「まぁね、海と太陽と魚介しかないものね!!でもさ、それでも、他のことに向ける努力は必要だよね!」
「意外と直美ってポジティブ志向だよね!」
「そうでもないわよ。何にもないのよ。私には・・・。愛那には私の気持ちはわからないと思うけれど・・・」
「わかるわよ。私だって何もないからさ」愛那もガパオを食べながらいった。
「・・・私はさ、愛那より、もっと何もないのよ」
「・・・そう?」
「・・・そうよ!!」直美は手の拳でテーブルを軽く叩いた。
「・・・どんなところが!?」
「わかってるでしょう?ホントは優越感があったでしょう!!」
「何のこと?そんな風に思ったことないけれど・・」愛那は淡々としながらもコロモコを食べた。
「嘘!!愛那にあって、私にないものがあるのよ!!」
「・・それは何?」愛那はキョトンとしながらいった。
「・・純愛よ!!」
「あぁ、でもそれはたまたまよ。直美だって告白されたことがあったじゃない?でも断ったじゃない」愛那はめんどくさそうにいった。
「あれは純愛の対象となるような男じゃないから断ったし、ストンとくるような相手じゃなかったのよ。鼻水をいつも垂らしているアイツと付き合うなんて生理的に無理なのよ。愛那はすごいよね!!だって中学の時の同級生ではないけれど、知り合いと付き合って今も続くなんてさ!!」直美は明らかにふてくされながらいった。
「でも直美にあって、私にないものがあるよ」愛那も面白くないといわんばりにいいかえした。
「・・・何?」直美は首を傾げていた。
「・・・母親がいるじゃない?両親が健在じゃない?」
「あ〜・・・それは、そうかもしれないけれど、そんなこと考えたことがなかったよ!」
「当たり前のことがいいのじゃない?当たり前のことなのに、私にはそれがないのよ。それに純愛ってそんなのあるのかなって思うよ」愛那は最近心に芽生えた新しい気持ちを思い出していた。
「やっぱり、人ってないものねだりなのかも?!」
「そうよ、そうよ!」
「愛那には理解してくれる彼氏がいていいなぁって思ってたよ」直美はため息をついた。
「俊也には感謝しているわ。ホントにあんなにできた人はいないわ」
「一本気だものね。よくできた人よ。若いのに凄くない?浮気の一つもないなんて・・・」
「たまたまよ!人生、まだまだ長いの。これから何が起こるかわからないじゃない!?まだわからないよ。あの事故にあってから本当に何が起こるかわからないわよ。何が起こるか・・」愛那はそういいながら、頭が真っ白になった時のことを思い出していた。
「やめよう!もうそういうことを考えるのは。忘れよう、忘れよう!!」直美は過去に囚われている愛那の意識を引き戻すようにいった。
「・・・そうね!もう忘れた方がいいよ。考えたって仕方ないじゃない?」
「ホントね。考えても仕方ないわよね?」愛那はそういいながら別の話題を探していた。
「直美、仕事は順調?」
「一昨日、やめた!!」直美はきっぱりといった。
「うっそー!!まじ?早くない?」愛那は絶句した。
「だって不動産の事務は合わないことに気がついたのよ。私はもっと自由に暮らしたいのよ!堅い仕事はいやなのよ。あずさ先輩も若干24歳で夢を叶えたのよ」直美はあずさの活躍を自分の誇りのようにいった。
「私もびっくりしたよ。目を疑ったよ」
「まぁ、全部が全部、クリーンではないと思うけれどもね!!」
「そうなの?」
「そりゃ、そうよ!!当たり前じゃない?」
「でも凄いよね!!私は先輩を見習っていくことに決めたよ」
「どう決めたの?」
「自分の信じる道を進むことに決めたのよ!もう縛られない!」
「やめて、次は何を探すの?」
「とりあえず、あの部屋を出たいのよ。あのシェアハウス・・・いろいろ詐欺に近いほど全然違うし、もう地獄の境地。家出少女に容赦ない中国人留学生に・・・。メンタル崩壊寸前・・。精神衛生上よくないから今すぐにやめたい。あんな地獄には住めないわ。それに引き換え、あずさ先輩は下北の2LDKのマンションに優雅に暮らしているのよ!」直美は羨望の眼差しで天井をみあげた。
「そんなに売れてるの?」
「それだけではいきていける訳がないよ。先輩も駆け出しだし・・。パートナーがいるのよ」
「・・・パートナー?」愛那は思わず首をかしげた。
p.s
昨日作った、キャンドルが溶けてジェルが流れ出ていまして、、ヒマな私はそれをちぎって貼り付けてました、全然違うキャンドルに様変わり。
想像以上に綺麗〜
ある方にキャンドルを極めてみたら?といわれ、、本格的に勉強しようかな〜!?(まだ楽しいだけの領域)