第3部 理想の愛  第3章 真夜中のバドミントン | ブログ小説 第10部 ブルー・スウェアー

朝の朝食はいつもきまづい沈黙が流れている。徹は黙ってごはんを口に運ぶ。妻のなつ美は徹に対して見向きもせず味噌汁をすすっている。端正で和風美人で目元ぱっちりななつ美の表情は感情のいろを失っている。

美人な妻に対して今は吐き気がするほどの胸づまりを今では覚える。

「今日は会社に泊まるから晩飯はいらない」

「そう、わかったわ」一言そっけなくつぶやくと漬物をボリボリ音をたてて咀嚼する。

徹は箸を置くと小さな声で

「じゃあ、行ってくる」といい立ち上がった。

「行ってらっしゃい」食べながらぶっきらぼうになつ美はつぶやいた。

玄関で靴を履く徹を振り返りもせず黙々と朝ごはんを食べている。

徹は諦めたようにそっと部屋を出た。

ドアを閉めると徹は小さくため息をついた。徹が部屋を後にした残された食卓でなつ美がむなしさ悲しみに襲われ泣くことを必死に堪えていることを徹は知る由もなかった。


徹は昌井企画に行くと小さなオフィスの中で佳美が耳と肩に電話を挟みながら誰かと熱心に話している。徹に気づくと佳美は目で小さくお辞儀をした。徹は近くの椅子に腰をかける。

佳美は電話を切ると温かい笑みを浮かべるとコーヒーをいれ徹に差し出した。

「あなた会社に直接来るなんて珍しいじゃない」

「いろいろ行き詰っていて参ってるんですよ。昌井先生のアドヴァイスを頂きたくて・・・」

「それは大変ね。仕事のこと?あの子のこと?」

「全部ですよ」一口コーヒーを飲む徹。

「仕事は順調そうに見えたけど・・・」

「そうでもないな」投げやりな徹。

「あら今度新しい作品を作るって意気込んでいたじゃない」

「そうなんですが思うようにいかないな・・なかなか・・・」

人間関係で思い悩んでいるの?」

「ええ、、あ、今度の作品は宇佐見は出てくれるの?」

「きっと、、あの子もこれからが大変だからね」

「きっとかぁ・・」自嘲気味な徹。

「だってあの子差し迫る話お金ないから稼がなきゃならないから出るでしょ」佳美もコーヒーをすすった。

<ピンポーン>ドアのインターホンが鳴る。

「誰かしら?はい、どーぞ」佳美が大声でいう。

カチャリ、とドアが開く。

千広が立っている。

「千広ちゃん!」佳美は思わず笑った。千広は徹の存在に気づくと思わず立ちすくむ。

                         つづく、、