千広はテレビを見ながら足の爪を切っている。
パチン、パチンー
「はぁーあ・・・・・」千広は小さなため息を漏らす。
壁の時計の針は午後9時を指している。
(今頃、西本君何をしているんだろう・・・・・)
テレビの上にはいつしか恭一とのツーショットが飾られている。
<初めて笑ってくれたね>
運命的なあの頃恭一が大好きだった頃の気持ちが甦り、運命の赤い糸で結ばれているような気した。
今だって・・・・・
「絶対に運命だよね、私たち・・・・・」
そう呟いた時テーブルの上に置いてあった携帯がなり千広は現実の世界に戻され思わずビクッとする。
待ち受けの画面を見ると母親の由利江からだった。
「なんだ、お母さんか・・・」面倒臭さそうに電話に出る千広。
「もしもし・・・・千広・・・元気?」
「・・・・・・うん」ぶっくらぼうに呟く千広。
「ちゃんとご飯食べているの?」
「うん」
「甘いものばかり食べていると病気になるわよ」子供を諭すように囁く由利江。
「大丈夫?」いつもの調子のうんざり気味な千広。
「千広・・・・・ちゃんと学校に行っているわよね?卒業も近いんだし・・・またお小遣いが足りなくなったら言って!」
その由利江の言葉に千広は胸が締め付けられそうになる。
「お母さん・・・・・」か細い声で呟く千広。
「どうしたの?・・・」心配そうに聞き返す由利江。
つづく、、