1日目...チケットを手に入れて、ウクライナから10時間かけてご来店した女性(というのは、後から知りました)...

開店前に並んでくれていて。挨拶をしに行った時に...「ありがとう!花束って僕の?」なんて感じのジョークを、僕が。

花束を手に、気まずそうな、困惑している様な笑み。あー、やっちゃった。

ボーイフレンドか、フレンドにか、レストランにか、だったんだよな、と、反省。嗚呼、くだらないジョーク、本当にごめんね、と、伝えました。笑顔を返してくれて良かった。

12時開店!時間を調整した予約のチケットがあるので、すぐに満席に。

14時からのチケットだけど、待ちきれないらしく、12時前から、お並びいただく方も。「シェフ!気にしないで、この場にいるだけで、最高な瞬間なんだ!」と言われて。

開店から3時間、15時を過ぎた頃、オーナーから「シェフ!渡すタイミングが無くて、花束をシェフに渡したいって言っている女性がずっと待ってるよ!」と。

オーナーとは今回、出会った瞬間から意気投合して「シェフは、NYのアポロシアターでも、ウケるよ、絶対に!こんなオモロい人に初めて会った!」と言われるくらい、とにかくジョークばかりで会話していて。

※NYで共同経営している友にも同じこと言われたし、ホリプロのお笑いの担当部長さんからは、「絶対に売れます!ウチに来てみます?」なんて言われた(笑)...

もちろん、実際にはそんなに上手くいく訳ないのはわかってます。

で、オーナーには「いや、いや、変なジョークやめてよ。朝、大失敗、大失態したんだから」...くだらないジョークは無理、と。

「いや、いや、マジだよ、マジ!○○○○さん!」(※オーナーとの会話は全て日本語です。元通訳ですから)と言われて。

それでも「無理、無理だって、なんか勘違い?してるよ、ビンセント!(仮名)」

と僕が返して...「いや、間違いだったら僕が真剣に謝ります!」とオーナー。

「サービスの女性スタッフとも、確認しました!」とまで言われたので...

女性の元へ向かいましたよ...半信半疑ならぬ、一信九疑くらいで。

「今日はウクライナから来ました。私は日本語を少ししゃべりますけど、話を理解するのは少し難しいです」と。

えっ、えっ、僕に花束?!?!「さっきは、恥ずかしくて、ごめんなさい」だって。いえいえ、こちらこそ本当にごめんなさい。

泣きましたよ。キッチンで泣いている僕にスタッフは戸惑ってました。オーナーが事情を話してくれたけど。

最初は、泣くギャグ?だと思ったみたいだけど。嗚呼、こんなこともあるんだね。嗚呼、こんなこともあるんだね。

僕の方こそ、ウクライナに行かなきゃね。それでも、今回は100人ほどのウクライナ人の方々に、僕の料理を楽しんで頂けたのかな。

中途半端かもしれないけど、料理人をやって来て本当に良かったな、と。

お客さまにパワーを、なんて言ってさ、お客さまから、パワー頂いちゃってさ、明日もサッカー日本代表の魂で、ね。

言うは易しだけれど、プロサッカー選手になるのが、20歳過ぎまで人生の目標だった。努力と思いが決定的に足りなかった。

でも、料理人は今からでも努力できるし、現役でいられるからね。明日もやりますよ!気合いなら負けません!ありがとう!

P.S.
日本から僕のジャンルのシェフが(おそらく初めて)...わざわざ来てくれたことに、感激し、感謝して頂いたみたいです。

全然、わざわざじゃないけど...話があった時に、心底、行きたい!って思いましたよ。当初はウクライナ国境近くで炊き出しを!っていうプランもあったし。

嗚呼、夢の中ですね。タイトルのビジネストリップじゃなくて、人生のトリップかな。あ、夢の旅かもしれませんね。