命短シ楽シメ人生! -2ページ目

命短シ楽シメ人生!

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前回の続き。

 

 

村谷「ビルそのものって・・・まさか!?我々が今いる・・・・・このカジノビルの事ですか!?」

サブ「そうだ、信じられないかもしれないが・・・。」

村谷「いくら何でも無茶苦茶ですよ・・・!?可能なんですか?ビルを倒す・・・・・と言うか傾ける事なんて・・・。」

サブ「・・・・・僕が聞いた話だと、地震等で傾いたビルを土台かた持ち上げ補修するという・・・そんな工事がある事を。」

 

サブ「傾いたビルを・・・平に出来る工事、その逆をすれば・・・平らなビルを傾ける事だって可能だ。」

村谷「・・・まぁ確かに・・・そうすれば可能ですが・・・。」

サブ「しかし、そうなると・・・・・当然ながら相当大掛かりな土木工事が必要になってくる・・・。」

村谷「確かに!そもそも掘り返さないといけない!どうあれ一度は!・・・・・・・でも、どう振り返ってもそんな様子は微塵もありませんでした。」

サブ「・・・・・・・・・。」

村谷「ウチのビルの周りを掘り返したとか、重機が来たとか・・・それは一度もありません!シャベル1つ入ってない!皆無!一体どうなってるんですか!?」

サブ「・・・それはまだ分からん・・・。」

村谷「分からんって・・・それじゃあ・・・。」

サブ「どんな手を使ったか分からないが・・・奴が傾けたのは事実!その工事クラスの何かで!」

村谷「・・・・・。」

 

その様子を見て・・・立原達は少しほくそ笑んだ。

 

立原『かなり焦ってきてるな・・・という事は、さすがに気付き始めたか?敵もこの異変に・・・傾斜の逆転に!』

 

ルーシー『しかし!そこまでね・・・気付きはその結果まで!何故傾いたかは分からない・・・想像の外!』

 

敦『そもそも、ビルを傾けるというその発想自体が異様!破格で訳の分からない着想!その先・・・! それを具現化する仕掛けに至っては・・・。』

 

谷崎『更にバカバカしいと言うか、冗談みたいな手!これこそ奇想天外と言える!中島君の発想力は!』

 

それは、あの時の競馬場での会話で・・・。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

カツオ「なるほど・・・ビルを倒すと言うか傾ける!」

中島「そう!」

文「随分と奇想天外な発案ですね、まあ可能と言えば可能ですが。」

中島「いけますか!?」

長谷部「あり得るぞ。」

中島「!?」

長谷部「その気になればビルを傾ける事は可能だ、カツオは以前裏バイトで土木作業のバイトをやってた人間だからある程度は分かっているだろう?」

カツオ「はい・・・倒す事も決して不可能じゃない、しかしそうするには言うまでも無く大掛かりな工事・・・土木工事が必要不可欠!」

藍「そうなれば・・・当然だけど騒音や振動対策が必要だな、どうするつもりだ?」

中島「それは必要ない!」

カツオ「は!?」

ぬえ「必要ないって・・・あんた一体どうするつもりなのさ!?」

中島「天!・・・と言うより地が味方したと言うべきかな?ともかく・・・沈むんですよ、あの辺り。」

今剣「沈むって事は・・・地盤沈下って意味?」

中島「そう!数日前にフラッと入った喫茶店であのカジノの近くのビルが補修工事をしているって話を聞いてそれが・・・・・決定打!まさに値千金の情報!繋がった!これで饕沼攻略の道筋が全て・・・。」

清光「その決定打が地盤沈下って事だね。」

中島「それです!その補修工事は地盤沈下で傾いたビルを元に戻す工事!早い話・・・あの辺り一帯はやわい!地盤が・・・当然あのカジノのビルも・・・ククク・・・。」

安定「でも・・・いくら地盤がやわいと言っても地面は地面だよ?ちょっとやそっとじゃ無理じゃないかな?それに君は普通の人間だし・・・。」

中島「20トン・・・これでどうですか?」

藍「は?どういう事よ?いきなり20トンって・・・。」

中島「20トン・・・・・2万kg・・・・・ビルの片側のみに乗っかったらどうだ?」

文「なるほど!そうすればじわじわと片側が沈んでいく!決して不可能じゃないです!」

 

でも、ここで問題が・・・。

 

それをどうやって実現するかだ・・・20トンはあまりにも非現実的すぎる・・・。

 

カツオ「それって、10kgの土嚢が2000個必要って事だよ!?エレベーターで運ぶにしろ階段を使うにしろ労力はバカにならない!それに時間も!そんな作業を敵が気が付かないと言う保証は無い!」

中島「土嚢は使わないよ。」

安定「え?じゃあ何を・・・?」

中島「・・・水だ!」

「水!?」

長谷部「・・・なるほど!水ならば部屋にある蛇口を捻ればいくらでも出すことが出来るからそれを使った方が寧ろ効率が良い。」

中島「それに、あのビルはほぼガラガラの空き部屋がいくつもある・・・・・その空き部屋の傾けたい側に位置する部屋を借りて、並べるんだ・・・20個・・・1立方メートルのビニールの水槽20個を!!!」

ぬえ「そうか!!!ビニールの水槽なら段ボールの箱とかに畳んで入れて引っ越し業者を装ってその部屋に運び入れれば怪しまれない!」

清光「確かに、引っ越し業者を装えば20個や30個の段ボール箱が運ばれても誰も気にしないし不審がられる事もない。」

中島「それを部屋に持ち込んだら、それを傾けたい側に水槽を並べて水を満タンになるまで入れる・・・部屋の水道を総動員させれば20個の水槽は・・・8時間もあれば一杯になる!8時間ならカジノ側の定例である、1日1回あるルーレットの水平チェックも掻い潜れる・・・結果、人知れず8時間後に・・・!」

 

中島「並ぶ!!!20個・・・加重20トン!水のサイコロの完成だ!!!!!」

 

驚くべき!圧倒的アイディア!!!!!

 

中島「どう?簡単で且つ・・・現実的な話です!」

「・・・・・・・・・・・・・・。」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

カツオ『本当だ・・・全くもってその通りだ!中島!現実化したんだ・・・ここまでは見事に!!!後は・・・当てるだけだ!当てるだけ!』

 

 

中島!全集中!!!

 

中島「ぐっ・・・!くっ・・・!!くっ・・・!!!!!」

 

「いけいけー!」

「このままいっちゃえー!!!」

「今日はあるぜ!!!マジで気配が!!!」

「入る入る!吸い込まれるように!!!入っていくぞ!!!」

 

サブ「くっ・・・!」

 

「いけ!」

「いけっ!!!」

「いけー!!!!!」

 

村谷「店長・・・どうです?・・・玉の様子は?」

サブ「まだ分からん・・・分からんが、ともかく今僕が持っているリモコンで操作出来る最大傾斜・・・床、台、クルーン・・・・・それぞれのMAX10・・・合わせて30!3度の手回しはもうした・・・限界!これが今こちらに出来る限界だ・・・MAX!これ以上はない!」

村谷「店長・・・。」

 

そして!クルーン2段目!」

「来たぞー!!!」

「うっひょー!!!」

 

中島「よし!徐々に弱まっている・・・後少し!!!」

 

しかし・・・またもや惜しくもハズレの穴へ・・・。

 

「うわー!!!惜しい!!!」

ルーシー「当たりに掠って入りそうだったのに・・・!!!」

 

サブロー・・・もう冷や汗が止まらない・・・。

 

サブ『何てことだ!!!はずれこそしたものの・・・今の動き!奥 流れ!!!もし手前に傾くか全くの水平ならあんな動きはしない・・・弱まった玉はもっと外側、外れるにしても外側に沿って流れハズれるはずだ・・・つまり・・・・奥傾斜だ!まだ!・・・て事は・・・MAXでもダメ!!!??』

 

サブ『ぐっ・・・これはまずい!!!こんな状態で3段目まで行ったら・・・またトロトロと・・・ぐっ・・・・・・・!!!ダメだ!それだけは!!!』

 

村谷「店長!今の動きは・・・!?」

サブ「分かってる!・・・そうだ!」

 

すると、サブローは持っているリモコンをいきなり操作しだした。

 

村谷「店長?」

サブ「奴らは、ビルをクルーン側に傾き倒している・・・こんな大技荒業、まさか自在って訳じゃないだろ?」

村谷「は?」

サブ「つまり・・・・・奥に倒したら奥に倒したきり、その傾斜を元に戻したりは出来ないはずだ・・・!」

村谷「た・・・確かに・・・。」

サブ「ならば・・・被せてやる!奥!僕も奥に倒す!」

村谷「え!?」

サブ「僕も奥に倒せば、奴が仕掛けた奥傾斜と重なり、さらに強力な奥傾斜になる・・・そうなれば、手前に当たりのある1段目2段目の通過は更に困難になる!」

村谷「・・・なるほど!」

サブ「これなら上手くいくはずだ。」

 

でも、まだ不安が残る・・・妙手で名案だが・・・もし万が一、3段目に行った時の対処法はどうするのか?

「・・・・・・・・。」

 

すると!サブローは{ある事}を思い出した。

 

サブ「・・・そうだ!あれがあった!」

村谷「え?・・・あれってまさか・・・!?」

サブ「2~3年前に試作した装置があったろ?1度営業前に試しに使ったら・・・その守りがあまりに鉄壁過ぎて逆に露骨で不自然・・・それらが理由で封印した禁じ手とも言えるあの装置・・・。」

村谷「ありましたね・・・確か正式に使わずそのまま・・・。」

サブ「使おう!今それを!」

村谷「え!?しかし・・・事務室か倉庫にあるはずですが・・・何しろ封印の如く片付けたので何処にあるかは・・・。」

サブ「捜せ!何としてでも!今すぐここに!!!」

村谷「は!はい!」

サブ「スタッフ総出だ!」

スタッフ皆「はい!」

 

あの装置とは・・・。

 

サブ『あんな失敗作は、出来れば使いたくなかったが・・・この状況下では仕方ない!負けたら破滅だ!躊躇してる場合じゃない!出来る事は全てやる!やれる事は徹底的にやる!そして・・・勝つ!守り切る!あの大当たりだけは必ず!!!』

 

サブ『勝つ・・・勝つ・・・・・勝つ!!!!!』

 

サブ『僕は・・・・・敗北するわけにはいかないんだ!!!こんなところで!』

 

「うわ~!!!惜しい!」

「だがイケる!!!」

 

サブ『負けられない!ふざけるな・・・躓いてたまるか!!!あんな石ころ同然のガキに!!!』

 

すると・・・ここで思いもよらない事態が!!!

 

 

「おぉ!!!!!クルーンに同時に2発!!!」

「すげー!!!ミラクルじゃねーか!!!」

 

サブ『な!!!ふざけるな!!!冗談じゃないぞ!!!』

 

サブ『沈んでたまるか!!!こんな薄暗い沼・・・日の当たらない裏カジノ!』

 

だが・・・玉は2個共惜しくもハズレの穴へ・・・。

 

 

サブ『その店長程度で終わってたまるか!!!積み上げてきたんだ!伊佐坂先生の会社に入って10年・・・下働きからコツコツと・・・時折視察とかに来るR.T.Dの連中・・・特に各バンドのリーダー格とサブリーダー格は僕に対する扱いが酷い・・・頭を

踏むのはまだいいが・・・僕を四つん這いにして椅子替わりにするとか・・・良心的なのも少なくはないのが救いだ・・・・しかし、Messiahの方が全然マシだ!!!嫌な奴は何人かいるが・・・そんな連中にも頭を下げ・・・積み上げてきた!いつかトップになるために!!!』

 

サブ『耐えた!あの連中の気まぐれに・・・常軌を逸した弄り・・・例えば、女性陣全員の靴から脱ぎたての裸足を浸した赤ワインが入った金タライを一気飲みさせるとか・・・まぁ悪くはなかったが・・・そういうバカげた余興にも嬉々として付き合った・・・何故か?味方になれば好都合だからだ!!!そうすればいろいろチャンスが恵んでくる!そして・・・伊佐坂も!』

 

サブ『この会社を牛耳るわが社の核心!国内外でもその名を轟かせている・・・僕はそんな伊佐坂社長から特別な寵愛を受けてる若きエース!・・・そうなった暁には必然的に僕も駆け上がる・・・我が社・・・最大手!伊佐坂ホールディングスの10指に入れるのも夢ではない!』

 

サブ『見えているんだ・・・その、栄光への架け橋のレールは!!!それを・・・消されてたまるか!!!』

 

サブ『こんな底辺の地点・・・中途半端な出世・・・この程度で・・・この・・・』

 

「おぉ!!!またクルーンに来たぜー!!!」

「よっしゃー!!!いけいけー!!!」

 

サブ『よ・・・よせ!・・・・入るな・・・!・・・入るな・・・!!!』

 

玉は、またハズレへ・・・。

「あぁ~!!!」

「くぅ~!!!惜しい!」

「もう少し・・・あと少し・・・。」

「後ちょっとじゃあないか!!!」

 

サブ『うっ・・・危な!!!・・・・・今、あのハズレ穴をもしヨロヨロの抜ければ・・・次に向かうは当たり穴・・・。』

 

サブ『くっ・・・何をしてるんだ村谷は!?グズグズしてると手遅れになる!!!早く!・・・・・早く持ってくるんだ!例の装置を!!!』

 

すると・・・・・一緒に探しに行っていたスタッフが一旦戻って来た。

どうやら、事務室にも店長室にも見つからなかった様子であり、恐らく倉庫にあるらしい・・・・・。

 

サブ「え!?」

スタッフ「主任等が向かっているので、我々はもう一度事務室と店長室で引き続き捜索を・・・。」

 

すると!サブローは怒鳴るように「走れ!」と声を上げた。

 

スタッフ女「え!?」

サブ「それが分かってるなら何故すぐに行動しない!?走るんだ!!!報告に2人も来る必要はない!走れ!探せ!」

スタッフ「はっ!」

スタッフ女「はっ!」

 

サブ『・・・ぐっ・・・!!!まずいぞ・・・本当に・・・』

 

サブ『僕と奴の傾けで・・・今は相当な奥傾斜のはず・・・まだ来るのか!?手前の穴に!?・・・ぐっ・・・!』

 

サブ『結局・・・不可能って事なのか?・・・・・傾きだけで完全に防ぐのは!?・・・確かに、奥傾斜で手前に行きにくくすることは出来るが・・・来てしまった玉は無意味!外側からその玉が流れ込むように入る事は防げない!!!くそぉ~~~~~~!!!!!!!』

 

中島「くっ・・・ぐっ・・・おし!また来た!!!」

 

サブ『嘘だろ!?またクルーンに!??・・・やめろ!!!やめろぉ~~~~~!!!!!!!』

 

サブ『僕は・・・こんな地位で終わる訳にはいかないんだ!!!僕は・・・終われない!!!どうせなら・・・お前だ!中島ひろし!』

 

サブ『お前なら別にいいだろ?単なるギャンブル中毒だしまだ子供だ!やり直しが効く!ここで終わっても借金残って地下に戻るだけ・・・そんな未来でも別にいいだろ!どうせロクでもない未来だろ!?』

 

玉は・・・またハズレ・・・・・。

 

「あぁ~!!!」

「惜しい!!!」

 

サブ『消えろ・・・消えてくれ!!!だったらお前が消えてくれ!!!僕は・・・見返さなきゃならないんだ!!!かつて、僕を見下してた友人の皮を被ったバカ共!!!』

 

サブ『その不遜な勘違い・傲慢を・・正さなきゃいけない!!!解かなきゃいけないんだ!!!奴らの・・・僕に対するバカげた誤解、思い込みを・・・知らしめるんだ!!!』

 

サブ『どちらが虚仮で・・・どちらが本当は・・・浅墓・・・程度が低いか・・・証明!証明しなきゃいけない!!!』

 

 

それは・・・・・・今から4~5年前くらいの事だった・・・・・。

 

まだ下働きだったサブロー・・・買い出しを頼まれカジノに戻る途中・・・中学時代の友人3人と偶然会った。

 

馬渡(まと)「サブローじゃないか!?」

サブ「あれ?・・・・・ひょっとして馬渡!?それに石田と浅川!?」

石田「久しぶりだなー!」

浅川「中学以来か?」

 

 

 

 

懐かしさもあり、近くのファミレスへ・・・。

 

 

馬渡「え!?カジノに勤めてるのか!?」

サブロー「あぁ、これが結構良いんだよ。」

馬渡「でも、アミューズメントクラブって奴だろ?はぁ~~~?お前・・・そこしか行くとこなかったのかよ?三河屋さんを経て行き着く場所はカジノかよ・・・。」

浅川「え?」

馬渡「あれだけ勉強出来たのにお前・・・やっぱ最低でも高卒じゃないと厳しいか?・・・大卒なら尚更良いぞ!」

石田「ばっ!・・・お前よせよ!!!」

サブ「しょうがないよ、早く働きたかったんだからさー、それに今勤めてる所は高収入だから問題無いよ~。」

石田「そ・・・そうか。」

サブ「因みに、これくらいもらってるよ。」

 

持っているメモ用紙に一か月分の給料の額を書くと・・・3人とも驚きを隠せなかった!

 

馬渡「うわ!!!マジかよ!?」

浅川「おいおい!叙々苑とかフレンチとか奢ってくれよー!」

石田「お前は相変わらず調子良いよなー!」

 

すると、サブローはバッグから何かを取り出しポッケに入れ・・・・・ちょっとトイレと言って席を外した・・・。

 

そして3人はサブローが見えなくなったのを見てまた会話を・・・。

 

馬渡「・・・ビミョー!!!落ちぶれてんだか成功してんだか分かんねーなー!」

浅川「でもよー、これだけの額をもらってるんだぜ?やっぱ凄ぇよあいつ!」

石田「だけど・・・カジノって虚業だろ?実態が無いからなぁ・・・。」

馬渡「あーそれもあるなぁ・・・あいつ本当に大丈夫か?」

浅川「やっぱり、もっとしっかりしたとこ入んなきゃなぁ就職はやっぱり。」

馬渡「俺達はその点安心かもな?一部上場の銀行と証券会社内定だし。」

浅川「だな!サブローが高給取りなんだから俺達だってそうならないと示しが付かないもんな!」

石田「そうだそうだ!あいつに負けてられないよな!俺達も勝ち組だって事を証明しなきゃ割に合わないぜ!」

 

その音声を・・・トイレでサブローはさっき持ってきた盗聴器で聞いていた。

サブ『ふっ・・・・・甘いなお前ら・・・いくら給料を多くもらってもそれだけじゃ意味が無い!実態が無いのはそっちさ。』

 

サブ『R.T.Dの連中・・・特にリーダー格とサブリーダー格は大嫌いだが・・・言ってる事は適格!・・・・・その中でみ僕が1番大嫌いなガルダは特に的を射ている!!!』

 

それは・・・【賭博破戒録ナカジマ-5話目-】でのガルダの言葉を思い出してた・・・・。

 

その時、サブローは隅っこの席で食事会に参加していた。

この時のガルダが言っていた「金持ちとは何か?」という話・・・・・サブローもこれに共感していた。

 

 

サブ『ククク・・・・・つまりそういう事だ!この場合は実質・・・僕も入れる!僕や彼らをバカにしたり貶したりした奴らは絶対に入れない!どんなに詫びを入れたり頭を下げてもな!!!しかも・・・シェルターの地下帝国は既にプロの業者に頼んで完成している話だ・・・。』

 

サブ『変に失言しなくてセーフだったなぁ・・・3人とも・・・ククク・・・。』

 

そして・・・・・また談笑してファミレスを後にする・・・。

 

馬渡「じゃあなサブロー!」

サブ「おう!」

浅川「頑張れよー!俺達も頑張るからさー!」

サブ「分かってるって!」

 

サブ『まっ、とりあえず頑張れよ!陽炎にならないようにな・・・ククク。』

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

サブ『だから・・・何としてでも勝つ!!!消えられない!こんな地点で消えられない』

 

それでも・・・中島の攻めは止まらない!そして鳴りやまないオーディエンス!

 

サブ『僕にはあるんだ!!!未来が・・・輝かしい未来が!!!』

 

サブ『耐えろ・・・耐えてくれ!!!僕の頼みの綱の最終兵器!!!あの防御を作動させるリモコンがくるまで・・・!』

 

サブ『耐えてくれ!僕と奴の仕掛け!この二重の奥傾斜で・・・!!!』

 

だが!玉はまた2段目のクルーンに!!!!!

 

ルーシー「また来たわ!!!2段目に!!!」

「おおお!!!来た来たー!!!」

「また来たわー!2段目!!!」

 

サブ『うぅっ・・・・・・・くっ・・・・・!!!ダメだ!3段目はダメ!その前の2段目で止めなきゃダメだ!!!3段目に行ったら、もう守る術は無い!!!完全に運否天賦!』

 

サブ『いや・・・奥傾斜で玉が奥に流れやすいことを考えると、3段目は寧ろ・・・入りやすい!1/5って事はまずあり得ない!

1/3か1/2・・・ともかく・・・止めるしかない!!!何としても!1段目かこの2段目で・・・』

 

玉は・・・無情にもまたハズレ穴・・・。

 

「あぁ~~~~~!!!!!!!!」

「惜しい!」

「後ちょっと・・・。」

 

サブロー・・・安堵するがそろそろ疲労が・・・。

 

サブ『はぁ~・・・助かったぁ・・・』

 

敦「大丈夫!まだいけるよ!!!」

「そうだそうだ!まだ大丈夫!」

「まだ終わってないぞ!!!」

「諦めたらそこで、試合終了だぜ!」

 

立原「中島ー!へこたれてる場合じゃないぞ!!!!!」

 

その時!ブザーが・・・パッキーの残高が切れた合図だ。

 

「!?」

サブ『あ!・・・終わったんだ!1000万・・・て事は・・・残りは1000万!』

 

そして、中島はラストパッキーを貰い・・・・・。

 

サブ『ラスト・・・あれがラストだ!ラストパッキー!耐えた・・・ここまでは!』

 

サブ『多分・・・僕が奴の奥傾斜に被せてさらに奥傾斜にしたのは・・・残金500万くらいの頃!つまり・・・どうあれ500万円分は1度も3段目まで行っていない!守り切った!一応!二重の奥傾斜で何とか!いつ来るか分からない例のリモコンはあてに出来なくなってきてる・・・こうなれば!この二重の奥傾斜で耐えるしかない!1段目と2段目で守り切る!』

 

そしてパッキーIN!再スタート!

 

「よっしゃー!!!」

「いけいけー!!!」

「負けるなー!もう来る頃だー!」

 

サブ『くっ・・・残り1000万・・・1000万だ!後・・・・・1000万!!!』

 

サブ『つまり・・・あと2500発・・・この2500発を耐えれれば・・・勝てる・・・・・!!!!!!!』

 

サブ『来るな・・・頼むから来ないでくれ!!!来るな来るな来るな!!!!!!!』

 

 

この時!中島・・・サブロー・・・この2人どちらにも負け・・・破滅があり、勝利がある・・・・。

 

だが!!!2には持っていなかったモノがある!決定的な何かを・・・!それは・・・R.T.Dの面々も感じていた!

故に跳ね上がる、銀玉の気紛れで容易くどちらにも転んだ!

 

結局・・・勝利の決定打なる{何か}は・・・2人が生まれながら持っている・・・運!宿運の差かもしれない!

 

中島「くっ・・・ぐくぅ!!!」

 

それは!生まれながらの努力と関係なく!ただ生まれながら・・・サブローが上回った!!!

 

そしてそうこうしている内に・・・パッキー終了目前!

 

中島『ぐっ!ここに来て見放したか・・・天!!!この正念場!崖っぷち!ツキにも・・・』

 

そして・・・終わった!!!

 

サブロー「やぁやぁ、悪運が尽きたかい?金も無くなればゲームセット!文無しは消えろ!それがカジノの鉄則!!!対等の口を

叩くのも御法度!!!!さぁ!!!地下に帰りなさい!!!!!カーッカカカカカカカ!!!」

 

中島「まだだ・・・金ならある!」

サブ「な・・・何!?」

中島「立原さん・・・バリアフリートイレでミーティングです!敦さんも!鏡花さんも!ルーシーさんも!谷崎さんも!」

「!?」

立原「・・・ぐっ!」

 

サブロー『何だ?・・・何を企んでるんだ?・・・・・』

 

そして・・・彼らはバリアフリートイレへ。

 

立原「・・・まさかとは言わねーが、金を貸せって言いてぇのか?」

中島「・・・はい、それ以外は。」

立原「言っておくけどなあ・・・これ以上は貸さねーぞ!大体金って言うのはなー!」

中島「よしてよ!あるとか無いとかそういう問題じゃないんだ!それに僕は知っている!あなたが今1000万・・・このギャンブルに敗れた時にすぐ逃亡出来るように・・・銀さんが今持ってるカバンに詰めてある事を!!!そして・・・それを敦さん達も知っていて・・・・・立原さんと同じく逃亡用の資金を既に用意している事も知っている」

 

「!?」

立原「ぐっ・・・!!!」

敦「・・・・・。」

中島「それを・・・貸してほしい・・・!」

「・・・・・。」

中島「貸さなきゃあなた達だって破滅!・・・迷う事はない!貸してください!立原さん!!!」

 

すると・・・立原は「ふざけるな!!!!!」と一括!!!

 

立原「冗談じゃねーぞ!・・・そう簡単に突っ込めるかよ!これ以上はもう・・・!!!」

中島「立原さん・・・。」

立原「この金は・・・俺と銀の最後の命綱・・・これで高跳び出来なきゃ・・・待ってるのは地獄だ!そんな命銭を・・・てめぇみたいな運無しに!・・・それにこんな事しでかしてポートマフィアに戻れるわけねーだろ!!!!!ボス達に会わせる顔が無ぇ!!!」

中島「立原さん・・・。」

敦「僕達も同じだよ・・・こんな事したから・・・今更探偵社に戻れないよ・・・。」

ルーシー「あたしもよ・・・マスターやフランシス様に合わせる顔が無いわ・・・。」

中島「・・・。」

 

立原「それに、この肝心要・・・勝負所で、1発も3発目に持っていけねぇクズ野郎・・・そんなゴミの様な奴に!つぎ込めるわけねーだろ!!!寝言は休み休み言いやがれ!!!」

中島「待って!話を聞いて!!!」

立原「るせー!!!・・・・ぐっ・・・くそ・・・!!!!!」

 

敦『・・・あれ?立原さん・・・少し泣いてる?』

 

立原「バカだったよ、俺達が・・・お前みたいなクズの口車に乗った俺達がバカだった・・・情けねぇぜ・・・・・もう落ち目なんだよ、俺達は・・・・・今までの異変解決や戦いで使い果たしちまったんだ・・・・・運を・・・・・。」

中島「・・・・・・・。」

 

立原「幕は下りた・・・あばよ・・・!皆!行くぞ!もう終わったんだ!」

中島「違う!!!いいから聞いてくれ!!!最後に・・・この発見!!!この発見だけでも聞いてくれ!!!!!!!!」

 

その発見を話し出すと・・・皆驚きの色を隠せなかった!

 

「!?」

谷崎「ほ・・・本当なの!?それ!?」

中島「嘘じゃないです!てかこの状況下で嘘ついてどうするんですか!?・・・・・とりあえずこういう感じです!立原さん!これでも逃げ出すんですか!?勝利を・・・目前にして・・・!!!」

 

立原「・・・くっ!!!」

中島「戻って来てください!勝負!!!ここは勝負!!!ここで行かずしてどうするんですか!?ここで今、そのお金を!突っ込まないでどうする!?まさか惚けたなんて事はないよね!?立原さん!!」

 

中島「勝てるんだ!もうそれは目の前!直前!あと数センチで7億!」

立原「仮に・・・。」

中島「え?」

立原「仮にその話が確かだとしても、絶対に来るとは限らねーだろ・・・!?」

中島「え!?何言ってんだよ!!!絶対だよ!福引のガラガラを最後の1玉が出るまで回すようなもの!必ず当たる!絶対!!!」

立原「だから!!!その絶対が・・・俺の持ち金1000万で・・・必ず来るとは限らねーって言ってるんだ!!!」

中島「ぐっ・・・。」

立原「そうだろ!?中島!?どうせハズレがある!!!失敗が!」

 

すると!中島はイライラしたのか思わず床を蹴り上げ・・・!!!

 

中島「吐かすな!!!屁みてぇな事!!!それがどうしたんだ!?ハズレがあるから何だって!?異能力者でポートマフィアの人間が聞いて呆れるよ!?それこそ中也さんに殴られるぞ!だったら沈みゃあいいだろ!?そん時は僕達全員地の底暮らしも覚悟しろよ!それくらいさ!!!」

立原「・・・・・・・。」

中島「第一!今逃げて・・・仮に逃げ切れたとしてもどんないい事がある!?借金取りの目を恐れひたすら海外で身を潜める日々!?それって・・・そんなに良い事なのかよ!?」

 

「!?」

 

中島「何があるんだ!?そうやって逃げた先!・・・堕落した日々を送って酒浸り・・・虎の子食い潰していく・・・そんな半ボケ人生が関の山!!!その若さでそんな情けない日々を送るのか!?あれだけの戦果を挙げて異能力者としても暗殺者としても跳びぬけた成績を得たのにも関わらず結果がこれか!?ふざけるな!!!!!」

 

中島「そんな未来は望みか!?違うだろ!?あんた等の望みは・・・未来は・・・そんなんじゃ無いはずだ!!!」

 

立原「ぐっ・・・・・・。」

銀「・・・・・・・。」

谷崎「・・・・・・・。」

敦「・・・・・・・。」

ルーシー「・・・・・・・。」

鏡花「・・・・・・・。」

 

中島「(少し涙ぐみ)分かってくれよ!!!迷ったら望みだろ!?望みに進むのが気持ちのいい人生ってもんだろ!!!!!!!」

 

中島「仮に・・・地の底に沈もうともだ!共に!」

 

敦「・・・くっ!!!」

中島「聞いてください!皆さん!!!!!約束します!もし地に沈む事になったら毎月給料日に・・・酒類やジュース類を振る舞います!立原さん達がくたばるまで・・・!!!」

 

「・・・・・・・・。」

あれ?皆、少し泣いてる?」

 

立原「ぐぐぐ・・・!!!」

中島「立原さん!」

 

立原「約束だぞ・・・ビール!チューハイやハイボールでも構わねー!」

中島「・・・・・立原さん!!!」

立原「乗ってやる!その話に!」

中島「それでこそポートマフィアの一員ですよ!!!よっしゃー!」

 

中島!見事1000万ゲット!そして・・・借用書に記入した。

 

中島「あまり間を空けたら棄権と見なされちゃうから急がないと!」

中島は、その場を後にし急いで饕沼へ・・・。

 

立原「ちっ・・・全くあの野郎!追い詰められてる割には妙に生き生きしてやがるぜ!」

ルーシー「本当・・・頼りになるんだかならないんだか・・・。」

敦「でも、ここでグダグダ言っても始まらない・・・ここまで来たらもう、託すしかない!中島君に・・・!」

カツオ「中島・・・。」

 

そして饕沼では・・・。

 

中島「1000万!これであんたの息の根を止める!」

サブロー「ぐっ・・・!」

 

「おいおい!まだやる気だ・・・!!!」

「5000溶けたかと思えば・・・もう1000万!?6000万持ってたって事か!?」

「えぇ!?・・・でも、おかしいわね・・・博奕に注ぎ込むにしても多過ぎよ!?家が建つ金額よ!?もうめちゃくちゃよ!?」

「まあ・・・確かに3段目の大当たり・・・あそこに入りさえすれば全てはチャラになる・・・いくら注ぎ込んでもプラス7億でカムバック・・・でも来なければ6000万をドブに捨てるようなもの・・・。」

「てか、まだ子供だぜ!?どうやって借金したか分からないが・・・どうにもならねーぞ!?破滅もいいとこだ!」

「狂気の沙汰ね、そんな金でギャンブルする・・・ましてや小学生・・・そして貸すほうも・・・。」

 

そして、立原達も戻って来た。

 

立原「たくー、お前の神経は常軌を逸しているぜ!この修羅場で生き生きしているお前がどうかしてるぞ全く!」

サブ「まさか・・・君が!?」

立原「しょーがねーだろ、貸さざる得なくなっちまったんだからよ。」

サブ「何をバカな事を?もはや無駄賃だよ!?」

銀「かもしれません・・・しかし、行くしかなかったんです、退がっても希望はありません・・・前に進む以外私たちに選択肢は残されていませんから。」

 

谷崎「ともあれ、これでスッカラカン!その金で最後!凌げば勝ち!今度こそあなたの・・・。」

サブ「ぐっ・・・・・!!!!!」

ルーシー「どうしたの?その明白(あからさま)な迷惑顔・・・それでも客商売?金は持ってきた以上あたし達は客よ?歓迎しなさいよね?もう少し。」

サブ「ぐぐっ・・・・・!!!」

 

すると、何故かお金のチェックと磁気チェックを始めた。

理由は簡単!例の最終リモコンが届くまでの時間稼ぎだ!

 

サブ『正直・・・予想外だ!終わったはずなのに、こんな延長・・・・・さっきは何とか凌いだが次のこの1000万も必ず凌げるとは限らない!!!時間を稼がないと・・・あのリモコンが届くまで!』

 

ルーシー「ちょっとー!!!いつまでかかってるのよ!?いくら何でも時間かかりすぎよ!!!・・・・・・・あ!まさか・・・何か企んでるんじゃないでしょうね?」

サブ「!?」

銀「もしかして・・・長引かせてるのは何か別の目的があるのでしょうか?」

サブ「な!・・・そんな疚しいことは!!!」

敦「だったら、もういいですよね?全部虱潰しになる必要はありません、ほんの20か30枚無造作に引き抜いてチェックすればそれでいいはず・・・そうですよね?立原さん。」

立原「そうだ、俺達ポートマフィアもこういう裏カジノを経営しているけどお前らみたいな姑息なやり方はしねー!これはあきらかに不当だ!この引き伸ばしは!」

サブ「邪推だ!よく考えてください!いきなり急に1000万だなんて!!!そんな都合良く得られる大金じゃない!いかがわしいじゃあないか!第一ポートマフィアの傘下の金融機関だろ!?」

立原「悪いが、ウチは商売に関しては正統派でな、悪徳業者みたいな行為はしねーよ、俺達ポートマフィアはそういうの嫌いだしな。」

サブ「ぐっ・・・だ!だがこれは特別な事情とも見て取れる!多少慎重になるのも当然だ!もう少し待っててくれ!!!」

ルーシー「早くしなさいよね!全くー!!!」

 

そこへ・・・村谷はサブローに話しかけてきた。

村谷「脇でパチンコをずーっと見ていたんですが、1つ気付いたことが・・・。」

 

それを、サブローに耳打ちすると・・・サブローは驚きの色を隠せなかった!!!

 

サブ「何だって!?」

村谷「偶然とは思えません!!!」

 

サブ『そう言えば・・・・・なるほど!僥倖!!!天が味方した!!!やったー!押し切れる!リモコンも不要!勝てる!勝てるぞ!』

 

敦『?・・・どうしたんだろ?サブローさん・・・急に止まって・・・。』

 

サブ「いいだろ!分かった!交換を許可する!パッキーの!!!!!」

 

これには、オーディエンスは大歓声!!!

「再開だ!!!」

「おおお!!!!!!!」

「よっしゃー!!!いいぞー!!!」

 

敦「どうしたんだろ?急に・・・何か嫌な予感が・・・。」

中島「どうでもいいさ!そんな事!どうであろうと構わない!ともかくさっさと・・・・座っちまおう!まだ策はあるし!」

 

サブ『策・・・?』

 

そして、パッキーを受け取り・・・再スタート!!!

 

中島「ほんじゃー行くか!追加の虎の子!ラスト1000万!!!!!!!」

「おおおおおおお!!!!!!!!」

「いけいけ!!!」

「ぶち込めぶち込め!!!!!!!!」

中島「当然!!!ぶち込まずして帰れるかってんだ!!!!!!!」

 

中島『当てる!!!7億!!!絶対に!!!』

 

サブ『無駄だ・・・無駄賃だ!当たる訳がない!どう足掻こうと勝てやしない・・・結局。』

 

「おぉ!!!!!来たぞクルーン2段目!!!」

 

サブ『そう!2段目・・・・・この2段目がまさに問題!鬼門!全く・・・我ながら感心しちゃうよw・・・自らのツキに!』

 

サブ『何しろ・・・全くの偶然なのだから!策を弄した訳でもない!こうすればああなるみたいな・・・そんな確かな読みがあったわけでもない!ただ仕方なく言うなら・・・半ば一か八か奴がビルを倒して作った奥傾斜に・・・こっちも被せていた!その急激な奥傾斜で何とか2段目まで玉を潰そうを目論んでいたが・・・しかし!それが思いもかけず、完璧!!!最高の案配になった!』

 

サブ『つまり・・・銀玉の慣性・・・・・回転力が失われて・・・二重の奥傾斜が物を言い・・・・・もう登らない!玉は最下点!つまり1番の奥で・・・殆ど散っていく!』

 

しかし!やっぱり紛れは付きもの!ごく稀にラスト・・・最後の力でその傾斜を登る玉もあるが、その玉も最下点の次!次の穴で力尽きる!

 

サブ『それが限界!「1段目の場合、それは当たり・・・だから!必然!何玉かに1玉2段目へ銀玉を送る・・・しかし!2段目は違う!2段目の場合最下点を過ぎた玉がヨロヨロと向かう先は・・・・・ハズレ穴!届かない!もう先の当たりまでは!』

 

サブ『これぞ必殺!思いかけず・・・必殺!』

 

そして、またハズレ・・・。

 

中島「くっ・・・!!!」

 

パッキーの残金も後僅か・・・500万・・・。

 

サブ『学習能力0に連中め!3段目に行かない事に対して何の疑問も湧かないのか!?』

 

サブ「中島く~ん?いい加減諦めようか?オマヌケボーイ君?」

 

サブ「分かんないのかなぁ?2段目の穴は入らない!君の粘りは無意味!教えてやるよ・・・つまり僕と君の奥傾斜は・・・。」

中島「知ってるよ!それくらい!」

サブ「え?」

中島「サブローさん、多分あなたは驚愕するはず!二重の奥傾斜がもたらしたもう1つの現象・・・それを目の当たりにしたら・・・!!!」

サブ「は!?」

 

中島「ククク・・・・・。」

サブ「バカを言うな!!!何を訳の分からないことを!気でも触れて追い詰められたか!?無駄だぞ!何か意味ありげなカマ・・・カッコつけ!そんなものは・・・その証拠に玉は着々と減り続けてる!頼みの1000万も残り500!半分!もはや種切れ!君の小細工!手品の種も・・・。」

中島「ククク・・・成程!手品ねぇ・・・そうするかないっそ・・・銀さん3万ありますか?それとテープももしあったら貸してくれませんか?」

銀「はい、良いですけど。」

中島「サブローさん、最後の最後に見せてやりますよ・・・僕の飛びっ切りの秘術!魔王を!」

サブ「え?」

中島「えらそーには言えないけど、なんせこれは・・・全くの偶然!計算外の現象!神憑り的幸運!僕の力じゃない!言うなら・・・・・天の力!勝負の綾ってやつだ!」

 

すると中島は、3万全てをテープでクルーンを隠すように貼り付けた。

 

中島「この目隠しが秘訣さ!」

「!?」

 

中島「こうしておいて、しばらく打つと・・・あーら不思議!霊験あらたか・・・この諭吉の威光が、道を開く!!!」

サブ「は?」

中島「天は人の上に人を造らず!人の下にも人を造らず!・・・この御託の意味は要するに、人間の浮沈はチャンス次第!バカでもクズでもチャンスを生かせば勝者!!!」

 

中島「そしてそのチャンスは、案外身近に落ちている!目を凝らせ!諦めなければ蘇生さえ可能・・・つまり!一度死んだ玉さえ・・・生き返る!!!ククク・・・・・。」

 

サブ「う・・・うう・・・・・・・ううう・・・!!!」

 

敦「中島君?・・・一体どうしたのさ?まさか・・・・・気でも触れたの?」

ルーシー「そうよ・・・クルーンを目隠ししたって意味無いし興味半減よ?」

 

「そうだそうだ!」

「見せろよ!!!つまんねーだろ!!!」

「そうだそうだ!!!」

 

中島「まあまあ、少々お待ちを・・・」

 

すると・・・サブローも我慢できず・・・。

サブ「いい加減にしろ!!!悪ふざけは認めないぞ!!!さっさと剥がせ!!!!!!」

 

万札を剥がした!!!が・・・そこには驚くべき光景が!!!!!

 

「!!!!!!???」

サブ「な!!!」

 

「バカな!!!!!」

「ど・・・どうしてこんな事が!?」

 

敦「な・・・中島君!!!」

中島「頃合いだから・・・こうなる事は必然!!!」

サブ「ぐ・・・ぐぐっ・・・な!何故だ!・・・何故・・・・・・・・玉が溢れてるんだ!!!!!!!???」

 

そう!何とクルーンの1段目と2段目で玉が溢れている!!!何故!?」

 

サブ「あり得ない・・・何故ハズレに入らない!?沈まない!?」

 

すると・・・谷崎は気付いた!

 

谷崎「あ!!!ハズレ穴に・・・詰まってる!パチンコ玉が!!!」

「!?」

「え?」

「どういう事だよそれ?・・・・・」

 

サブローの頭に過った・・・・・中島のあの言葉。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

中島「サブローさん、多分あなたは驚愕するはず!二重の奥傾斜がもたらしたもう1つの現象・・・それを目の当たりにしたら・・・!!!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

サブ「・・・まさか、玉詰まり!?これが奴の言う・・・その現象!?しかし何故・・・・・そんな事が?・・・」

 

サブローはふと、ハズレ玉の排出口を目にやると全てを理解した!

 

サブ『あっ!・・・・・ああああああああ!!!!!!!!!!』

 

サブ『出てこない!!!玉が・・・ハズレ玉が!!!!!何故?・・・・・・一体どうして!?』

 

まず思ったのは・・・排出口に何か詰め物をした案だが・・・・・・・これはさすがに不可能!!!この勝負の最中にそれはまず無理だ!

 

そう考えてると・・・中島が言っていた「二重の奥傾斜がもたらしたもう1つの現象」の言葉を思い出した。

 

サブ『二重・・・・・奥・・・?・・・待てよ?・・・・つまり・・・・・手前倒しが奥・・・・・あ!!!あああ!!!!!』

 

サブ『何てことだ!?逆!・・・逆流だ!!!!!』

 

そう!それは想定外!全く想像外の出来事!!!

通常・・・饕沼じゃ3段目のクルーンで必ずハズれる様に奥の当たりに玉が行かぬ手前傾斜に設定されている!

そういう状態の時は良かった、或いは全くの垂直か多少の奥傾斜・・・ここまでは問題無かった、ここまでは想定内!

 

しかし!今回の様な過剰な奥傾斜・・・サブローがもたらしたMAXの奥傾斜と中島のビル倒しマジック!この2つが重なり過剰な奥傾斜は全くの想定外!

その結果・・・・・異変が生まれた!

 

サブ「ひっ・・・あぁ・・・。」

 

クルーンにハズレ玉が通る通路、その通路の最後の最後・・・いよいよパチンコ面に玉が排出する最後の道が、通常の下りでなく・・・その逆!!!

登り!登りになってしまったのだ!!!!!!!

 

サブ『くう・・・ぐぅ・・・・・ぐくぅ!!!』

 

 

故に!玉はこぼれない!こぼれず溜まっていく!その結果!・・・1段目の2段目のハズレ玉は次々と内部に蓄えられ・・・登っていく!まるで・・・・・枝を登る尺取虫のように!少しずつ・・・少しずつ・・・這い上がる!

 

光を求め積み重なる・・・勝利への貯玉っ!!!!!

 

そんな異変が、着々とこに饕沼に・・・実は!起こっていたのだ!そして数秒前・・・開花!塞いだ死に至る道を!

 

「凄ぇ!!!」

「何だか凄ぇぞおい!」

 

クルーンに送り込まれた玉は・・・・・。

 

中島『もう死なない!ハズレ穴に弾かれ・・・再び生を得る!甦りだ!!!』

 

不死の玉たちは次第に、最下点である奥側にゆらゆらと溜まりそこに・・・新たにクルーンに送り込まれた玉がぶつかる!

その衝突で新玉も再生玉も訳の分からぬ乱反射!無軌道な動きとなりクルーン内を漂う・・・狂騒!そしていつしか、そんな混乱混迷に疲れ休みを乞うように駆け込む!当たりの穴へ!!!当たり穴へ!安息の地へ!!!!!

 

次々に奔る!それが・・・・・・・まず1段目で起こりすぐその現象は、2段目に飛び火!!!波及する!!!

「おおお!!!!!」

サブ「ひっ!!!!!」

 

「来た来た来た!!!3段目!!!」

「凄ぇ!!!初めて見たぞこんなの!!!2発同時だぜ!!!3段目!!!」

 

立原「中島!!!」

中島「立原さん!銀さん!谷崎さん!敦さん!ルーシーさん!鏡花さん!遂に行くぜ!決着!!!7億奪り!!!!!」

 

決着の時!!!

サブ「あ・・・あああっ・・・!!!」

 

間に合わず!サブロー!懸命に自分のリモコンを操作!奥傾斜を手前倒しの方向へ戻したが間に合わず!!!

二機突入!牙城を撃つ戦車!!!

 

中島「これで入る!!!入るに決まってる!!!待ったんだ!じりじりと・・・2段止まりまで・・・それを今・・・破った!!!しかも2発同時!ここは入る!!!!!」

 

立原「中島!!!2発だ!2発!!!3段目に2発!これは決まるぞ!!!」

中島「そうとも!それが必然!勢い!勝負の必然!!!」

 

だが・・・やがて回転する力を失い失速・・・・・2玉共、惜しくもハズレ穴へ・・・・・。

 

「うわぁ・・・千載一遇のチャンス・・・・・。」

中島「大丈夫だ!!!トイレでも言った!まだある!二の矢!三の矢!再び3段目!!!」

 

そしてまたもや3段目!しかも再び2発!

 

「凄ぇ!!!もうカオスだ!!!」

「突っ込み放題だ!!!3段目に!!!アンリミテッド状態だぜ!!!」

敦「もう関係ない!1つ2つ外れても問題外!これは入るよ!必ず!」

 

サブ「もうダメだ・・・ぉ終いだ・・・。」

 

立原「凄ぇぞ中島!やっぱお前に託して正解だ!!!」

 

中島『まず・・・3分はいけるはずだ!3分間ハ・・・・・ハズレ玉の排出口の最後の直線・・・その傾きは奥倒れのまま!穴は詰まったまま!排出はされない!継続する!!!』

 

中島『即ち!1段目2段目のハズレ無しの状態!これは続く・・・つまり!戻ってくれない!この饕沼は!テキパキとすぐには戻らない!過ぎた奥傾斜が玉詰まりの原因と知ったサブローさんはすぐに手前傾斜へとこの饕沼を操作しただろうが5秒や10秒じゃ無理!すぐには奥から手前へとチェンジは出来ない!』

 

中島『あまりにテキパキと傾斜がチェンジされちゃ・・・打ち手にその変化が気付かれかねない!通常それはあってはならない事!』

 

そう!だからこの台はそういう操作をしてもゆっくり・・・気付かれぬようにごく少しずつしか変化しない!裏目!その用心深い設定が裏目!まさに命取り!!!

 

そして!

 

「おおお!!!!!!3つだ!!!一遍に3つも3段目に!!!」

 

中島『来たぞサブロー!破滅の時!あなたが破れる時・・・ファイナルカウントダウンはもう始まってる!!!』

 

サブロー『う・・・うぅ・・・もうダメだ、奥傾斜はすぐには直らない・・・どんなに早くても2~3分・・・その間にハズレ続けるなんてあり得ない!あり得るわけがない・・・・・ぐくぅ!!!』

 

だが・・・村谷は台の様子を見て・・・何かを感じた。

 

村谷「・・・店長、もしかすると大丈夫かもしれません・・・凌げる可能性があります、アクシデントが無ければ・・・。」

サブ「!?」

 

 

続く・・・。