恭一のポケット中で携帯電話がブルブル鳴っている。恭一の脳裏に奈緒の顔が浮かびう後ろめたさいっぱいになりながらも佑香の悲しみを受け止めていた。
(また喧嘩の火種を作ってちまったかも)
罪悪感で胸が締め付けられた。
奈緒はごはんを口に運びながら「宇佐見千広」という得体の知れない女の影に内心怯えていた。
(宇佐見千広っていう女と一緒なの・・・・・)奈緒は塞ぎこみたくなる気持ちを必死に抑えていた。
(何で恭一の回りには次から次へと女の影がちらつくのだろう?・・・・・恭一にとって私はいったい何なの?)
紗耶は自分の食器を片付け始めた。
ドンッ―玄関先で鈍い音がし、奈緒と紗耶は思わず顔を見合わせた。紗耶は玄関に怪訝そうにいくと西本喬三が玄関先に倒れていた
「あら、あなた飲みつぶれてるの?」面倒くさそうに肩を持ちあげようとする紗耶
「ふざけんなって!あいつよ、寝返りやがって!!ただじゃおかねぇよ!!」いつもの喬三と違うことに気づく
紗耶。喬三の額は酔ったことによって真っ赤になり血管が浮かび上がっている。
「あなたどうしたのよ」
「裏切りやがったんだ。信頼していた部下に裏切られたんだ。ドライバーにまでこづかいでつって情報を引き出しやがって!!ニコニコ笑って忠誠を誓っておきながら裏では平気で陥れることを画策してたんだ・・・なぁお前だって影で男がいるんじゃないか!?なぁ・・・」
「何言ってるのよ」うんざり気味な紗耶。
「いいんだぞ、出ていっても、、俺がいやなら」
「仕事と家庭を一緒にしないで」困り果てる紗耶。
「どうせおまえだって俺を裏切るんだろ」
「みっともないわ。奈緒さんだっているんだから。あなたがどんなときも一番よ」
奈緒は力尽きたように倒れる喬三をみていた。
「なぁ奈緒さん、、あんたみたいな人はもっといい男がいるだろうに・・恭一のどこがいいんだ?まともな職にもつかないあの子はうちの恥だよ。ひょっとしてうちの財産目当てで付き合っているのか?」
「あなた!!」肩を揺さぶる紗耶。
「愛情をろくに受けてない子供がまともに愛を育てられる訳がないじゃないか!こづかいはいっぱい与えてもな、育て方を間違えたんだ、お前の教育がダメだったんだ」
「いい加減にして頂戴!!」そういうと紗耶は力づくで喬三を部屋に靴を脱がせ引きづるように中にひっぱる。
奈緒は心身くづれてきっている喬三と支える紗耶を呆然とみていた。
(愛を知らない子供かぁ・・・)
つづく、、