勇起は人気のない展示会の隅に相も変わらずセントラルパークの絵を見つめていた。桜田が勇起の背後にそっと近づきながら
「わっ!」と脅すように背中を押した。
「びっくりしたー、何だよ」と勇起。
「何だよじゃないねぇよ。仕事中ですよ。いつもボーっとして。まぁ、、押本さんはよくありますよね。誰か恋している人でもいるんですか?」にやける桜田。
「恋かぁ。俺はとっくに化石だよ。何万年前の話だぁ?」そういいつつにやける勇起。
「思っている人がいるならがつーんと言った方がいいですよ。こんな絵をみて微笑んでいるよりずっといいですよ。案外、押本さんはピュア・・・・・・ラブなんですかね?」
「意味わかんねえ」途方に暮れる勇起。
「それにしても展示会なのに人が少ないですよね。ここの会場借りるのも結構かかっているみたいでね、、これじゃ元が取れないです。あ~眠くなってくるなぁ」そういいながら桜田はあくびをかみ殺しながら瞼をパチパチさせた。
「・・・・・決めた」勇起は呟いた。
「はっ・・何を?」素っ頓狂な桜田。
勇起は突然別人になったようにおもいっきり作り笑いで白い歯をにーっと見せて笑った。
つづく、、