第2部 トライアングル 第5章 とまどい | ブログ小説 第10部 ブルー・スウェアー

「ごめん、嘘よ、、嘘。彼は私の夢を助けてくれる助っ人なの」

「夢?」

「フフフ、、私だけのブランドを立ち上げようと思って、、ねぇ、、吉永君」

「ええ、まぁ、、」困惑気味な吉永。

「初耳・・」

「うふ・・」雪乃は満面の笑みを浮かべた。

「あっ、キテレツくんとは仲直りした?」

「キテレツなんかじゃないわよ」頬を膨らますめぐ未。

「連絡とっているの?」

「とってないけど」

「それだけの男なのよ。めぐ未から押本とかいう男の話を聞いたときは何となくきな臭い人だって思ったのよ」

「その言い方・・」

「雪乃さん酔いすぎているだけなんですよ」庇うようにいう吉永。

「遊ばれただけなのよ」雪乃はわざと酔いに任せていっているようにも聞こえる。

「そうね、、あとから裏切られるよりもずっと傷は軽いかもね」負けじと言い返すめぐ未。

きまづい沈黙。

「さってと、、私は帰ろう」雪乃は鞄をひったくるようにして飲み屋を後にした。慌てて吉永が店員を引きとめてお勘定を済ませている。めぐ未は身動きできないでいた。


「雪乃さん、離婚を切り出されたそうなんですよ。」帰る道すがら吉永は切り出された。

「・・・」めぐ未は何で雪乃と喧嘩になったのかよくわからないでいた。

「いろいろありますよね。生きていると」

「いろいろあるんですか?吉永さんは?」

「僕ですか?まぁ、、ないですね。悩みがないのが悩みといかね。。新野さんは普段何をしているんですか?」

「今、、、何もしてないのでニートですかね。前の大家さんがいい人で行き場がなくて空き部屋に新しい人が来るまで居候させてもらっているの」苦笑するめぐ未。

「そうなんだ」

「雪乃と何か立ち上げるの?」

「いやー、、それが彼女の傷心を癒すための暇つぶしにされても困るんですよね、本当は。かなり昔はこう見えてデザイナーだったんです。力貸して欲しいって急に言われたんですよ。こっちも忙しいのに」吉永も苦笑する。

「何でまたブランドなんですか?」

「さぁ、ヒマっぽいですがね。さっきニートなんて言ってましたがうちの会社、人がたりないので都合がよかったら電話頂戴。即採用だよ」そういうと吉永はめぐ未に名刺を胸ポケットから取り出して渡した。

「人事でもやっているんですか?」

「一応、社長だから、、って言っても従業員たった三人しかいないけど」

「すごーい、、何の?」

「ちょっとしたデザイン兼広告代理みたいないろいろ。いつでも連絡していいから、、僕、こっちなんで」

「ありがとうございます。おやすみなさい」

「おやすみ」手をふる吉永。笑顔のめぐ未。吉永が視界から消えると急に寂しさにかられた。鞄から携帯電話を取り出す。着信はなかった。こみ上げる思いが涙になって頬を伝った。     つづく、、