第10部 ブルー・スウェアー 第20章 絶望の果て | ブログ小説 第10部 ブルー・スウェアー
(お母さんに会いたい・・)愛那の心にはいつしか母親の美由紀の顔が浮かんできていた。小学3年の頃にがんで亡くなった母親の顔を久しぶりに思い出していた。
(元気にしているのだろうか?娘のこんな情けない姿をみたらきっと悲しむだろうな・・・お母さん、ごめんなさい)
愛那は心の中で美由紀に詫びた。
(合わせる顔などないよ)愛那は島でのこれからを思うと絶望という言葉を肌身で感じずにはいられなかった。
奇跡的に助かったのに久しぶりに戻ったと思ったらなんて惨めで可哀想な人になってしまっているの?可哀想だよね!!と好奇心の眼差しで見つめられていくのだろう。
(生まれてくる子供も・・・) 愛那はやはり現状を父親に報告なんて到底無理だと悟った。
(無理すぎる・・・) 愛那はこれ以上健一を傷つける訳にはいかなかった。
(もうこれ以上は・・)

「直美ちゃん!!久しぶり!」あずさは切迫詰まったような声で搬送された病院の裏庭でどうしていいかわからず直美に電話をかけていた。
「お久しぶりです。中岡さん!!」あずさは数年ぶりの電話に<先輩>とはどこか言い難かった。
「うん。あのさ、愛那ちゃんと連絡取れる!?」
「愛那・・・はい、大丈夫です。さっき電話で話していたとき、死にたいといっていたから心配なの。すぐにかけなおしたんだけれど、全然つながらないの。とても心配だから念の為に直美ちゃんから連絡して確認をとってくれない!?」
「わかりました。愛那に連絡をとってまた連絡をかえします!」
「もし・・・連絡がとれなかったら・・・」あずさはいいかけて言葉を濁した。
「すぐに愛那のところに駆けつけます。大丈夫です!!」
「ごめんなさい!」あずさはしぼりだすような声でいった。
「あまり詳しいことはわからないけれど、頑張ります!!一旦、電話切ります」直美はそういうと電話をきると、すぐに愛那のところに電話をした。

健一からの電話をスルーしたあと、すぐに直美から電話がかかってきた。きっと心配をしてかけてきているのだろう。何となく察していた。
画面のディスプレイのLEDが緑色に点滅していた。愛那は直美の名前をじっーとみていたけれど、応答する元気にもなれずにいて、誰とも話したくなくてスルーした。
きっと心配になって電話をしてきたということは何となく察していた。直美からの電話も程なくして途絶えると愛那は暗い部屋の中にぼっーとしていた。
直美は直感的にこれはまずいと感じていた。あずさからの電話もただならぬものを感じていた。どうしようもない焦りから自分に電話をかけていたのをいやというほど感じていた。
(・・・どうしよう、どうしたらいいの?)直美は自問自答してみた。
(そうだ!あの人しかいない)
直美には俊也の顔は線香のようにパッと浮かんだ。
愛那を救えるのはもは俊也しかいなかった。直美はためらわずに俊也に電話をかけると、愛那とは対象的にすぐに電話に応じた。
「はい」俊也は律儀な声で返答した。
「あっ、直美です。夜中にすみません!」直美はそういいながら壁の時計をみると夜中の12時を回っていた。
「別に・・」
「愛那が危ないんです」
「何かあったのですか?」俊也も少し声に焦りが感じられた。
「はい、私も詳しい経緯はわからないけれど、中崎さんから電話きて、愛那が死にたいみたいなことをいったあと、音信不通になっているみたいで、私のところにも電話がきたんです!」
「ええっ!?」俊也の驚きの声には明らかに衝撃が走っているかのような声だった。
「だからなんとかしたいんです!何か起きる前に。今の愛那はどう考えても普通の精神なんかじゃない。あの事故を起こした人に取り憑かれているとしか思えない!だから今の愛那を救えるのは俊也君だけだよ。迷惑なのは重々わかっているけれど、愛那を何とかして上げてよ!」直美は懇願するように言い放った。
「わかった。でもどうしたらいいんだ!?」
「愛那の家にいくしかないよ。嫌な想像をしちゃうよ。あの女(ひと)も焦っている感じだった。私もこれから家を出るからこの間の駅わかります!?」
「はい!わかります」
「そこで今からいきます!」直美が電話越しにいうと俊也は壁の時計をみると、夜の11:30を回っていた。
電車に間に合ったとしてもきっと終点近くになるのだろう・・。それでも愛那の危機を思ったらそんなことをいっていられなかった。
終電を逃そうがそんな悠長なことはいっていられなかった。一刻も早く愛那を助けくちゃ。俊也は鞄をもって出かけようとしたとき、背後から静止するように声がして思わず立ち止まった。
「どこにいくの!?」鈴華の声は妙に落ち着いた声だった。

p.s
もう7月かぁ〜...今年も半年が過ぎてしまうこの時間の流れの速さについていけないこの頃です😭
あっという間すぎです。
燃え尽き症候群だったのか、、3部作書いたら、思った以上に疲れがどどどっーときて、しばらく執筆から離れていました😅😅
執筆から遠ざかったりしていたら心霊写真が出てしまい滝汗ポーンゲッソリ滝汗ポーンゲッソリ
おぉ〜、こわー!!しびれるぅー。
何か危険を知らせるものなのか?(去年の12月に変な男の人たちが10人くらいいたのは恐怖でした!!→忘れない)
全然わからない💦でも気をつけなくてはならないことは確かだわ‼️(でもすぐに神社に行ってきました)
何気に7月は脚本1+αかかなくてはいけないので、気持ちを取り戻さなくては!!