「あんたに何がわかるっていうの?偉そうに言わないでよ」龍はいきりたって怒鳴り散らした。
「今まではバカな女を、生贄にしてきたけれど、記念すべき人はあんたのようね。あんたのような小馬鹿な小娘、どうにだってなるわ。だってうちのパパは権力をもっているんだから。今にみてなさい。あなたが私の運命の人っていうことを今に思い知らせてやるから!!」龍の言葉にみずほは訳がわからないまま呆然としていた。
ー午前零時を過ぎたシンデレラに待っているのは愛なんかじゃない。悲しみなのよー
龍の言葉をみずほは突然思い出していた。龍の投げやりな言葉を思い出しながら、今、目の前に置かれた現実を暗がりの中でひたすら直視していた。
バンッと銃声が遠くでなり響いた。近くにいた周りの連中らも警察官らも思わず面食らった。
「おい、誰だ?誰が発砲した?」現場は騒然となった。みずほも驚きながらも、悠人が慌てて、みずほがひとりでポカンとしていると、ひっぱって、近くあったボートの後ろに隠れた。
「大丈夫?」
「うん」みずほはぎこちなくうなづいた。みずほはボートの後ろをそぉっとみると、騒然とした周囲の空気に紛れてあいつはいなかった。
(えっ?)みずほは思わず目を凝らして、あたりを見回した。 そこには龍はいなかった。みずほは呆然とした。
バンバンバン、銃声が3発鳴り響いた。
「危ない!!」みずほは上体の半分が陸にあったボートから出ていた。悠人
は慌ててみずほに座るように促した。
「あぁ・・」誰かがうめくように呻いているのが聞こえてきていた。
「これはまずい!!」悠人は慌てたようにいった。
ーバンッーさらに応戦するかのように銃声が聞こえてきていた。みずほは恐怖で身を縮めて震えていた。悠人は震えながらもボートの隅から様子をみていると、警察官らしき者がベンチのところで腹部を抑えて座り混んでいた。別の私服警官が応戦して、銃を握りしめていた。悠人は恐怖に包まれて、身を縮こめて慌ててボートの所に身を潜めた。
(どうかこちらには来ませんように・・)悠人は心の中で祈っていた。
みずほは恐怖に駆られながらも気がつくとあいつが消えていることに気がついていた。
(いない、あいつがいない)どさくさに紛れて消えたあいつがどこまでも卑怯であり、まるで都合悪くなるとバケモノのように一瞬で消える魔物のように思えてきたりした。
(ある意味、すごいヤツだわ)みずほはある意味で感心しながら、周りをキョロキョロみていると、あいつらしき人がいつの間にか遠くのタクシーに乗り込もうとしているのが遠巻きにみえた。
「あっ!!」みずほはみつけて思わず絶句した。そそくさと逃げ去ろうとする逃げ足の速さに強い嫌悪感を感じていた。
(ホント、嫌なヤツだわ!!悪には悪なりのものってないのか?)
みずほは立ち上がって追いかけようと走りだした。
「お、おい!!」悠人はいきなりみずほが通りに向かって走りだしたから、思いがけない、咄嗟の行動に悠人は驚きながら、離れた通りのタクシーに乗り込もうとしている龍の後ろをおいかけていこうとするみずほを牽制しようとした悠人も立ち上がった時、犯人グループの1人が悠人に銃をむけ、引き金を引こうとした時、原嶋はそのことに気がつき、慌てて悠人の前に立つと銃声が鳴り響いた。