第3部 理想の愛  第1章 悲しいほど雨の中で | ブログ小説 第10部 ブルー・スウェアー

千広は紫色のツーピースを着て浴びせられるカメラのフラッシュに瞬時に笑顔を振りまく。

「いいよ、いいよ。その調子!」カメラマンが千広に笑顔を向ける。腕を振り上げたり振り下ろしたり、いわれるがまま精一杯の作り笑いを浮かべている。

「O.K!今日はOK!千広ちゃんお疲れ~」カメラマンの言葉に千広は軽い笑みを浮かべそそくさと引き上げようとすると女マネージャー・昌井佳美が千広の横に擦り寄る。

「お疲れ。千広にCMの依頼が来ているの。あと映画の仕事もきているの。着替えたら事務所に寄って。具体的な話をするわね。」

「わかりました」無愛想に呟くと、千広は歩みを止めた。

視線の先に徹が立っている。

「あら、竹内さん。会うのは久しぶりね。電話ではよく話すのに。」佳美は徹のところに歩み寄る。

「こちらこそ」徹は佳美に愛想笑いを浮かべた。

「今日はまたどうしたの?」

「千広さんに話があって・・・」徹は千広を視線で追う。

「私は話なんかないの」千広は冷たく言い放った。

「千広ちゃんそんな言い方はないでしょう」なだめる佳美。

「今日話したいことがあるから、またあとで連絡するよ」そういうと千広の肩を軽くたたくとさっさと目の前からいなくなった。徹の背中を睨む千広。

「千広ちゃん、竹内さんといくら付き合いが長くてもクライアントの方なんだからそんな態度取ったら駄目よ」諭すように注意する佳美。

佳美の注意も耳に入らないとでもいうように千広は仏頂面でその場を去った。

                                       つづく、、