他にもいくつか見たけどそれはまた後日。
今回は古典な映画を。

三重県出身なので知識として知っておくために小津安二郎の映画を見ておこうと思って。

んで、探したらDMMサブスクでは「東京物語」のみ無料であった。代表作であるらしい。
というわけで鑑賞してみた。
ちなみに昭和28年の物語であり、舞台の年代設定も同年となる。



〇感想

最後まで見終わった結果として…

「何を主題とした映画なのか全くわからない」

というのが素直な感想である。

これは何を言いたいんだろうか。
やっぱり、

「同時代を生きた人しかわからない」

って感じなのだろうか。
たんたんと進み、特に何を強調しているのかは謎である。



〇あらすじ

そもそも話がわかりにくい。
自分物の相関関係が全く説明されないままはじまるからである。
というわけで間違いもあるかもしれない。

尾道(広島)に住んでいる老夫婦が子供達に会うために東京へ旅行
して帰ってくるまでの話。

子供は
長男が東京で医者をしている。
長女が東京で美容院をしている。
次男は戦争で死去し、その妻が東京で会社勤めをしている。
三男は大阪で会社勤めをしている。

んで、老夫婦は大阪経由で東京に行く。
東京につくが、子供たちはそれぞれ家庭を持っており、忙しくて
観光につれていくことができない。
親を嫌っているわけではないが、それぞれの生活がある子供たちは滞在する
老夫婦を面倒に思う。

そのため、子供たちは老夫婦を熱海へ旅行させる。
しかし熱海の宿は活気のある若者たちが夜通し騒いでゆっくりできない。
結局老夫婦は早めに尾道へ帰ることとする。

帰郷したとたん、老母が危篤になる。
子供たちは集まり、老母は亡くなってしまう。

以上である。



〇主題的なもの

老夫婦と東京の文化・世代格差的なものとか色々あるだろうけど、
一番の主題は

「人の情は年月が経つと薄れていく」

という結構単純なことを言ってるのかもしれない。

老夫婦は、長年離れて暮らし、それぞれの生活の方が大事になった子供たち
に邪険にされ、結局一番親切にしてくれたのが未亡人である

「次男の妻」

であった。
老母の葬式後でも子供たちは「忙しい」と早々に帰ってしまい、次男の妻だけが残った。
老父は次男の妻に感謝の言葉を伝え、次男のことは忘れて幸せになって欲しいと言う。

次男の妻は涙を流しながら、実は夫の事を思い出すことが少なくなったことを話す。

結局子供達と同じで、合わなければ人の情は薄れていくということである。

主題はこんな感じだろうか。

しらんけど(笑)



〇古い映画のおもしろさ

正直映画の内容はぜんぜんおもしろくなかった(笑)
ただ、これだけ古い映画だと映像に映ってるものを見てるだけでおもしろい。
戦後8年しか経ってない時代の映像である。

でも家具なんかは自分が子供の頃とあまり変わらないかもしれない。
家電の三種の神器はないだろうけど。
ただ、扇風機はあった。

あとこの時代にすでに美容院に頭にかぶせるパーマ器があるのが意外だった。
流行に敏感であろう美容院はカタカナ英語もバリバリであった。
「アップ」「ウェーブ」「レフトサイド」「ライトサイド」「ピンカール」
などなど。
中学生の子供もすでに英語の勉強をしていた。

蚊取り線香が縦に刺してあるのがデフォのようである

扉を開けると黒電話の呼び鈴みたいな音がする。
昔は昼間は鍵あけっぱだから、誰か来たらわかるようだろう。
こういう引き戸は自分の時代にはもう無かったなぁ。

他には

「セリフに違和感がある」

ってのが特徴。
もしかしたら小説言葉的なものが映画に残っているんだろうか。
小説では使うけど、実際の人間は使わない口調をある程度映画でもそのまま
使っているのかもしれない。

挨拶にも時代を感じる。
めっちゃ冗長である。

挨拶もお互い3回ぐらい繰り返す。
出ていくときに1回、玄関口で一回、外へ出るときに一回。
相手の好意を受け取るときも2回くらいは断って3回目に受け取る。

謙遜も今より多く、特に出前を取ったときに

「美味しくないでしょうけど」

と言ったのは印象的だった。
いや、出前の人がまだ近くにいるし、店の人にも失礼やろ(笑)

履物も老夫婦は草履とゲタはいてたなぁ。
自分の子供の頃にもまだゲタはいてる人はいたけど。
ゲタは今でいうサンダル。
ただ、昔は道が悪かったため、泥はね対策として歯があったのかと思われる。
でも、若い人でゲタの経験ある人あんまいないかもしれんけど、あれは結構
歩きづらいんよなぁ。

漫画でしか出てこない頭に氷嚢をつるす装置とかもあった。
あれ実在するんだw

田舎の老人と戦後復興期の活気ある東京の対比みたいなのも主題の一つなの
かもしれないけど、当時の若者の娯楽は

「麻雀」「パチンコ」

であるらしい。タバコをふかせながら。
自分が子供の頃もそうだったかもしれないけど。
皆手つきが慣れてたから当時の若者は毎日のようにやってたのかもしれない。

東京の人の多さは今と全く変わらない。
多分中心街の人口は同じで放射状に人口の多い場所が広がっていったんだろう。
高くはないがビルもたくさんあり、戦後8年なのに驚きの復興具合である。



〇余談:人生50年

老母がなくなるんだが、その年齢が「68」であった。
でも68とは思えないフケ具合である(笑)

実は人間はストレスを受けると早く老けていく。
TVの双子の実験でもそういうデータが出ていた。
また、実際に自分の子供時代の老人は70歳でもうヨボヨボしていた。

多分戦国時代とか明治~昭和の戦争が多く時代が変動して将来が見えずストレス
がかかった時代は老け方も早かったんじゃないだろうか。

逆に意外と江戸時代は長生きする。
ただ、平均寿命が短いのは

「子供が死にまくる」

からである。
「七つまでは神の子」みたいな言葉は、恐らくそのへんまでの年齢は簡単に
死んでしまう、という意味もあったんじゃないだろうか。

あと、医療がすすんでないので、すぐ病気で死ぬ。
現在の平均寿命まで生きた人でも、現代医療の無い江戸時代ならその半数は
それまで死んでただろう。
ただ、ストレスは少ない時代だったので、長生きする人も結構いた。



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以上。
古典の洋画はあんまないけど、古典の邦画は結構ありそうである。
また古典の邦画を見たら同じような感想を抱く部分もあるだろうから、先に
代表して書いておいた。

でも内容自体はよくわからい。

というわけで、なぜこれが名作映画なのか調べるつもりなので、その前に
自分の感想を書いておこうと思った次第。