「悠人ーー!オーブンを玄関先にもってきてもらえる?重たくて持てないよー!」詩織の声が玄関先から聞こえてきて、悠人は慌てて、文集をダンボール箱に入れると、何も気がつかなかったふりをして、玄関先にいき、詩織が指示した、オーブンを思ったより重たくて、落としそうになりながらもよろよろと悠人はオーブンをもっていった。
「男のくせに力がないわよねー」詩織は重たくてしんどそうにしている悠人を見下すようにいった。
「男だってしんどいものはしんどいんだよ」
「楽して生きてきたからねー、それぐらいはしてもバチは当たらないでしょう」詩織が悠人に向かっていう姿を斜め前の部屋のカーテンの小さな隙間から添田が凝視するように見つめていた。手の握り拳がわなわなと震えていた。あの時、誘拐して、死にかかっていたあの少年が今はこうして人生を謳歌して優雅に堕落に生きている事実が添田にはあまりに自分自身が馬鹿にされたような気分になってしまう。
あとほんの少し通報が遅かったならあの子はこうやっていることもなかったろう。そう思うと、何か運命のいたずらというものなのか、あの子がただ強運なだけだったのかと思うと自分が惨めになっていくような、地獄に落ちたような気分になるのだった。添田の手が震え始めた。
あんなに笑顔で暮らしている悠人が憎らしくなってくる。きっとたわいもない日常(くらし)のひとコマなのだろうけれど、そんな何気ないそのひとコマの笑顔ですら憎らしく思えてくる。
(あいつの父親は自分の大事の母親を死に追い詰めておきながらも、のうのうと生きていやがって!!ただ、憎い・・)添田の胸の中にわすれかけていた憎悪が沸々と湧き上がってくるのを感じずにはいられなかった。
ただ憎かった。三つ子の魂100までということわざがよく似合うくらい憎たらしかった。あの子が実際に何かしたのかといったら、あの子が何かをした訳でもない。もし、大事な人を奪われたとしたら、奪った本人に仕返しするなら、本人に直接仕返しするより、その本人の最も愛する人や大切な人をうばれた方が復讐の効果は更に高くなるような気がした。自分を信じて疑わないあの子には何の罪もないけれど、あの家の裕福さも誰かの犠牲の上に成り立っているものではないか?その犠牲が自分の母親であったとしても。何の罪はないとはいえ、あの時、君の人生は終わったはずなのに、どうして続いているのかい?あの家の輩は何も自分たちの罪を償うこともなく、のうのうと生きていて、自分と母親は人生が台無しににされて、どうしてこんなに理不尽なことばかりなのか?
(あんなヤツの息子も本当なら今頃存在しないはずの人ではないか?悪運が強いヤツめ!!)
p.s
昨日、今日は疲れ果てた気持ちを充電しました。
今日は午前中はリンスを作りました。ハーブリンスです。1週間後に解禁になりますっ!!
ベタイン、クエン酸、グリセリンが入っていますっ!!コンデショナーはムルムルバターで簡単に作れるようなのでリンスを使い終えたら作ろうと思います。
綺麗なのね。ハーブリンス🌿