLの主な役割は、担当するハウスの高校生の誘導をすることと、セミナーリーダー(SL)とペアになって英語で4日間セミナーを教えることです。サマースクールの詳しい仕組みを知りたい方は、ぜひホームページをご覧になってください。


私は、高校生が可愛くて仕方なくて笑、そして高校生からエネルギーをもらえるのが楽しみで、今年もKSSに参加してしまいました。少しでも高校生の夢探しのお手伝いができればな、役に立てればな、という思いもありました。また、運営に関わっている大学生や社会人は皆本当に素敵なロールモデルで、また皆に会いたくて、そして沢山刺激をもらいたくて、KSSに戻ってきちゃいました。


まだ二回しかKSSには参加していませんが、小松が私の日本でのhomeの一つになりつつあります。KSSファミリーと一緒にいるのが楽しすぎて、また多分戻ってきちゃう気がします。もし来年の夏も帰国することになったら、またHLとして応募すると思います。


しかし、今年のKSSで私にとって一番大きかったのは、数学のセミナーを担当したということだと思います。昨年はCreative Writingのセミナーを担当していたので、今年は180度方向転換したような感じでした。笑 イェール大学で数学を専攻しているブラジル人のSLが私のパートナーでした。


私たちのセミナーのテーマは、ゲーデルの不完全性定理の証明でした(興味があったら是非ググってみて下さい)。参加した高校生にとっては非常に難しい内容だったと思います。私自身、大学に入り数学を学ぼうと考え始めたのが遅かった上、高校生の頃は理系でなく文系だったので、今回のセミナーで扱った内容はそれまでほとんど触れたことのないものでした。私のパートナーだったSLは小さな頃から数学が好きで、とても熱心で頭の良い人でした。英語で数学を教えるのもとても上手い人でした。セミナー内容があまりにも難しかったので、KSS中は私が毎晩彼にマンツーマンで細かく教わり、翌日二人で高校生に教える、という感じでした。


高校生に教えるのはすごく楽しかったし(高校生が「わかった!」という反応をしてくれたときはこの上なく嬉しかったです笑)、私自身、ゲーデルの不完全性定理に触れてみて、数学かなり面白いな、と改めて思いました。そこでようやく、専攻は数学にしよう、と決めることができました。コンピューターサイエンスとの二択で物凄く迷っていたので、これでかなりすっきりしました。小松サマースクールにこんな形でもお世話になるとは全く思っていませんでしたが(KSSはあくまでも高校生のためのプログラム笑)、大学生もこんな形で背中を後押しされることがあるんですね。笑



<< この夏休みを経て、考えたこと、思ったこと >>


Woosterでも、日本でも、いろんな方に会い、お話をし、同じような悩みを持っている学生は沢山いるだということを実感しました。そして改めて、アメリカで大学三年生になろうとしている今、まだ専攻を変えるという選択肢があるということ、就活に関しても迷える時間がまだあるということは本当に贅沢なんだな、と思いました。


自分で選べるという幸せ。悩んで、悩んで、悩んだ末、自分が好きなものに決めて良い、という幸せ。


ありがたみを感じながら、与えられた時間と余裕を大切にし、後悔の一番少ない生き方ができればな、と思います。


夏休みが終わろうとしている現在、自分が考えているプランは、大学を卒業したらまず就職し、様子を見ながら大学院進学も考える、という感じです(これもまた次の記事を書く頃には大幅に変わっている可能性がなくもないので、宣言ではなくあくまでもプランだということを強調しておきます笑)。中高は私立、大学もわざわざアメリカまで行かせてもらっているので、早く金銭的にも、その他諸々の面でも親から自立したいです。まず自立してから、大学院進学か大学に入り直す(数学やコンピューターサイエンス以外の分野を学ぶ)ということも視野に入れたいな、と考えています。このようにして、周りに心配をかけないように気をつけながら、自由に生きたいと思っています。夢探しも、このプロセスで進めることができれば、と思います。自分が死ぬときに、胸を張って何かをやったと言えることが私の一つの目標としてあります。その「何か」が何なのかは、この夏休みでは残念ながら見つけることはできませんでした。大学三年生をやりながら見つけられたらな、と思っていますが、どうなるんでしょうね。わかりません。



<< あと一週間半で授業スタート! >>


ということで、一昨日アメリカに到着いたしました。ちょびっとワシントンDCで旅行してから、留学生の新入生オリエンテーションのお手伝いのためにWoosterに向かいます。

また新学期が始まってから授業の様子について書くつもりですが、今学期は


Linear Algebra(数学)
Probability and Statistics I (数学)
Principles of Computer Organization(コンピューターサイエンス)
Intermediate Chinese I (中国語)
Chinese Film(中国語)


の五つの授業を取る予定です。Wooster生は一般的に一学期に四つの授業を取るので、授業が重すぎたら、Chinese Filmは取り消すかもしれません。今学期も大変忙しくなると思うので…結局バイトは三つとも続ける上(春の繰り返しを防ぐため働く時間は減らします)、今年度は大学のInternational Student AssociationのPresident(会長的な?)なので、いろいろやることが多すぎてやばいかもしれないです。でも、死語になりつつありますがyou only live onceなので笑、とりあえず可能な範囲でいろいろ挑戦してみようと思っています。


本当に長々と自分のことばかり書いてしまいましたが、最後に……Wooster生として非常に嬉しいニュースが!!今年は新入生で日本人が5人以上入ってきます!学内の日本人人口が二倍くらいになりますね笑 ということで、きっと今年はいろんな人がこのブログを更新するので、私が書くような真面目だったり暗かったりよく分からない記事ばかりにはならないでしょう!なのでこれからもブログ読むの楽しみにしていてくださいね!笑


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