【その1あらすじ】
BKK到着日はいつもの様に歌を唄う浦島太郎。


二日目は初めての場所へ。


次の宴は女性同伴条件...


【その2本編】

次の居酒屋へ移動するためには尾根遺産を選ばなければなら無い。


こうなるとS課長、あにぃのチョイスは早い。


取り残されたのはロバ君と私である。


私に至っては状況に飲まれている。


目に前で艶かしく踊る女性。


薄暗い照明と爆音に近い音楽。


カラオケと違い、色々な人種が居座る異様な空間に圧倒された。


ステージ上にたくさんの尾根遺産がいる。


周りからは酒飲み行くだけなんだからさっさと選べとプレッシャーが掛かる。


ロバ君も「ウヒョヒョ~、ウヒョヒョ~」と言いながら選べていない。


初めての人には刺激が強過ぎる。


ましてや日本でソッチの経験も大した事が無いのである。


恥ずかしさよりもパニックに近い。


街中を尾根遺産と一緒に歩き、お食事に行く事が出来る程度に度胸もついた。


だいぶ場慣れして来てはいたが、この状況で尾根遺産のチョイスは想像だにしていなかった。


もはや挙動不審の様にキョロキョロである。


S課長とあにぃはそれを楽しんでいた様だ。


とにかくビールを流し込みながら、頭の中は「どうしよう」で一杯である。


ステージ上の尾根遺産の顔が全て同じに見える。


判断能力が鈍って行くのが自分でも分かる感じだ。


こうなると余計に判断が付かなくなって来る。


それでもステージを見ながら自分の中でどうすると葛藤していると、一人の女性が目に入る。


どう言う訳か黒いノースリーブのワンピースを身に纏い、ステージ脇をお客を見ながら近づいて来る。


よく見れば。もう一人同じ格好をした尾根遺産と二人組であった。


当然、目を血走らせ選ぶぞオーラを発しまくっている状況の、ましてや日本人を見逃す訳が無い。


シチュエーション的にも日本人男性4人で内2名はチョイス済み。


アブレ2名に尾根遺産2名が接近中である。


必然と言って良い位に目が合う。


ファーストコンタクトで主導権は尾根遺産に持ってイカれたと思う。


目が合った瞬間から一気に間を詰められる。


首に腕を巻きつけて来る。


非常に良い香りが鼻腔をくすぐる。


前にも書いているが女性の容姿だけでは無く香りにヤられる事しばしばである。


今も変わらない気がする。


臭いでも匂いでも無く「香り」である。


初恋の女性の名前が「かおり」であったからでは無い。


身体を上手い事密着させながら、耳元で「コーラー、コーラー」と刺激的にせがんで来る。


本能であったろう。


ソッコーでコーラOKの判断を下す。


この尾根遺産と一緒に現れた方はロバ君に絡み付いている。


相変わらず尾根遺産に絡まれたロバ君はメロメロである。


取り敢えずどうにか一通り同伴可能状態となった。


いよいよ居酒屋へ移動の決断を下す。


続く


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