お彼岸が近づいてきましたね。

今日も晴れてはいませんでしたが、暖かい一日でした目を閉じる音譜

午前中、機能訓練で体操をし、その後昼食の前に近くの桃並木に散歩に行ってきました。

満開の桃がずーっと続いていて、本当にきれいなのです。赤、ピンク、白と、色もそれぞれ。

でも個人的には白が一番好き。

この仕事を始めてから、今までにないほど季節感を感じるようになりました。

日本の四季の美しさ、伝統のある行事の奥深さ、そんなことを日々体感しています。



春は出会いと別れの季節だけれど・・・

お年寄りの施設なので、季節に関係なく、どうしてもお別れの時がやってくる。

でもそれと同時に、新しい出会いもある。


今日は新しい利用者さんが二人同時に入ってきた。

小規模の通所施設である「すみれ」にとって、2人同時に新規のご利用者が入ることはとても珍しい。

朝からいらしたのは梅代さん。

梅代さんは昭和生まれで若いけれど、心筋梗塞と腰椎圧迫骨折、顔面神経麻痺など色々な病気を抱えている方。体がしんどいけれど、家にいるとついつい寝てばかりの生活になってしまい、これではいけないと自分で考えて、機能訓練のしっかり行える「すみれ」を紹介されてやってきた。

その梅代さん、とてもマイペースで言葉のぶっきらぼうな方。

でも、きっといい人だというオーラを感じる。私はきっと仲良くなれそう。


足が思うように動かなく、特に動作の開始時には時間がかかる。ゆっくりなんとか立ち上がって、平行棒に掴まり、足腰の訓練を始めた。

「1,2,3・・・・・」と数えながら体操を進めていく。

「梅代さん、大丈夫ですか?」と声をかけると、

「大丈夫、これをしにきたんだから」とがんばっている。


そして少しすると、

「ねえ、悪いんだけど、背中かいてくれない?」

と、梅代さんが言ってきた。

新しい人が入ってきた時には、元からいる利用者さんたちも、その方がどんな人なのか遠慮深くさぐっているが、その言葉を聞いて皆大笑い。


「あら、いいよいいよー。ここら辺?」

と言いながら私が服の上から背中をかくと、

「そうじゃなくてさ、手を中に入れてかいてよ」

と梅代さん笑い


そこでまたまた皆さん大笑い。

しっかりしている利用者さんの真季子さんと千代美さんは、

「そんなこと言えていいわーー!私も言ってみたい!」

と言いながら大笑いしている。

梅代さんの服の中に手を入れて

「ここら辺??もうちょっと上?どこか言って~未定

といいながらかく私。


「ありがと」とおっしゃったのでやめて、梅代さんに

「500円になります♪」

というと、

「つけといてちょうだいにや

とおっしゃった。




その後、座っていることがつらくて、少し座ると立ち上がり、また座る・・・というのを繰り返しながら

なんとか1日過ごされた梅代さん。

帰り際トイレに行くと、「これで(こんなにひどい状態で通所を続けて)良くなったら大したもんだわ」

と言うので、

「他の方もみんなずいぶん悪い状態の時からいらして、少しずつ良くなってる方も多いのよ。

梅代さんも一緒にがんばろう!応援するから!」

と言うと、

「ありがと。家にいたって・・・。 自殺しようかと思うこともあるけど、自殺する元気もないし」

と言う。

「そうだよね、こんな風に年中痛かったらね」

と私。


週2日、月火とくる予定の梅代さん。

帰り際に、「梅代さん、明日も待ってるからね」

というと、

「うん、ありがと、がんばって来るから」

とおっしゃった。


急激に良くなることが難しくても、少しずつ筋力をつけて、体の動きが出てくれれば。

楽しいと思えることを見つけてもらえれば。

同世代のお仲間やスタッフとの会話に生きがいを感じていただけたら。

「通所施設」という枠のなかで、私たちにできることは何だろう。

まずは明日、また会えること。















月末月初は保険の請求業務やケアマネさんへの報告事務があって、バタバタですうわぁん

仕事が大好きな私だけれど、女性ですしもちろん生活は仕事だけで成り立っているわけではなく。。。

プライベートも大事にしたいし、自分の趣味や自分にかける時間も大切にして、毎日欲張って楽しんで生きたいと思っていますかお



今日は彩子さんのお話。

彩子さんは、病気で視力のほとんどを失い、今は明暗とものの形がぼんやり見える程度。

とてもきれいな顔立ちで、髪型はピアニストの中村紘子さんのようにふんわりさせ、きちんとおしろいも塗っていらっしゃる。やせ形で色白で、清潔。まだ70代なので、デイの中では娘さんのような存在。


そんな彩子さん、今日はみんなでお話している中でご主人との馴れ初めを話してくださった。

出会いやどちらから声をかけたか、最初は相手のことをどう思っていたか・・・などなど。

年齢的にも戦後の生活がメインの彩子さんは、大正生まれのみなさんと比べるとずいぶん自由な恋愛をされていた様子。

周りの利用者さん方も、キャーキャー言いながら話を聞いている。

「それでそれで?!」「いい思い出だわねえ~」「あなたモテたのね!」など、色々な相槌が飛び交う。みなさん、楽しそう幸せ

いくつになっても、こういうガールズトークって楽しいものなのです。


今でもご主人とラブラブな彩子さん。

子どもがいないお二人は、今もひとつのダブルベッドに寝て、間には愛犬ちゃんが寝ているそう。

ご主人にも会ったことがあるけれど、本当に奥さま思いで優しそうな感じ。

「俺のこと残して先に死ぬなよ」とおっしゃるそうで。。。

うらやましいっエクスクラメーションマーク


目が見えなくなり、現在の医学では治らないと宣告され、一時はうつのような状態になってしまったこともある彩子さん。外に出ることも友人と会うこともなくなり、家に閉じこもるようになってしまって、表情もなくなり「死にたい」と漏らすこともあったそう。

そんな奥さまを見棄てることなく、優しく優しく支え続け介護をしてきたご主人。

彩子さんがすみれに来るようになって笑顔がもどり、会話がとても増えたそうで、ご主人も本当に喜んでいる。

もう、「死にたい」と言っていた彩子さんはいない。

今は、笑顔で、ご主人とのおノロケ話をしてくれる明るい彩子さん。

その方の人生が、デイに来ることによって変わるという素晴らしい事実が他にもたくさんある。


それにしても、うらやましいご夫婦だなあ。。。♪ハート





そんなみな子さん。

今はあまりたくさんお話することはできないけれど、こちらがたくさん声かけして刺激を与えてあげると反応が良いこともあります。

眼は閉じていても、耳は聞こえているのです。よ~く。


先日も、眠っているように目をつぶっているみな子さんに、

「みな子さ~ん 眠くなっちゃった??」

「今日は調子どうですかー?」

「痛い所ある?」

「今日も寒いねえ」

などなどしつこく声をかけていたら

「そうですね」

「大丈夫」

など小さな声での反応が返ってきた。


食事中は誤嚥を防ぐためにできるだけ目を開けて、意識がはっきりした状態で召し上がっていただきたいところなのだけど、とにかく安定剤がものすごく効いてしまっていて本当に全然目を開けられないこともあるので、そういう時は目をつぶっていても口が動いている場合に限って話しかけながら食事介助をすることも。

先日は食事中、目をぱっちり開けて、じーーーーっと私の方を見つめながらもぐもぐと口を動かしていた。


じーーーーーーーーーーー・・・・・・・・

もぐもぐもぐもぐ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


一重の目をぱっちり開いて、ほんとにほんとに私を見つめる。

みな子さん、今どんなこと考えてるのかな・・・。

どんな思いで食べてるのかなあ。

と思う。

「この人は一体誰なのかしら・・・」「なんでこの人は私にご飯を食べさせてるんだろう」

「あんたなんかに食べさせられたくないわ!」と思ってたりして(;^_^A


みな子さんはこけしのようなかわいい顔で、もぐもぐと口を動かす。

そのじっとみつめる顔を見て、スタッフが言った。



「なんかお母さんのことを見つめる赤ちゃんの顔みたい」



私は残念ながらまだ出産の経験がないけれど、うちのスタッフは私以外全員が主婦なので、赤ちゃんがお母さんのおっぱいを飲む時の顔を、みな子さんの表情に重ねたよう。

へ~~~ 赤ちゃんてこんな感じでお母さんのことを見ながらおっぱい飲むんだあ・・・。

それはかわいいに違いない!!!


血のつながりも何にもないみな子さんだけれど、そんなみな子さんのことだって、私はかわいくて仕方ない。いつもぎゅーっとして背中をさすってまたぎゅーっとしているくらい(笑)

自分の子どもがあんな顔でおっぱい飲んでくれたら、それはそれは愛しいと思うだろうなあ。

でも、きっとそういう母性本能?みたいなものが、この介護の仕事をしていると満たされたり刺激されたりするのかもしれない。

自分より何回りも人生の先輩だけれど、そんなお年寄りがみんなかわいく思えるのだから。



肺炎の一歩手前と診断されたみな子さんだけれど、このところ少し落ち着いている。

ご主人の痰の吸引が功を奏しているのかもしれない。気管のゴロゴロ感も、咳も少ない。

昼食後、ずっと車いすに座らせておくと体に負担がかかるため、1時間ほどベッドに横になることになっているみな子さん。

移乗する時、必ずお話するのだけれど、

「みな子さん、少し調子いいみたいだね(^-^)

と言うと

目をつぶったまま わずかに うん、とうなづく。

「みな子さん、しっかりしなきゃね!みな子さんががんばんなきゃお父さん元気でないよ。お父さんのためにも元気にならなきゃね!」

と声をかけると

目がうっすらと開いて

「そうね、」

と言った。

その顔がとっても良かったので、

「みな子さん、若いときは美人だったでしょ~( ´艸`)」

と言うと、

少し笑って、

「な~に言ってるの」

「とんでもない」

と小さい声で言った。


顔の筋肉も、体の関節も、すべてが硬く固まりつつあるみな子さん。

笑顔をつくるのも大変そう。

でも、声をかけ続け、話しかけ続けると反応が返ってくる。

気持ちをかけ続けると、相手からも気持ちが返ってくる。

その感じがたまらなくおもしろく、たまらなく嬉しい。


今もなお、みな子さんにとって「お父さん」という単語はキーワード。

その言葉を聞くと反応が返ってきたり、嬉しそうな表情をしたりするのだ。

すべての機能が退化していくなかでも、ご主人の記憶と存在は大きなものとして残っている。

それってなんてすごいことなんだろう。