そう、いつでもあたしはいっぱいいっぱいなのだ。
それとくらべ、Aはいつでもスタイリッシュ。
独特のダンディズムとでも言っていい美学を最期まで貫き通した。
一昨日土曜の昼、彼を偲んで集まった78名のほとんどが彼の闘病生活を知らなかった。
たぶん、彼とふたりっきりで呑みに行った数少ない女性のひとり(だよね?(笑))として、憮然とするしかなかった。
おそらく、借りに彼に病気のことを告げられたとしても、私はなんの助けにもならなかったとおもうが。
彼が闘病生活を送っていたこの一年間。
このあたしは、あいかわらず何か仕事ないですか?等、惨めでいじましいメールを折に触れ送り続けていたのだ。
A、何も知らなくてごめんよ。
その日、12時からの会の開始のだいぶ前に表参道の駅に着く。
地上に上がるといきなり目に入ったのは、アレクサンダーマクイーンの旗艦店。
ちょうど私の左手には、彼デザインの木工箱のような木で作られたパーティバッグが掛けられていた。
運命を感じる。
Aにはほんとにご馳走になってばかりで、先に築地の代理店を去ったAにわたしはヴィヴィアンウェストウッドの真っ赤な薔薇のネクタイを贈った。
彼が身につけてくれていたかどうかは、残念ながら不明である。
でも、当時ヴィヴィアンのケレン味たっぷりのあのデザインをAだったら着こなしてくれたのでは?
そう信じた。
それにしても、一昨日会で披露されたヴィジュアルの数々、見事に呑んでるシーンばかりだったね。
A、天晴!